54 甘えたがりシスターと幼馴染
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優來を綺麗にするって言っても、本人が乗り気じゃないとなあ。俺が入ることに対しては、乗り気っぽいんだけど。
普通逆じゃないか?
「それじゃあ、お昼…できたら教えて。私、眠いから」
「ちょっと待て、ブラコンシスター」
「私…ブラコンじゃない」
実兄と風呂に入りたいと言う中3女子が、ブラコン以外のなんだというのだろうか。
「確証はないが、作がある」
今とっさに1つだけ、思いついたものがあった。
「少し待っててくれ」
急いでスマホを取り出して、ある人に今すぐ家に来れるか、という旨の連絡をした。
「お兄…誰、に連絡してるの」
「たぶん、すぐ連絡帰ってくると…そっちで来たか」
連絡をしてから1分もせずに、リビングのインターフォンがなった。
「おう、来たな入っていいぞ」
インターフォン越しで、招き入れて玄関へ向かう。
「早かったな、由乃」
「ま、まあ隣だしね」
玄関に着くと、そこに由乃が立っている。
せかしたつもりないけど、急いで来てくれたのか、いつも見たく髪を結んでおらず少し崩れ、息も上がっている。
「で、なんで呼んだのよ」
「そうだったな、由乃風呂に入ってくれ」
端的に由乃をよんだ理由を話す。
「な、なに言って…」
「シャワーだけでいいから、入ってくれないか」
「こ、この変態」
「真剣なんだ」
「っ……」
顔を赤くした由乃から、平手打ちが飛んできたけれど、首を掴んでほっぺにあたる前に防ぐ。
「そ、その入るったってその…あんたと?」
「いや、優來とだけど」
そういえば、優來のこと伝えてなかったな、だからこの手は飛んできたのか。
「………」
「あの、由乃さん?体が震えてますけど…」
「バカ!!」
おそらく怒り心頭の由乃の左手から、平手打ちが飛んできて俺のほっぺにクリーンヒット。痛い。
「超痛い」
「あんたが、悪いでしょ。人を勘違いいさせるようなこと言うから…」
確かにあのままだと俺が、仲のいい女子高生の風呂の残り香を嗅ぐ人間になってしまうのか。
「で、優來って」
「俺の妹だな」
由乃と優來が最後にあったのは、そこそこ昔だったような気がするけど、意外と覚えているみたいだ。
「でもなんでよ、別にそこまで年齢低くないのに」
「いやなそれが…」
なんとなくの経緯を、由乃に話した。
「確かに、それじゃああんたがやるわけにはいかないものね」
「そう、だからお願いしてもいいか?」
「いいけど、それなら服取りに行きたいんだけど。今ってその、ジャージだし」
多分休日で出かける予定もなく、油断していたからか、由乃の服装は今、中学の頃ジャージを着ている。
「そうか、別に俺の服を貸すってのもあるけど。嫌だろうし、ごめんな手間かけさせちゃって」
「それでいいわよ」
「え?」
「優の服着る」
とてつもない圧で顔を近づき、俺の出した案をやると言う由乃。
「え、でも…」
「取りに帰るのは面倒だから優のを着る」
「はい、わかりました。とりあえず、顔を離してもらっても」
とても近い由乃の顔を離して、話を続ける。
「とりあえず、玄関から離れようか」
「そうね」
話の区切りがついたから、とりあえず由乃を本格的に家にあげて、リビングに入る。
「あ、優來ちゃんだ!久しぶり!覚えてる?わたし、由乃だけど。て言っても、そこまで昔ではないけど」
リビングに入ると、優來を見つけた由乃が優來に一気に近いて、オレオレ詐欺如くわたしを連呼する。
「美人局?」
「難しい言葉知ってるね。でも、覚えてないかー少し残念」
由乃は、存在を覚えてたみたいだけど、優來は覚えていないみたいだ。
「お前ら、最後に会ったのって」
「会ったのは中学以来だけど、話すこと自体は小5以来じゃない?」
そうか、何気に優來は中学になっても俺と一緒に登校してたから、一応会ってはいたのか。
「で、お兄…この人が私の体を…」
「そうそう、快く受けてくれたよ」
「なんか言い方いやらしいわね」
もう紹介は済んでいたけど、再度優來に由乃を紹介してから、2人を洗面所にまで持って行った。
「それじゃあ、由乃入ったら教えてくれ。服持ってくるから」
「わかったから、とりあえず早くでて」
そういった由乃は、手をシッシと振って俺の退出を促す。
「面倒だけと思うけど、よろしくな…どうした?優來」
洗面所から出ていこうとしたところ、何故か優來に服の裾を掴まれ止められた。
「お兄…一緒に、居て」
「えっと…」
それって、由乃とも風呂に入るけど、俺もこいって意味なのか、それとも近くにいての意味なんだろうか。
「お兄も、一緒入ろ」
まさかの前者だったみたいだ。てか、それなら由乃呼ぶ必要なかったな。
「いや、さすがの由乃もそれは看過できないだろうし、なぁ?」
「そ、そうね昔はそうだったかもだけど、今はちょっと」
良かった、思春期の男女が一緒に風呂に入るというのは、普通じゃないみたいだ。
「でも、心細い…」
「わかった、じゃあ風呂の前に居るからそれでどうだ?」
これなら、体を見る訳じゃなくて、音を聞くだけだしそこまで犯罪臭もしないだろう。たぶん。
「わかった…それならオーケー」
少ししょんぼりとしているけれど、何とか了承してくれたので、俺は一旦自室に由乃に着てもらう服を取りに行った。
「入っていいか?」
「いいわよ」
洗面所への入口を一応ノックし、由乃の許可を得て入出。持ってきた服を、タオル収納の上に置いて、俺は洗面所の壁に腰掛ける。
「そうだ優、私の下着そこにあるけど、触ったり見たりしたら殺すから」
「そんなことする訳ないだろ!」
下着、見るのもダメなのか。まあ多分、今日はそんなに可愛くないのをつけていから、ここまで言ってるんだろう(ノンデリの極み)。
そんなのこと思っていると、風呂場の方からシャワーの音が聞こえ始めた。
「ねえ、ちょっと全く泡立たないんだけど!」
どうやら、優來の髪の洗浄に苦戦しているみたいだ。そりゃ、優來もカロリー高いと言うわけだ。
「由乃うるさいぞ」
「だったら、あんたもやってみなさいよ!」
「入っていいの?」
「なわけないでしょ、バカ!」
優來の髪に相当イライラしているのか、暴言が飛んできた。これくらいの暴言は、いつも通りな気もするけど。
「もう一回…洗いなおしたほうが、いい」
「そうなの、ありがと」
優來からのアドバイスが入って、伸びの悪いらしいシャンプーを流す由乃。
「あ!ほんとだ、泡立ちがさっきよりいい!すごいわね」
「生活の…知恵」
「使い道のない知恵ね」
さっきのイライラが消え、なんとなく気分がよさそうな由乃。
「優、終わったわよ」
「長かったな」
「髪がね」
あの長い髪に加え、泡立ちにくかったから、俺よりも長い時間かかって、ようやく優來の洗浄が完了したみたいだ。
「私たち出るから、早く出てって」
「はーいわか…おう」
部屋から出ようと、壁際から立ち上がろうとしたタイミングで、風呂場の扉がガチャン、と音を立て勢いよく開いた。
「ちょっと!?なに開けてんのよ!」
「俺じゃない、俺じゃない!」
2人の体を見ないよう目を瞑り、記憶と俺の手をを頼りに動く。
「そこに服おいてるから」
「わかったから、早く出てって!」
なんとか扉を見つけ、部屋から退出、慎重に扉を閉める。
「でたわよ」
「おう、おつかれ」
少しの疲れを覚えながらも、食卓の椅子に腰掛けていると、まだ髪の濡れた2人が戻ってきた。
「あんたの服大きすぎない?昔は少し小さい位だったのに」
「まあ、俺はまだ成長してるから。そういう由乃さんは、成長はいかほどに」
「身長はとっくに止まってるわよ」
そりゃそうか、優來も身長止まってるって言ってたし。そう考えると、綾ちゃんとかほんと異常だな。
「てか、髪は乾かさなかったのか?」
「面倒だから、先に上がったの。それに、少し放置した方がサラツヤになるからね。て言っても、優來ちゃん元から髪質いいかもしれないから、意味はそんなにないかもだけど」
確かに元から優來の髪は、見た目的にサラツヤ感はあったような気がする。
「ほんとに、髪質いいのに風呂キャンセルなんてもったいない」
「面倒、だから」
「面倒ねぇ」
洗うのが面倒なら、髪を切ってしまえばいいと思うけど。そこではないのか。
「それより、お腹すいた」
「そういえば、そうだったな」
優來の風呂とかで完全に忘れてたけど、俺たちまだ昼食べてないんだった。
「なに?2人ともお昼食べてないの?」
「俺が12時過ぎぐらいに、起きたからな」
「ちゃんと起きなさいよ」
それはごもっともで、俺も悪いと思うけど、刈谷さんにも少し怒って欲しい。
「そこでなんだけど、由乃悪いけどなんか作ってくれないか?」
「あんたねぇ…」
「いや、別にいやならいいんだけど。出来れば、作ってくれない?」
久々に優來にあったんだし、何か手料理を食べさせてあげたい。俺の手料理ではなくとも。
「嫌とは言ってないけど」
「お、ほんとに?じゃあお願いします」
「わかったわよ、じゃあ先に髪乾かしてくる」
そう言って、優來を引っ張って洗面所へ戻って行く由乃だった。




