婚約
アンドレアと婚約した。タルカ・タニニソート伯爵と夫人は快く僕とアンドレアの婚約を認めてくれた。
『家格が違いますが』
と断りを入れたけれど、アンドレアの気持ちを優先すると言ってもらえて安心した。
「これで私達はクロード君の義父母同然だから何時でも訪ねて来ても良いからね。スロイサーナ男爵の代りと思ってくれていいよ」
タニニソート伯爵から優しい言葉もかけてもらえた。
義兄上や姉上にも報告する。殿下やジル義兄上、側近の方々にも報告した。
タニニソート伯爵が殿下の執務室に呼ばれて話をされたそうだ。
執務室から出て来たタニニソート伯爵はげっそりしていたと噂で聞いた。
何を話されたのかは聞いていない。
僕の両親はタニニソート伯爵から了承を貰ったと連絡したら直ぐに王都に来て、タニニソート伯爵夫妻と顔合わせをした。
母上はアイマリクト伯爵令嬢の時王都でのお茶会に出席していたためタニニソート伯爵夫人とは顔見知りだった。
その後お爺様の発案で両家族の顔合わせをアイマリクト伯爵邸で行ったけれど、タニニソート伯爵がずっと顔を青くしていた。
まぁ、参加者の中に自分の上司がいるのだから仕方がない。
アイマリクト家は外務大臣の伯父上夫妻や元外務大臣のお爺様お婆様。
姉上は義兄上だけで無く何故か宰相スタンジェイル公爵夫人やジル義兄上やエリシア義姉上と一緒だった。
王妃様も参加したいと仰られたそうだが邸にいるようにジル義兄上が説得したらしい。
スロイサーナは両親と僕。うん。ほっとするよね。
タニニソート伯爵家からは夫妻と嫡男アッシュと長女メリア、そしたアンドレアだ。アッシュとメリアにも婚約者がいるけれど今日は来ていない。
女性はお婆様が中心になって話をしている。楽しんで頂けているようだ。
男性はスロイサーナ領の運営の事から始まり、国の防衛、経済、隣国の話をしている。
そんな大事な話をお酒を飲みながらここで話をしていて良いのか。
タニニソート伯爵の隣には父上がいてボソボソと話しをしていた。仲良くなったようで何よりだ。
両親は王都に5日滞在してスロイサーナ領へ帰っていった。
次に会うのは夏休暇だろう。
「夏休暇にまた生徒会の親睦会をやるから」
春休暇にスロイサーナ領からの帰りにマリナス先輩から言われた。
「良いのですか」
スロイサーナ領へ行けるのは嬉しいけれどそんなに何度も行っていいのかとも思う。
「今度弟が学園に入るのだが、侯爵家の者だからな。生徒会に入る事になる。本人もそれはわかっているからか、今回のスロイサーナ領に行く時について来たがったんだ。次期生徒会なんだからと屁理屈をつけてきて。はぁ」
「マリナス先輩、それで夏休暇に行くって言われたんですね」
ソルティーがニヤニヤとしてマリナス先輩に言う。
「そうだ。あんまり煩いからな。まぁ、私もそうすれば夏休暇もスロイサーナ領にまた行けると思ったのもある」
マリナス先輩は頬を指で掻きながら照れていた。
「それは、ありがとうございます」
そんなにスロイサーナ領を気に入ってもらえて嬉しい。
「それに護衛や御者がなぁ。順番に連れてこないと揉めそうでな。皆んな湯治場に来たいんだよ」
護衛はいつも一緒にいるわけではない。スロイサーナ領につけばスロイサーナ領の護衛もいるため休みもある。その時に湯治場に行っているようだ。
生徒会の夏休暇の後半は昨年同様、親睦会のためスロイサーナ領へ行くと決まった。
2年になった。組は変わらないためソルティー、サリカ、アンドレアと一緒だ。
生徒会にはマリナス先輩の弟、ルイス・ケレクス侯爵子息(1年生の最高位貴族だ)と友人のフランク・ウォーカー伯爵令息、ハロルド・トーラン伯爵令息が入った。
やんちゃな弟みたいな3人だけれど楽しい生徒会になりそうだ。
僕は2年になっても2日ある休みの1日は王宮で仕事をして、もう1日はアンドレアと会ったり、ソルティー達と4人で遊んだりして充実した日々を過ごしている。
学園を卒業したらスロイサーナ領へ戻る。スロイサーナ領では将来ネルソン先輩とソルティーが側近として、ヤーンが侍従として僕の側にいてくれる。
もちろんアンドレアも。
貧乏だったスロイサーナ領も湯治場のおかげで随分変わった。そんなスロイサーナ領を僕ももっと発展させて行けたらいいと思う。そこに楽しい時間もあればとても嬉しい。
完結しました。
拙い文章を最後まで読んで頂きありがとうございました。
感想、ブックマークなどとても嬉しく、書き進んで行く力になりました。
感謝の一言です。ありがとうございました。




