No.5 初の商談???
帝国暦 1757年3月12日 ブラテン帝国 アレリア州 州都:アレリア
何故か道を通る人から避けられていたが、突然馬車から降りてきた人が近づいてきた。
初のお客さんという興奮と不安が混ざった気分になった。
「お客さん。薪が必要かい?」と言ってみた。
「いや必要じゃない」
「何しにきたんだ?」
本音がでた。
「話してみたかった。あそこからずっと観察してたんだ。値下げしてるとことか。
で、どこから来たの?」
「避難民だよ。」少し投げやりになっていった。商品を買わないことに少しイラッとしていた。
「この枝はどこから集めてきたの?まだ1つも売れてないけど。」
「ここから少ししたところにある郊外の森から拾い集めてきたよ。」
「なるほど。家族は?」
ここでどう答えるべきか迷った。ここで家族がいると答えるべきかいないと答えるべきか。
「いないよ」
「ついてくるか?」
急にそう言われた。
この商人のような見た目をした男を観察すると、身なりも悪くなく馬車も持っていてそこそこ裕福そうだった。今のままではまだ3月の肌寒い時期なので死ぬかもしれないと思っていたので、藁にも縋る思いでこう答えた。
「はい。いきます。」と。
これが商人ハクとしての第一歩だった。と言えるかもしれない。