16 猟奇モノが趣味ってんだから、そんな、ギンピギンピってのが、頭に浮かんだんだろ?
「しかし、もし……、こんな、有毒植物っていうのが“茶会”で扱われているのだとすれば――、何か、そのような植物の流通ルートだったり、疑わしいやり取りを追跡していけば……、この茶会の“主催者”にたどり着くヒントに、なるんでしょうかね?」
と、チャク・シウが、どこか歯切れ悪くも言葉にして聞いてみた。
麻薬や違法薬物の原材料の植物といった“方面”の追跡や捜査ならまだしも、こんな、ギンピギンピのような、海外の有毒植物という、得体のしれないモノだ。
どのように、流通しているのか――?
そもそも、そんなものの商用取引といったものがあるのかどうかすら、想像もできないため、仕方がなかった。
それは、マー・ドンゴンも同様で、
「ああ……? そうは言っても、そもそも、そんな植物のやり取りってのは……」
などと、顔をしかめ、言葉を詰まらせていたところ、
「――いちおう、“それ”については、探偵団メンバーのドン・ヨンファが、調べている」
と、カン・ロウンが答えた。
「ちっ……、ちょこちょこと、色んなこと調べてるもんだな。アンタの探偵団ってのは」
マー・ドンゴンが軽く舌打ちし、半ば呆れつつも感心する。
また、話は続いて、
「ちなみに、だ……、対象が植物だとすると、少々話が厄介にならんか?」
「違法栽培みたいに、何と、言いますか? 自給自足で、入手できる可能性もありますからね」
と、マー・ドンゴンとチャク・シウが言う。
「うむ。それも含めて、何か、“怪しい趣向”を持った者も調べる必要もあるかなァ……」
「怪しい趣向、ねぇ……」
マー・ドンゴンが、胡散くさそうな顔をする。
「例えば、毒草をテーマにしたガーデンや園芸室とかね」
「ああ……? イギリスに、そんな、毒草庭園ってのがありましたね」
「けっ……、何だよ? 毒草庭園って――」
カン・ロウンに相槌したチャク・シウに、マー・ドンゴンがふたたび舌打して言う。
その、マー・ドンゴンが続けて、
「しかし、そのデザインで、ギンピギンピってのを、よく思いついたもんだな? ロウン」
「いや、このギンピギンピのを思いついたのは、私じゃなくて、ソウ――、パク・ソユンな」
「ん……? ああ……、あの、モデルやらDJやってる女か」
「ああ、あの人ですか」
と、マー・ドンゴンとチャク・シウもパク・ソユンのことを知っており、顔と名前が一致して思い浮かぶ。
「で? 猟奇モノが趣味ってんだから、そんな、ギンピギンピってのが、頭に浮かんだんだろ? パク・ソユンは」
顔をしかめながら、マー・ドンゴンが言う。
「さあ、ね……。まあ、それで……、そのソウに、パク・ソユンに、茶会の招待状が届いてな――」
「――は? 何だとぉッ――!?」
「何です、と――」
と、さらっと答えたカン・ロウンの言葉に、ふたりは衝撃の声をあげた。




