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第八話 virtual部、会議をする


 初のイベントは、概ね成功で終わった。

 配信中にたくさんお話したリスナーさんが、忙しい中来てくださって、対面で(もちろんバーチャル世界でだが)時間の許す限り、沢山話した。

 みこ先輩も良い感じで、無事に終わったようだ。

 

 さすが先輩。

 

 紫苑先輩はというと……会場の隅で、ずっとブツブツとなにかを唱えていた。

 みこ先輩が言うには「いつもあんな感じ」らしい。

 何も知らないとちょっと怖いけど、そんな紫苑先輩も可愛い。

 

 たくさん緊張したけれど、凄く楽しいイベントになってよかった!


 

 こうして、初のイベントは無事に終わりを迎えたのだった。



 

 ホッと一息つき日々の配信をする毎日が続き、気づけば梅雨が通り過ぎ爽やかな風が若葉を撫でる季節がやって来ていた。

 この間のイベントは楽しかったなぁ。

 次のイベントは、どんなものにしようかと思案していると、普段部室に来ない紫苑先輩が珍しく顔を出した。

 

「紫苑先輩、こんにちわ。珍しいですね?こちらに来るなんて」

 紫苑先輩は、神妙な面持ちで部室に入ってくる。

 どうしたのだろう?

「この学園では、もうすぐ()()が始まります。それはとても大きなもので、学生以外の老若男女問わず、沢山のお客様がいらっしゃいます」

 珍しく長々と真剣に熱弁する紫苑先輩だが、一体なんの話しをしているのか、皆目検討がつかなかった。

 

 ()()とは一体……?

「紫苑、()()ってもしかして……?」

 みこ先輩は、目をキラキラと輝かせ身を乗り出している。

 分からないのは自分だけなのか。

「そうです。あれとは……水縹学園一大イベント…学園祭が始まります!」


「そんなに大きなイベントなんですか?」

 喜んでいるお二人に申し訳なく思いつつ、遠慮深く聞いてみる。

「それはそうだよ!ここの学園祭は、自由をテーマに行っているの!クラスや学年、部活問わず誰と協力してもいい。そして何をやろうとしても生徒会に認められさえすれば、ある程度なんでも出来ちゃう。そんなお祭りなんだよ!」

 そう熱弁するみこ先輩の、補足をするように紫苑先輩も続ける。

「出店を開くものや、演劇をするもの、絵の描き方を学ぶ場やアテレコする場を設けていたりと、多種多様なことを学園生一人一人が考え、行うんです。もちろん全員必ずではありません。やりたい人はやってやりたくない人は、準備のお手伝いや当日祭りを回ったりしています。それが三日も続きます」

 聞いていたら、わたしもだんだんと楽しみになってきた。

 

「では、先輩たちは何かするんですか?」

 お二人の顔を見るに、絶対祭りを見て回るだけじゃ物足りないという顔をしている。つまりなにかをしようと企んでいる、ということだ。

「もちろんだよ!」

「内容はこれから決めていくんです」

「つづりんも一緒にやるでしょ?」

 え、わたしも……!?

「いいんですか!?」

 わたしは今きっと、これまでに無いほど目を輝かせているだろう。

 先輩たちとなにかをする事が、なによりも嬉しい!

 みこ先輩も紫苑先輩も、「もちろん!」と頷いた。



 

 それから毎日のように、学園祭で行う企画を考え話し合った。

 学園では、配信を。それが終わり次第、みこ先輩の部屋に集まり、夜が耽るまで話し合う。時には泊まりがけの時もあった。

 

「うーん、いい案が浮かばないねー」

「そうですね」

 うーん、と頭を抱え思案する三人。

「ところで去年は何をしたんですか?」

 そうだ、去年を参考にすればいい!お二人が何をしたのか、純粋に気にもなる。

「去年は、いろんな人とのコラボ配信したよー!来てくれた人と、順番に二人で一緒にvirtual配信するの。みんなにとってもvirtual配信の楽しさがわかって、さらに部の宣伝にもなるし...すっごく楽しかったなぁ」

 みこ先輩の顔を見れば、楽しかったというのがひと目でわかる。

「しかし、あれで部員は増えませんでしたね」

「でも、リスナーさんは増えたよ?」

 確かに、と頷きあう。

 

「では、これはいかがですか?」

 わたしは、あるひとつの案を思いついた。

 学園祭にてこのvirtual部がイベントを行う理由は、一つリスナーさんを増やすこと。一つ部員を増やすための宣伝をすること。

 この二つだ。

 去年は、virtual配信を一緒に行うことで部員を増やそうとして失敗した。

 だったら...

「いろんな企画案を、来てくれた方に考えてもらうんです!」

 

 大まかな企画はこちらで考え、細かな内容を来てくれた方に考えてもらう。

 例えば、セリフ枠をやります!となったらそのセリフを考えてもらう...という感じだ。

「配信者として行うのは、興味はあれどなかなか踏み出せないと思います。だったらその手前、企画案を考える楽しさを感じて貰えれば、virtual部が配信だけを行う部じゃないってことをわかってもらえると思うんです」

 そして紫苑先輩が書いた絵や作成したポスターを置いたら、絵師さんも興味を持ってくれるかも。

 上手く伝えられただろうか。

 

 少しの間、静寂の時が流れた。

 熱が入り、熱く語ってしまったが、まずかっただろうか...

 紫苑先輩は、顎に手を置きなにやら思案している。

 やがて静寂を遮ったのは、みこ先輩だった。

「え、それいいと思う!」

「うん……確かにそうですね。このvirtual部は、現に配信するだけの部ではありませんから」

 みこ先輩も紫苑先輩も喜んで賛同してくれた。

 よかった。後輩なのに生意気だとか言われたらどうしようと思っていたけれど、先輩方がそんなことを言う方じゃないことを信じていた。


 


 こうして、イベントの大まかな内容は決まり、今日のところはとりあえず解散となった。

 しかし、まだまだ話し合うことは沢山ある。なにをどのようにするのか、どうやってvirtual部のイベントに引きつけるのか、などだ。

 企画案を考えてもらうだけでは、virtual部としては面白くは無い。

 

 さて、どんな風にしたら面白いイベントになるかな?

 

 明日からの話し合いも楽しみだ。

 

読んでくださりありがとうございます!


1月29日に秋田にて行われた、ご本人たちのイベントはどうだったのでしょうね♪

わたしも行きたかったなぁ……


今回は、久々の更新になりました!お待たせしてすいません。

次回はなんと!登場人物が1人増えます!

お楽しみに〜♪


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