2つの能力
特にありません。結構仕事のほうが余裕(来週は地獄)なので、今のうちに急いで書こうと思っています。
強いて言えばスピード重視で書いているので、細かい誤字や矛盾等がないかだけ心配です。
そういう発見含め、なにかコメント頂けると嬉しいかなー(願望)と思います。
2人きりで頭を撫でてた…だと?
それはつまりメグとのやり取りを見られていたということだ。
なぜだ。
なぜ気付かなかった。
ハルカの気配は感じなかった。
有象無象の連中ならともかくハルカがこちらを見ていたなら俺が気付かないはずがない。
「おれの、もうひとつの力が無くなってしまったのか…?」
…いや、冷静になれ。
力が無くなったというならそもそもメグに気付くことが無かった。
ハルカに見られるタイミングだけ発動していなかった?
そういえばメグと話している時も、周囲からの視線をほとんど感じなかった気がする。
外だし、基本的に俺のことを知らないヤツしかいないのだから、全く気にも止められていなかっただけともとれるが…。
このまま考えても埒が明かない。
実際に確かめなければ。
俺は一旦返信を止めて杏がいる一階の和室へ向かった。
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「杏さん、少々よろしいですか?」
扉越しに声をかける。
「ユウト君?どうぞ。」
「しつれいしますね。」
すぐに返事が来たので一言入れて入室する。
「夜分にすみません。杏さんにどうしても聞いておきたいことがありまして。」
「私に?一体なにかしら?」
「俺のこと、どう思っていますか?」
「ユウト君のことって…え、ええ!?」
思っていた通りの反応で慌てふためく杏。
「急にどうしてそんな……ユウト君?なんで目を閉じているの?」
「いえ、気にしないでください。そんなことより教えてくれませんか?杏さんから見て俺はどういう存在でしょうか?」
「え、えーっと…頭も良いし、かっこいいし、紳士的で…とても魅力的な男性だと、思う…思います…。」
「ありがとうございます。今後も杏さんを失望させないように頑張りたいと思います。」
「えっ?う、うん。頑張ってね…?」
「ではしつれいします。」
「え、ええ?」
放心したような杏に一声かけて退出。
目を閉じていても、しっかりと杏の感情、視線を感じとることができた。
やはり無くなったわけではない。
姉さんは疲れているだろうし、ゴリラのほうでも確認しておこう。
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「アカネ。いるか?」
「なんだユウト。寝込みならアタシを倒せるとでも思ったか。」
今度は扉越しだ。
相手がこちらに集中しているなら、今までの俺なら十分に感知できていたはずだ。
装着しておいたワイヤレスイヤホンから大音量の音楽を流す。
「アカネ、よく考えたんだがおまえって結構いい女だよな。美人でおもしろくて、恋人にするならおまえみたいなヤツがいいのかもな。」
念のため目も閉じる。
何も見えず、何も聞こえないが、アカネの激しい動揺がハッキリと伝わってくる。
よし、コイツは用済みだ。
能力が無くなったわけではないのは確信できた。
自分の部屋に戻るとしよう。
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とりあえず、今回の件を踏まえて考えられることを整理しよう。
俺の視線、感情を読む力が消えたわけではない。
しかし、幼少期から常にあったこの力が突如として消える?タイミングがある。
これは今まで生きてきて一切無かったことだ。
状況を考えると、一番可能性が高いのは俺のこの力が神通力の無力化の力によって相殺、消されているということだ。
無意識で神通力の無力化を発動させていて俺の力が打ち消された?
まだそこの確証はないが、もうひとつ気になることがある。
『俺の力が打ち消された』というのが正だとして仮定すると、俺の視線や感情を読む力が神通力であることを証明する。
神通力の能力を2つ持つ者は存在するのだろうか?
これは聞いても良いものなのか?
…いや、少なくても狩人側には聞かないほうがいい気がする。
ユキに確認をしておきたい、できればすぐに。
ハルカには『寝落ちした』とでも明日言ってくことにしよう。
SMSを起動し、もはや見慣れてきた番号を素早く入力して文面を打ち込む。
『メグが分からなかったらユキにも確認してほしい。神通力の能力を2つ、つまり2種類の力を使える狩人か鬼憑きは存在するのか?』
即座に既読がつく。
『少なくても私は聞いたことがない。ユキに聞いてみるね。』
『よろしく頼む。結構重要なんだ。』
『了解。ちょっとまってね。』
その後、5分程経過しただろうか?
再度、メグからメッセージが届く。
『今は周囲に人はいない?』
『ああ、いないぞ。急に訪ねてくることがなければ後は寝るだけだ。』
『分かった。にゅーとらいず?だっけ。それは使わないようにして待機してて。』
『神通力の無力化な。使わないのはいいが、待機とはどういうことだ?』
しかし、その意味はすぐに分かることとなった。
『久しぶりね、ユウト。元気にしていたかしら?』
『!?…テレパシーか。なるほど、こんな力もあるんだな。ユキのほうは問題ないか?』
『相変わらず飲み込みが速いと言うかなんと言うか…。もう少し驚いてくれないとつまらないわ。』
一週間も経っていないのに懐かしさすら感じるユキの声。
姿を見たいが贅沢は言えないな。
声が聞けただけでも本当に嬉しい。
『期待に沿えなかったみたいで悪かった。でも俺はユキの声が聞けて嬉しいよ。』
『…あ、あなたはストレートに物を言いすぎよ。』
『ユキの天にも昇れそうな美声を拝聴し、私の心はまさに昇天するかのごとく、』
『そんな謎な変化球は求めていないわ…。ス、ストレートで問題ないわよ。』
『そうか、ちょっとしたミステイクだったな。とりあえず、元気そうでよかった。』
『そっちもね。メグからは、可愛い女の子たちに囲まれてくんずほぐれつの秘密の特訓を頑張っている…と報告を受けているわ。』
『メグータス、お前もか…』
メグがそんな冗談を言うのか…、ユキ相手だからか?
と一瞬思ったが、すぐにユキのいたずらだと理解する。
『そういえばメグから聞いたと思うが、どうしても確認したいことがあったんだ。』
『ええ、私も直接ユウトから話を聞きたくてこの力【念話】を使える子に頼んで力を借りているの。能力を二つ持つ存在はいるか?ということだったわね。まず、どうしてそんなことが聞きたいのかしら?』
『ユキ相手に隠すことはないから言うが、多分俺がそうだからだ。』
『それは………ありえない。ありえないはずよ。』
少し考えるような間があったが、ありえないというのが彼女の答えだ。
おそらく発言しているのが俺でなかったら一蹴されるレベルの質問だったのだろう。
『実際はまだ確定ではないんだが、とりあえず神通力の無力化の力に関しては間違いない。姉さんやその他1名に加えて、アカネの力も打ち消すことができた。間違いなく俺の神通力の一つだ。』
『ええ。メグから聞いたわ。1日で扱えるようになるなんて本当にすごいわね。』
『そして、もうひとつ。俺たちが初めて会った時のことを覚えているか?さっきみたいに俺を驚かそうとして急に出てきたが、あの時の俺はユキが背後に出てきた瞬間には気づいていた。というよりどこからか見られていた時からユキの存在を感じ取っていた。』
『…覚えているわ。鋭いという言葉では済ませられないとは思っていたけど、それがあなたの言うもう一つの力?』
『ああ、いつから使えたかは覚えていないが、幼少期から常にあった力だ。俺を見ていればその大体の方向、近ければ位置も。そいつが抱いている感情のようなものまで大雑把に把握することができる。仮に俺を直視していなくても距離が近ければある程度分かる。』
『ユウトの言うことは疑いたくはないけど、勘違いとかではなくて?ユウトはすごい頭が良いし、ユウトの想像通りのことが起きているだけ…みたいな?』
『確かに説明が難しい力だ。考えていることが分かるわけではないし、しっかりと証明するのは厳しいかもしれないな。…強いて言えば、ユキが線路の上で俺の中の何かを調べようとした時、『首をねじ切る』みたいな感じに脅されたが、殺意なんて全く無かったのはハッキリ分かっていた。』
『…………』
『そんなんじゃ根拠としては弱いよな。』
『…ユウトのことを信じたいけど、やっぱり簡単には信じられない。その力が神通力によるものだと思った理由はあるの?』
『さっき言ったがこの力は幼少期から常に、無意識だろうが寝ていようが俺と共にあった。今日の朝までずっと。だが、神通力の無力化の修行の直後、街中でメグと会っている時に学友に見られていたんだ。俺はそれに気づけなかった。メグの気配にも気づく俺が一般人の…それも友人の視線にすら気づけなかったんだ。こんなことは今まで生きてきて一度もない。無意識に神通力の無力化を発動させ、俺のその力を打ち消したと考えれば全て辻褄が合う。』
『…ユウトは鬼憑きや狩人が最初どうやって能力を得るのか聞いたかしら?』
急に話が変わったようにも思うが、ユキのことだ。
何かしらの考えがあるのだろう。
3人から教授してもらったことを思い出す。
『儀式を経て能力を得ると聞いた。神通力を扱う才能があり、かつ人間性を見た上で儀式が行われると。それから俺のように例外的にどうにかして能力を得たやつは鬼憑きになることが殆どだと聞いた。』
大体要約するとこんな感じのはずだ。
『大体その認識で大丈夫よ。ただし、付け足すわね。神通力の、その正体について。』
5/8テコ入れしました




