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蟻は永遠に  作者: ナス
レッツマイマザー
4/9

第4話

俺はトーボの街の軍の隊長のビルだ。


俺はいつものように部下達と訓練に励んでいたのだが、いきなり驚きの知らせが届いた。


アルバートという男が死んだらしい。


「アルバード!?あの街一番の実力者が?」


「ああ、ギルドカードに宿る力が消えた。間違えないだろう」


ギルドカードには色々な機能がある。簡易的な自分のステータスの表示、ランク、身分証明にもなる。


そしてもう一つ、ギルドカードには本人の力が宿っている。これは本人が死ぬと力は消える。なので生死の確認がとれる。


アルバードのギルドカードの力が消えたということは、死を意味する。


「それで、なぜ俺のところに?まぁ、だいたい予想はつくが」


「ああ、上からのお達し。調査団を編成しろと」


「ああ……わかった、すぐに取り掛かる」


俺は部下を招集し調査団の編成をした。





そして二日後私達調査団はアルバードの倒れたと思われるサイデン平原へと向かった。


段々近づいていくにつれ魔物が腐ったかのような臭いが漂ってきて、部下の士気が下がっていくのが見えてきた。


「おい!あともう少しだ!気をぬくな!」


「「「はい!」」」


そして歩いて行くと、黒く光っているものが動いているのが見えた。なんだアレは。


私は【鑑定】でステータスを見た。


ーーーーーーー


名称:ダークネス・キングアント

種族:魔王蟻族


HP:9200\9140

MP:23400\23400


ーーーーーーー


「あ……ぁぁ……」


俺は見た瞬間腰を抜かしその場に尻餅をついてしまった。


「隊長!どうしたんですか!?」


「隊長!」


部下が駆け寄ってくる、立ち上がろうとするも力が入らず立ち上がれない。


「お前たち、此処から今すぐ逃げろ。そして敵は魔王蟻、ダークネスキング・アントと報告しろ」


「魔王!?どういうことですか!」


「わからない!早く行け!奴に見つかる前に!」


「そんなことできません!」


「いいから行け!これは命令だ!」


「ぅぅ……すみません隊長」


そう言い部下達は逃げようとしたが、いつの間にかあの蟻は部下の前にいた。


部下の一人がそいつに攻撃を与えようとしたが、剣が粉々に砕けた。これには俺も目を見開いた。


「逃げろ!逃げろ!早く逃げろ!」


俺は喉が張り裂けるかのように大声を出した。


しかしあの蟻の速度には追いつけずどんどんと部下は捕食されていった。


頭から牙で砕かれ、ドロッとした薄い桃色の脳髄を啜り、腹を鎧ごと喰い千切り内臓をグチャグチャと音を立てながら食べていった。そして最後には脳と内臓のない空っぽの部下だったモノが転がっていた。


9人分。


この部下達は俺が隊長になりたての頃何度も励ましてくれた、隊長なのに情けないと思ったが彼らがいなければ私は此処にいられなかっただろう。


彼らとは何度も戦地を走り、同じ釜の飯を食べただろう。


これからもそうだろうと思っていた。


しかしそれはもはや過去となってしまった。


無残に転がる部下達、最早誰が誰だか分からなくなる程変形していた。


俺は吐き気を抑えきれなかった、涙も止まらなかった。


何度も戦場を潜り抜け、その中で屍体などなんども見てきた。しかし、耐えられなかった。


胃の中の物を全てぶち撒けた。


そうしている間にもあの蟻は近づいて来た。


「殺してくれ、俺を殺してくれ」


口から吐き出した物をだらだら流し鼻水と涙に塗れた汚い顔でそいつに言った。


しかし、そいつは俺を殺さず何処かに消えていった。



残された俺はもう一度吐き出した、赤い吐瀉物が出てきた。涙を枯れるまで流した。


俺はそのまま眠ってしまった。


眼が覚めると、空は橙色に染まり太陽が山に沈みかけていた。


辺りを見回すとあのままだった。


俺は立ち上がるととぼとぼと歩いて街に戻った。




笑っていたあの頃はもう二度と戻らないと知った。




☆☆☆




半透明の板大爆発事件が起こったあと私は滅茶苦茶怒られた。


まあ、あれは怒られたというより殺意というかなんというか。


色々あって街を追い出されてしまいました。


いいもん!こんな街なんて捨ててもっと良いところに行くもん!


私は歩き始め、ある事を思い出した。


「マイマザーはげんきかな?」


とりあえず人化を切って蟻へと戻った。


やっぱり蟻は最高だよね。



それから数十日後。



「ところでマイマザーはあそこにまだいるのかな?」


今になって気づいてももう遅いと思ったがいつもの黒光りが見えて安心した。


あらまぁ、マイマザーの周りには大量の人間とか魔物の死体が!わぁお。


しかもすっげぇデカイ卵が沢山だ!やったぁ!目玉焼き食べ放題!


それと私の兄弟達も沢山だ!大家族!ビッグマミー!


あっ、でも兄弟だしやっぱイラネ。


マイマザーもだいぶでかくなったなぁ。食べ過ぎは体に毒よ。


ステータス確認!


ーーーーーーー


名称:ヘル・キングアント

種族:魔界蟻属

称号:【魔界神の加護】

【魔界の門】

【地獄蟻】

【マイマザー】

【蟻を統べる者】


Lv20\6

HP:35900\33680

MP:128000\90540

攻撃:3040

筋力:4800

物防:54002

魔防:502

機敏:2900


アクションスキル


【魔界魔法】Lv10

【噛み砕き】Lv12

【蟻激酸】Lv10

【産卵】Lv33


パッシブスキル


【痛覚無し】LvMAX

【硬甲殻】Lv13

【猛毒耐性】Lv5

【激酸耐性】Lv20

【恐怖耐性】Lv20

【進化値低下】LvMAX

【地獄の魔眼】Lv6

ーーーーーーー


やっぱりマイマザーすげえわ。


だけど加護はあげたけど、魔界神の加護だったっけ?


ま、いっか。




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