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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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87 甘えたがりシスター初めてのお使い

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「行ってらっしゃい」

「行ってくる……」


玄関に立った優來が、優に見送られて1人で外に出る。


今日は、唐突に優來1人でお使いに行け、と母親に言われて、優來が簡単なお使いに行くこととなった。


買いに行く場所は、徒歩15分ぐらいの距離にあるスーパー。買ってくるものは、卵と野菜いくつか。


エコバッグと財布、緊張を持ちつつ近所のスーパーへ優來は歩いて行く。その後ろに、不穏な影が見えるけれど、それは気のせいなのだろう。


「猫……」


優來が家を出てすぐ、道を歩くギジトラ模様の猫を見つけた。


「かわいい……」


猫を見つけて、真っ先に近寄ったあと、猫向けて手を差し伸べると、気前よく近づいてきた猫。


その猫のあご下を撫でたり、頭を撫でてじゃれる始める。


「猫、行っちゃった……」


気まぐれな猫は、優來が楽しく撫で回していると、そっぽを向いて逃げて行ってしまった。


「買い物……」


猫に逃げられてから、買い物の存在を思い出して、元の買物の道へもどる。



「到着……」


猫と戯れてからは、花を見るなどの寄り道はしたけれど、何事もなくスーパーの前に来ることができた。


「…………?」


スーパーの前に来てすぐ、その場で頭を傾げる優來。何を買いに来たか、忘れたようだ。


忘れたものを思い出そうと、今日あった買い物に関係ありそうなことを、頭に思い浮かべる。


「優來、ちょっと買い物行ってきなさいよ」


母からのお使いの命令は、唐突だった。優來と優が、リビングで、のんびりしているところに母からお使いを頼まれた。


「母さん、急すぎない?」

「急も何も、そろそろ優來には1人で、外出れるようになってもらわないと。そのために、何回か私と買い物行ってたわけだし」


いままで、優が学校へ行ってる間、優來は母と共に近所のいろいろな所へ出かけていた。今日は、その練習の成果を発揮する時だった。


「大丈夫、そんな量ないし、簡単なものだから」

「大丈夫か?優來」

「任せて」


優に自信満々に答えて、母からエコバッグを受け取る優來。


「ほし、じゃあ……と…………を買ってきて」


記憶を巡らすけれど、綺麗に品物の部分だけが抜けている。


「一応、エコバッグにカンニングペーパー入れてるから、忘れたらそれみて」


「あ」


カンニングペーパーの存在を思い出して、急いでエコバッグの中を見てみる。


「あった!」


最高のひみつ道具を見つけたような、感覚で上に紙を掲げ喜ぶ優來。


紙を見つけてすぐに、優來はスーパーへ入店して行く。


優來は現在、内申嬉しさのあまり無敵状態に入っている。



「合計で」


カンニングペーパーを見つけてからは、スムーズにミッションを遂行して、あとは帰るだけにまで漕ぎ着けた。


「完遂……」


卵と野菜いくつかを購入して、満足そうな顔で退店、あとは真っ直ぐ家へ帰るだけだ。


「えぇっと……」

「?」


スーパーを出てすぐのところで、何かに困っていそうなおばあさんを見つけた。


それを見る優來は、おばあさんに話しかけようか、悩んでいる。


「あ、あのぉ」

「どうかした……」


優來が悩んでる間に、おばあさんが優來を見つけて、優來に話しかけた。


「ここに行きたいんだけど、わかるかい?」


優來を尋ねたおばあさんが出したのは、現代にしては珍しく、住所のみが書かれた紙1枚。


「スマホ、ある」

「ごめんね、スマホ?はないんだけど、これならあるよ」


そう言っておばあさんがだしたのは、見後なまでにガラケー。


「貸して」

「はい、どうぞ」

「??????」


おばあさんから、ガラケーを借りるも、当然優來はガラケー世代ではないため、使い方がわかる訳もなく、大量のハテナが浮かぶ。


「ごめんね、お嬢ちゃん。難しい事聞いちゃって、おばちゃん交番に行くから」

「まって……」


困ってる優來を見かねて、そのまま交番へ行こうとしたおばあさんを引き止める。


「どうかしたのかい?」

「連れてく、紙見せて」


おばあさんにスマホを見せて、おばあさんの行き先へ連れていくと言う。


「ほんと?いいのかい?買い物の途中だったんじゃ……」

「終わってる、大丈夫」

「そう」


そう言った優來に、先程の紙を見せてくれるおばあさん。


「わかった、着いてきて」


住所を見てから、速攻で地図アプリを使って住所を検索し、ヒットした場所へおばあさんを連れていこうと、先導を始めた。


「ほんとにごめんね、ここに来るのひさびで」

「私も、1人で外出、久しぶり」

「そう、なの?」


スマホの地図を見て、老人特有の雑学を貰いつつ、おばあさんを目的地まで連れていく。道中、引かれるものだいくつかあったけれど、道案内中と自分に言い聞かせて、真っ直ぐ歩く。


「多分、ここ」

「そうそう!ここ、ありがとね」


スーパーから歩いて、約20分ようやくおばあさんの目的地の家に到着した。


目的地に到着すると、おばあさんも思い出したみたいで、優來の両手を激しく振って感謝している。


「それじゃあ」

「あ、ちょっと待って。これ、少ないけどお礼ありがとね」


立ち去ろうとする優來に、おばあさんが渡したのは、未開封の飴1袋。


「ありがとう……」

「いいのよ、この先お嬢ちゃんにいいことが、あるといいわね。微力だけど、おばちゃん願っておくから」

「?」


唐突なおばあさんの宗教的な言葉に、少し困惑が隠せない。けれど、まあいいかと思ってその言葉を飲み込む。


「それじゃあ、ほんとにありがとうね」


いい笑顔で優來に感謝を告げて、そのまま家の中に消えていくおばあさん。


「うん……」


おばあさんに手を振ったあと、即座に飴の袋を開けて口に入れる。


適当に取ったから、味は見ていないけど、口に入れた飴の味は、マスカット。ひと仕事終えたからか、いつもよりも数倍美味しく感じる。


「帰ろ……」


飴を口の中で転がして、元来た道を辿って家の方向へ帰る。優來が思ったより、上手くいって本人の気分は、そこそこ上々、前向きな気分で歩く優來だった。

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