解決解決解決ー!
この村の解決すべき問題は、大きく分けて3つ。
一つは井戸が枯れてること。水がないから飲料水も畑に巻く水もない。また、衛生状態もよくない。
二つ目は村の自給自足用の畑と、納税にも関わってくる小麦畑の改良だ。栽培スキルの出番である。
最後は、恒久的に食べれる食糧がすぐに手に入らないこと。畑を改善しても作物はすぐに実るわけじゃないからね。暫定的な食糧事情の解決が必要である。
「じゃあ井戸からやっていきますか。探知、感知を地中の水源の、更に奥の水源まで広げて...」
もう枯れないように、深めの水源を掘るのがいいだろう。
うん、ちょうどいいのがヒットしたね。村の中に一つ。小麦畑の方に二つ。
「アイシクルランス!細め!」
創造知識が井戸の簡単な作り方を教えてくれる。
魔石で水道を作っても、いつかは尽きてしまう。うちの水道みたいにすることはできないからね。
細い氷柱のようでいて、硬度は比にならない程密度の濃い魔力が込められたアイシクルランスが、井戸をまっすぐに掘っていく。
「おっ!深い水源まで掘り進められたね。」
綺麗な井戸水がコポコポと湧いてくる。
「魔石を彫金、浄化で。錬金でポンプ式の井戸と合成させて...設置!」
ポンプ式の井戸、完成!
浄化を彫金で付与したのは、水魔法と違って、スキルレベルが高いからか、魔石に効果を付与しても効果はなかなか途切れない。というか、途切れたところを見たことがないからだ。この村の衛生管理レベルも上がることだろう。
「ユカリお姉ちゃん、これなあに?」
「井戸だよ、見てて?」
シュコシュコとハンドル?部分を上げ下げして水を吸い上げると...
「わあ!水だ!水が出てきたよ!おいしい!」
ポルカが広告塔となって、村人が「なんだなんだ」と井戸を囲う。
「さて、あと二つ作っちゃうからね!」
小麦畑の方にもポンプ式の井戸を2つ設置すると、村人は興味深くハンドルを上下し、綺麗な水が出てきたことに歓喜した。
「これで畑も蘇るぞ!ありがとう!」
「いやーまだまだですよおーー!栽培!」
枯れた畑に栽培スキルを発動させると、畑がボコボコと脈打ち、不純物を勝手に弾いていく。
「栽培!栽培!栽培!栽培!栽培!栽培!さいばーい!」
続いてうちの牛子ちゃんの産物と森の堆肥を調合した、うちの畑にも使っている特製肥料を栽培スキルで混ぜ合わせる。
「よし、小麦畑の種はありますか?」
「種?あ、ああ、これかのう?」
「栽培!栽培!栽培!」
種のようなものを栽培スキルで最適な状態にして、栽培スキルで畑中に等間隔に撒く。
「村の自給自足用の畑の作物の種は?」
「あ、これじゃ...」
「栽培!んでもって最後に、空間魔法範囲指定、同時展開、ウォーターシャワー!」
水撒き、完了!
「すげえ...精霊様の奇跡だ...」
「精霊様...」
「大精霊様...」
「違います、断じて違います。」
何回やるんだこのくだり。
最後に...
「村長さん、あの辺に養殖池を作っても良いですか?」
「どうぞですじゃ...もうどうとでも好きにしてくだされ...」
村長さんの顔が昇天しそうな顔になってる。
んじゃまあ遠慮なく。
「錬金」
錬金は、理解、分解、構築、そして万能な力に分けられる。
どういう構造なのか理解、これは創造知識が全てを賄う。分解して、構築する。
だから、土塊からは土の属性のものしか作れない。そう思うでしょ?
でも錬金には「ありえないものを作る」という、もう一つの「万能な力」という性質があるのだ。
創造魔法と言っても良いかもしれない。もちろん限りはあるけどね。ただの土からは金は作れないのだ。金が含まれている土からは簡単に作れるけどね。
なんて言ってる間に。
「浄化を彫金した大きい魔石を沈めて...鑑定。」
聖なる泉...限りなく澄んでいる、聖なる魔力を宿した泉。
「よし、ちょっと待っててね、転移。」
「精霊の森の、セイントサーモンの養殖池にとうちゃーく。」
村と同じ、いや、この池は全て浄化の魔石で底まで固められているのでそうとはいえないか。中心に月の華っていう、なぜか採取不可な花も咲いてるし。
月の華...レア度★★★★★★★、採取不可。満月の夜にだけ一雫の涙を落とすという。
まあいいや、なんでセイントサーモンの養殖池を村に作ろうかと思ったかというと、1匹でも残ってて、状態が澄んでいると、生殖なしに、無限にリポップするんだよね。
これはセイントサーモンに限ったことじゃない。
じゃなきゃ3ヶ月も同じ森に暮らせていない。
魚も、薬草も、動物も、きっと魔物も。同じ仕組みなのだろう。
更に便利なことに、浄化したセイントサーモンを養殖池で養殖したところ、なんとはじめから浄化済みのセイントサーモンになっていた。
今回暫定的な食糧事情の解決にもってこいの食べ物というわけである。
セイントサーモン10匹程を大きな空間に水ごと閉じ込めて...
「転移」
村に転移した。




