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【激痛茶館】  作者: 石田ヨネ
第二章 やわやわと調査する

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15/71

15 どこか、忌々しい言霊のような響き



          ******



 ――そんなこんなで、仕切り直して。

 カン・ロウンは、これまでの経緯だったり、SPY探偵団で考えている仮説などを、マー・ドンゴンとチャク・シウの刑事コンビに話した。

「何だ? すると、お前らも、この【茶会】ってので、劇物・毒物が“招待客”に“ふるまわれて”るって考えているのか?」

「まさかの、貴方たちの珍説と、似たものになるとはね――」

 と、ひととおり話を聞いたふたりが、そう反応を返した。

「お前ら“も”――とは、マーさんたちも、同様の可能性を考えていたのかい?」

 カン・ロウンは引っかかって、尋ねる。

「まあ、招待状に書かれた化学式や、神経図……ですか? そこから、似たような推測になることも、あり得るんじゃないですか?」

 と、チャク・シウが答え、

「まあ、こいつの言ったとおり、招待状のデザインからの推測だ……。それで、いちおう警察も、ソウル市内外で、何か毒劇物についての盗難や遺失、違法取引についてあったかどうかを調べている最中だ」

 と、続いて、マー・ドンゴンが答えた。

「ああ、まさに、その情報だ。さっき、署の連中に見せてもらいたかったのは」

「だからって、いちいち踊り騒ぐなってんだよ!! まったくよぅ」

 マー・ドンゴンが、「やれやれ」と呆れながらも、続ける。

「それで、ロウン? お前たちは、その……、毒・劇物だけでなく、何だ? ギンピ、ギンピっていったか? その、触っただけでもマズい有毒植物が用いられているとか、考えているんだったな?」

「ああ、そのとおりだ。まあ、マーさんたちは珍説と思うかもしれないが、可能性の一つとして――、もしくは、招待主の“趣向”の一つとして、我々は考えている」

「趣向、ねぇ……」

 と、そいつは趣味の悪い趣向だと、マー・ドンゴンは顔をしかめる。


 また、

「――それに、マーさんたちは、“こっちの招待状”は見たことはあるかい?」

 と、カン・ロウンが画像を見せる。

 そこに映るは、先日の、屋台でメンバーたちと確認した“調査資料”。

 招待状のデザインというのも、いくつか種類があるか、あるいは毎回変えているのだろう。

「ん? 何だ? また、化学物質か何かかよ? しっかし、相変わらず趣味の悪い招待状なこった」

「もしかして、この化学物質が――、その、ギンピギンピと、何か関係があるんですか?」

 と、顔をしかめたままのマー・ドンゴンの横、チャク・シウが聞いた。

「ええ。この、化学物質が、ギンピギンピの神経毒の成分で、モロイジンというらしい……」

「モロイジン、ですか……」

 チャク・シウが、復唱するように唱えた。

 変わった化学物質名であるが、どこか、忌々しい言霊のような響きを感じながら……

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