9/13
No.9 帝国の対応
帝国暦 1757年3月16日 ブラテン帝国 中央特別行政区 首都:ロムロン
皇帝ジョン3世とガラッド率いる内閣は噴火の報告を受けて1ヶ月が過ぎた。
この頃になると被害の全貌が明らかになった。
被害の全貌を把握し始めていた。
アレシア地方は火山灰によって農作物は全滅に等しい状況に追い込まれ、全国的に農作物が不作になっていた。アレシア地方では火山灰の影響で畑が使い物にならなくなっていていわゆる"不毛の大地"になりつつあった。何より誰もこんな土地に帰りたくはなかった。
つまり、都市でこの避難民を受け入れなくてはならなくなったのだ。
しかし、52年のフリエスとの戦争で財政的に厳しいブラテン帝国にそんな余裕はなかった。
徐々に、だが確実に治安と経済が悪化していっているのである。
財務大臣であるニャンベルクは不況となることを確信していた。というよりすでに不況になっていた。
そして、産業奨励のために勇気を持った減税の計画を立てた。
これがアレリアにいる少年にどんな影響を与えるのかは誰も知らない。