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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第二章 やわやわと調査する

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17/71

17 グ、ヮシッ……!!



          ******



 ここで、またまた場面は変わる。

 地下室と思しき空間――

 そこで行われる、【茶会】のこと。


「……」


 と、主催者の者は、静かにしながらも、不満を……、なおかつ、多少の不快感を感じていた。

 目線の先には、すでに、“客人”の果てている姿があった。

 胃が、毒劇物により、もはや治療・回復不能に不可逆的に破壊された痛み――

 逃れることのできない苦痛・激痛と、それらを与えられた過程の恐怖に、蠢き、泣きじゃくるさま

 恐らく、脳も、萎縮しきっていると思われる。

 しかし、そんな客人の姿を見ながらも、


「ふぅ……」


 と、主催者は溜め息交じりに、半ば呆れた冷たい目で思う。

 まったく……

 この客人は、失礼か、と思わないのだろうか……?

「うー……」だの、「あー……」だの、「やめてくれ……」だの、唸り声と悲鳴をあげるばかりであり……、まったくもって、客人としての、作法がなってないというべき、か……?

 もっと、どうして――?

 客人として、もてなされること、茶を味わうということができないものか――!!

 主催者としては、まことに残念なことだ……!!

 ――と、ここまで、心の中で声にしたところで、

「……」

 と、主催者は、従者の者たちに、目くばせをした。

 察して、従者のものたちは、


 ――サ、サッ……


 と、静かにして、しかしながら迅速に、また別の茶と、ティーカップを持ってくる。

 それを、主催者は優雅にも飾らぬ仕草で、流れるように、実に手際よく茶を立てる。

 そのまま、客人のほうへ、歩み寄るや否や、


 ――グ、ヮシッ……!!


 と、後ろから手をまわし、頭を鷲掴みにする。

「ひっ……!?」

 と、すでに虫の息の客人が、ビクッ――!? と怯える。

「――いい、でしょうか?」

 まるで、脳に響かんとする声色で、主催者が、何かを言わんとする。

 同時に、最強クラスの激痛植物を――、ギンピギンピの茶を、何とでもないかのような静かな顔で、

 ――ぐ、ぃっ……

 と、自ら試飲をしてみせつつ、続けざま、

「ひっ!? や、やめ――!?」

 と、客人の後ろから手を回し、強引にも、“それ”を“ふるまって”やる。


「ぐぅ!? ごぇ”ぇ”ー!!」

 と、客人は拒もうとするも、容赦なく、すべて飲まされる。

 すると、すぐに、

「ぎぃ!? や”ぁ”ぁ”ぁー!!!!」

 と、客人から絶叫があがる。

 そんな、常人であれば聴き続けていれば、こちらの精神までおかしくなりそうな音がする中で、

「痛覚から――、神経系からもたらされる協奏……。激痛に――、【痛み】というものに、こそ!! 生の、歓びがあるのです!!  生命の息吹く麗らかな春に、御茶とともに感じる……、まさに、【痛覚の饗宴】とでもいうべきか……!!」

 と、主催者は、ときに静かに……、ときに抑揚を織り交ぜ、この【茶会】の素晴らしさを語る。

 なお、強引にティーカップを口にあてられた客人だが、

 ――ガタガタ、ガタガタッ――!!

 と、壊れたように震えつつ、

「ひぎっ!? ギギギィ……!!!」

 などと、もはや呻き声にもならぬ奇妙な音を上げる有り様だった。


 そんな客人に対し、主催者は、

「“それ”と言うのに……、私は、喜んでいただけるような客人を、かねてから招待しているというのに……!! 貴方も、このザマかッ……!!」

 と、こんどは打って変わって!! 豹変するがごとく――!!

 怒気のこもった声色で、頭を鷲掴みにしている手に力を入れる!!

 ――ググ、グッ――!! 

 と、頭を握る手は、スラッとしながらも、怪力とでもいうべきか!!

 その力は、プレス機にも匹敵する!!

「ギィィッ……!!!」

 頭が、脳が半ば潰れかけながら、客人から断末魔が上がる!!

 そして、


「ガ、ハァッ――!?」


 と、最後に吐血を――!!

 それも、まるで内臓も溶けたかのように、ドロドロに濁ったようなナニカとともに吐きつつ!! 客人は絶命してしまった……

 そうして、屍になって垂れた客人を横に、主催者は、気分直しに、茶を飲みながら言う。


「――さて? 貴方は、いかがでしょうか……? ジグソウ・プリンセス」


 と、ひとり言った主催者の目の、瞳の見る先――

 そこには、動じること無さそうな目をした異能力者。

 DJ・SAWこと、パク・ソユンの顔写真があった。

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