No.3 家庭の〇〇
帝国暦 1757年3月11日 ブラテン帝国 アレリア州 州都:アレリア
ニートになって1週間。というより7歳児が仕事をしないだけでニートとなること自体が問題なのだが、そんなことはこの貧しい家族に関係はない。
とうとう
「出ていけ」と兄から言われた。
ハクは出ていかざるを得なかった。というよりこの家にいても食事はほとんどないのである。母は帰ってこず、兄も働いているため食事をつくる人はいない。金もない。ニートと行っても何も満たされていないのである。
ハクは、わずか1200カンマ(この国の通貨)を持って家から追い出された。
ハクにとってこの1200カンマがどれくらいの価値を持つのかさえわからなかった。ハクのもともといたアレリア東部ではそもそもお金がほとんどなく、使うのは大人だけで、しかも基本的には物々交換が使われていたからだ。
まず市場に繰り出した。
このときはは晴天だった。
帝国暦 1757年3月11日 ブラテン帝国 アレリア州 州都:アレリア,アレリア外環商店街
ハクは初めて商店街と言う場所についた。近所の人に
「ものを買うにはどこがいいですか?」と聞くと
「アレリア外環商店街に行くといいよ」と教えられたからだ。
商店街につくとものすごい活気があった。それもそのはず、避難民のお陰でものが普段の1.2倍ほど高く売れてしまうからだった。
とりあえず、近くにあったパン屋さんに行くことにした。
まず感じたのはパンのいい匂いだった。
その後ハクでも見たことのあるバゲットを見た。その下の値段を見ると、、、
「1500カンマ!!!」
「うるさいよ」
店員さんに注意されてしまった。ただ、これに関しては仕方なかっただろう。生きていくことに絶望した。