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有紗と毬紗
毬紗さんとキスした後から、俺は学校へ行く道のりを変えた。
前を通るだけで、辛くなる気がしたから。
兄貴の方にも通知が来たらしく、凄いよ喜んでいた。今日、会うらしい。
「翼くん!」
「ん?」
「んーん、何でもないっ!」
「なんだよそれw 」
有紗さんは最近学校でも普通にキスするようになった。それが教室であっても。
「有紗さんみんな見てる……」
「ん……」
1度スイッチが入るとずっとキスしてくる。
嬉しいんだけどね←
でも、正直、毬紗さんのことが引っかかる。
それでも……。
高校卒業と同時に兄貴と毬紗さんは結婚した。
子供も出来たらしい。男の子が2人生まれた。
俺と、有紗さんも結婚した。子供も出来た。
俺らは女の子が2人生まれた。
「翼っ……」
でも今俺の目の前に居るのは有紗さんではない。
「ん?なに、どしたの。毬紗」
「好きだよ…?あの時からずっと……」
「ありがと。」
有紗さんは、今頃きっと兄貴のとこに行ってるんだろうな。
「翼、愛してる。」
俺は、有紗と毬紗、どっちを愛すべきだろうか。
2人のご両親が不倫してた理由、少しだけわかった気がする。
好きな気持ちには、逆らえない。




