53 隣の部屋の妹優來は俺に甘えてくる
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「にい…お…起きて」
体の上に何かが乗っかっている。でも、そこまで重いと言う訳ではなく、刈谷さんよりも断然軽くて、苦しくない。
「お兄…起きて」
「あ、おはよう優來。というか、ひさしぶり…」
視界が絶妙にぼやける中、目をこすっ視界を整えると、俺の上に馬乗りで座る妹がいた。
前会った時より伸びた綺麗な菫色の長い髪。そして、昔から変わらないけだるそうな声。前の優來とは、少し違うかもしれないけど、間違いなく俺が約16年間見守ってきた妹、優來だ。
「おはよう。でももう、お昼…」
「あ、ほんとだ」
そういわれて、ベッドに置いている時計を見ると、時間はすでに12時ぐらいになっている。
「ごめんごめん。でか、大丈夫か?」
「うん…それよりお兄、起きて」
「それなら、どいてくれませんかね」
多分今の優來の軽さらな、簡単に振りほどくなりできるだろうけど、無理やり突き放すのはよくないだろうし。自主的に降りて欲しい。
「ごめん…」
そういうと、優來はすんなりベッドから降りてくれた。正直刈谷さんにも、見習ってほしい。
「にしても、よくこっち来たな」
「お兄昨日の夜、うるさくて気になったから…」
「あーごめん。起こしちゃった?」
「もとから、起きてた…」
「もしかして、寝てない?」
そういわれて優來の前髪で隠れた目元を見ると、そこそこ深めのくまができている。
「優來、お前何時に寝て起きてるんだ」
「朝の6時くらいに寝て、午後13時くらい…」
「昼夜逆転してんじゃん」
昼夜逆転がどれくらい健康に害するかわからんけど、そんなに良くないよな。
「でも、今日は7時ぐらいに起きた」
「それ、寝てないだろ」
仮にいつも通り6時に寝ていたとしても、睡眠時間1時間という仮眠レベルの睡眠時間だ。
「ちゃんと健康的な生活しないと、身長伸びないぞ」
「多分もう止まってる…」
「なんかごめん」
確かに優來の身長は前に見た、中学2年の時から変わってないように見える。
優來の身長は、俺の周りの女子に比べて低く、ロリ的な身長だ。
「母さん達は居ないのか?」
今の優來を見たら、嬉しくて離さないと思うんだけど。
「リビング行ったら、誰も居なかったから…」
「あー、そういえば」
母さん達、夜遅くまで予定があるって昨日言ってたっけ。
「それで、お兄の部屋行ったら寝てたから」
「それはすみません」
たぶん、今日俺がこんな時間まで寝てたのは、優來がうるさいと言ってた原因、刈谷さんがまた夜這いに来たからだ。
「お兄疲れてる?」
「まあ、疲れてるかもだけど、最近はずっとだから大丈夫」
優來を安心させるために、頭を撫でると少し嬉しそうに笑ってくた。
「あー眠い」
リビングについてすぐ、ソファに座ってテレビをつける。
「こんな昼間にホラー映画って…」
テレビの電源をつけると、歴代最高と言われたホラー映画がやっていた。
「こんな時間にやっても、そんな怖くないだろうに」
「お、お兄…」
「優來大丈夫か!?」
何故かやっていたホラー映画に、俺の横に座る優來が俺にしがみついて微妙に震えている。
「お前、ホラーダメなんだったけ?」
「大丈夫。けど、少し前…部屋の窓が勝手に音立てて」
つまり本物っぽい心霊現象を感じて、ホラーがダメになったのか。
て言っても、俺の部屋に幽霊さんが出たわけだし、一概に気のせいのは言えないのが辛いな。
「チャンネル…」
「あぁ、ごめん」
優來が怖がったため、リモコンのボタンを押し別のチャンネルへ切り替える。
次に回したチャンネルでは、一般的に言う学園ドラマが放送されている。
今の場面は、おそらく何かしらでクラスのリーダーの怒りを買ったヒロインが、クラスでハブられたりして、いじめられているシーン。
「てか、このシーンは…」
あることを思い出して、優來の様子をうかがうと、さっきの比じゃないくらいに震えて、を俺の二の腕でめもとを隠し、俺の寝間着を強くつかんでいる。
「優來、大丈夫か!とりあえずテレビを」
優來の体調が気になるけど、先に諸悪の根源であるテレビの電源を落とした。
「優來!大丈夫か」
「た、たぶん…お兄、ごめんテレビ見てたのに…」
「別に大丈夫だって。俺、テレビっ子なわけじゃないし。それに、テレビはお前にとって危険がいっぱいなら、見ない方がいいしな」
実際テレビをつけたのは、特段することもなかったからだし、そこまで大きな意味は無い。
というか、予想以上にテレビが優來の弱点を的確につついてきたのが、予想外すぎた。
「とりあえず、昼でも食べるか。なんかあったっけ」
ソファから立ち上がって、台所の冷蔵庫の方へ向かう。その移動にも、優來は後ろから着いてきている。
「優來、食べたいものとかあるか?」
「何がある…」
「なんも無いぞ」
冷蔵庫の中は、昨日の夜の残りもなく冷蔵のご飯とか卵などと、パッと食べれるものはない。
「それに、俺は料理がそんなにできない」
「じゃあ、なんで…」
「いや、何となく」
まあ、普通に感考えて昼はカップラーメンとかそんな感じだろうな。
「まあ、昼はおいおい考えるとして、優來お前風呂入ってこい」
「なんで…」
唐突に言われた風呂入れに、困惑してい優來。
「さっき、頭撫でた時髪が少しベタついてる気がしたからだけど。風呂入ってる?」
「失礼。2週間ぐらい、入ってない…」
「ちゃんと、風呂キャンしてんじゃあねえかよ」
自信満々そうに言ってるけど、普通に考えてズレている。
「女の子なんだから、髪とかはちゃんと綺麗にしとけよ」
「めんどくさい…」
「と、言われましてもね。とりあえず、入ってくれません?」
別に優來の匂いがきついという訳ではないけど、さすがに自分の妹には清潔でいて欲しい。それは、俺のエゴなのかもしれないけど。
「それじゃあ、お兄が洗って」
「え?」
「一緒に入ろ…」
我が妹は、急何を言っているんだ。
「さすがに、それはちょっと」
「昔、一緒だったから…大丈夫」
「昔と今は違うから、さすがに」
高校生と中3の兄妹が、一緒に風呂は何か危険な匂いがする。
「でも、アニメで私と…同じぐらいの年の怪獣と、お兄と同じくらいの子、お風呂入ってた」
「それは、アニメの話だろ。流石にこの年でそれは、恥ずかしいことなんだぞ」
ここには俺達しかいないから、別に黙っとけばいい話かもしれないけど。優來が、母さんとかに話す気がする。
「そういうことなので、1人で入ってくれませんか?」
「恥ずかしく、ない。それに、カロリー…高い」
「カロリーて」
まあ、確かに優來の長い髪を洗うのは相当リソース使うのかもしれない。
「だから、いい…よね」
「だから、じゃないんだよ。とは言っても、俺が入るわけには行かないもんな」
うーん、困ったな。俺としては、今日だけでもいいから優來には、綺麗な体で過ごして欲しいとこなんだけど…




