DMVOXとの出会い
全糖尿病患者の5%にも満たない1型糖尿病患者。入院中もたくさんの糖尿病患者と出会いましたが、1型の人と出会うことはなく、私は同じ病気と向き合う同士のいない孤独感にさいなまれていました。
死ぬまでインスリン注射が必要な身体で、その思いを同じ病気を抱える同士と共有するすべもなく、この病気を抱えてどう生きていったらいいのかわからず、ただただ孤独感に襲われていました。
当時、1型糖尿病の人と出会うにはインターネットが一番出会いやすい場でした。しかし、20年近く前には、私自身がまだまだインターネットでつながることへの恐れもあり、ブログを見るので精一杯という状態。孤独感を埋めるまでにはなりませんでした。
そして、いろいろな病気の患者会があることを知り、1型糖尿病の患者会を検索したところ、わたしの住んでいる地域にはないことがわかりました。ただ、大阪にDMVOXという患者会があることを知ることができ、1人で行ったこともないような場所ではありましたが、思い切って参加することにしたのです。
その日の会場は、様々な年齢のたくさんの患者さん達で溢れていました。
あんなに出会えなかった1型の患者さん達が、右を見ても左を見てもそこにたくさんいる。そのことだけで、肩の荷が下りたようなそんな安堵の気持ちがわいてきたのを覚えています。
DMVOXは、1日をかけて開催されていました。当然、昼食もはさみます。
当時の私は、食事前のインスリン注射は、お腹を出して消毒して注射をすることしか知らなかったため、自宅でも外出先でも、別室(外出先ならトイレ)でこっそりするものだと思っていましたし、そうすることしかできませんでした。この病気を抱えていることで、人の目を忍んでこっそり生きていかなくてはいけない、という暗示にも自分で勝手にかかっていたように思います。
けれどそこでは、食事前に、当たり前のようにみんな血糖測定をし、消毒もなく服の上からインスリン注射をしている人たちの姿が。中には「注射針はつけっぱなしで、何度か使ったら変えるよ。」と言う人も。
確かに注射前の消毒や注射針の扱いは、病院で習った通りにしなくては感染のリスクがあります。
しかし、そのマニュアル通りにしなくてはいけないとがんじがらめになっていた私には、その患者さん達の姿は衝撃的でもあり、感動的でもありました。
この病気を抱えながらも、ちょっと手抜きをしながら笑顔で当たり前の日常を生きている人たちが、こんなにもたくさんいる。こんな風に、1型糖尿病を抱えて新しい自分なりの日常を生きていったらいいんだ、と心の底からそう思えたのです。確かにあの時わたしは、1型糖尿病とともに生きることを初めて受け入れられたんだと思います。
もし今、希少な病気で孤独感にさいなまれている人がいらっしゃったら、ぜひ同じ病気の人たちと出会って下さい、と思います。病とともに生きる姿に出会ってほしい、と切に願います。




