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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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52 空気一変クソまず弁当

2/2

「2人とも遅かったな」

「授業が少し長引いてしまって」


いつも通りの踊り場に着くと、既に初愛佳さんが座っていて、その目の前には弁当が置かれている。


「そういえば、佐藤さんって初愛佳さんの料理音痴は…」

「うん、知ってるよ。昔に1回だけ、食べたことある」


やはり幼馴染だからか、佐藤さんは初愛佳さんの料理音痴を知っていたらしい。


「おまえら、何コソコソしてんだよ。早く食べようぜ」


そういうと初愛佳さんは、完全に弁当箱を開封した。

やはり中身は、いつも通りのダークマター。


「う、すごいね」

「そうだろ、今日はいつもより時間かかってんだぞ」


かけた時間の割に、弁当の見た目が比例してないのは、どういうことなんだ。


「それにここなんて、ちょっとは、ハートを作ってみたんだけど」


初愛佳さんが指さしたとこは、にわかにハートとは信じ難い、よく分からないものがある。


「そうなんだね、初愛佳ちゃん頑張ってるんだ」

「やっぱ、2人からの評価は高いんだよな。母さんからは、何故か酷評なんだよ」


妥当すぎる評価だと思うけど。


「ちなみに、ここには何が入ってるの?」

「見ればわかるだろ?ミートボールとだし巻き玉子、あとその他簡単なおかずだな」


初愛佳さんの指したもの的に、ハートらしいものはだし巻き玉子だったらしい。


たぶん、ちゃんとした形を保てなくて、スクランブルエッグみたいになっている。


「佐藤さん、言ってることわかる?」

「全くわかんないよ!」

「なんでさっきから、ひそひそ話ししてるんだよ」


ずっとコソコソしているからか、初愛佳さんに怪しまれ始めた。


「いや、なんでも。と、とりあえず食べましょうよ」

「おういいぞ、食え食え」


食べるって言ったけど、どれから手をつけるべきか。見た目的にどれを食べても、味覚の死がほぼ隠してるんだけど。どれがダメージ少ないか…


「どうした?食べないのか?」

「いやー迷っまちゃって」

「いただきます!」

「佐藤さん!?」


佐藤さんが弁当からだし巻き玉子を取って、直ぐに口に入れた。


「どうだ上手いだろ?」

「う、うん独創的というか」


初愛佳さんの料理を食べた佐藤さん手は、プルプルと震えている。


「ほら、佐藤もこう言ってることだし、優も食えよ」

「は、はい。いただきます。うっ…」


さっき、ミートボールと言ってたものを食べたけど、やっぱ信じられないくらいまずい。この味は、昔の石橋さん以上だ。


ミートボール自体は、何となく口に入れた時肉とわかったけど、ミートボールのソースが合わなすぎてまずい。


「これまた、なんともいつも通り」

「てことは、うまいってことか」


正直なんで、初愛佳さんはこれが美味しく感じるのか、マジでわからん。あれかな、努力の分であじが変わるみたいな。


「お前らも、弁当持ってきてるんだろ。シェアしようぜシェア」

「佐藤さん、これは自分たちの弁当で中和すると、まだ食べられるから」


佐藤さんにお役立ち情報を教えて、初愛佳さんの弁当の横に弁当を並べる。


「やっぱ、佐藤の母ちゃんの料理うまいな」

「そういってくれると、お母さんもよろこぶよ」


初愛佳さんの反応的に、初愛佳さんの料理と、佐藤さんのお母さんの料理の味は初愛佳さんの中で同じレベルっぽいな。佐藤さんの弁当のおかずを俺も食べたけど、初愛佳さんのより断然おいしい。


「そういえば、梶谷くんはいあ〜ん」


思いだしたように、佐藤さんがこの間と同じように、あ〜んをくりだしてきた。


「だから、別にやんなくていいのに。まあ、もらうけど」


前回でツッコんでも無駄だと理解しているため、ナチュラルに佐藤さんのあ〜んを受け入れた。


「お、おいお前それ…か、間接キス」


そうか、初愛佳さんこのなりでウブだから、耐性がないんだ。でも、自分自身じゃなくてほかの人のにも反応するって、ウブすぎやしないか。


「初愛佳ちゃんどうしたの?」

「いやだから、その間接キス」

「こんなの普通だよ?」

「普通!?」


いまいちわからんけど、これは佐藤さんがおかしいのか、初愛佳さんの反応が普通なのか。


「関節キスが普通って」

「俺達前にしましたよね?」

「いや、そうだけどよ。こんな軽くなかったっていうか…」


前回を思い出しているのか、初愛佳さんの顔は赤くなっていき、少しずつまるまって言っている。


「じゃ、じゃあほら」

「これは?」

「その、あ〜んだよ。ほら」


なぜか佐藤さんい対抗するかのように、俺の方におかずをつまんだ箸を向ける。初愛佳さんは、やっぱり恥ずかしいのか、顔を少し赤くしながら、別の方向を向いている。普通に可愛い。


「いやー、ちょっと…」

「関節キスぐらい普通なんだろ?それとも、俺じゃダメなのか?」

「そういうわけでは…」


別に関節キスはいいんだ、ご褒美と言ってもおかしくはないから。問題は、初愛佳さんが俺に食べさせようとしてるのが、ダークミートボールということだ。


「なら、いいだろほら早く」

「はい…」


ダークミートボールを口に入れ、咀嚼する。今回は、自発的に食べたわけじゃないから、中和しようとすると怪しまれかねない。


「はい、梶谷くんこれ」


ダークミートボールを口に入れてすぐ、佐藤さんが俺に唐揚げをくれた。それでも、やはりあ〜んで渡された。


「初愛佳ちゃんどうかしたの?」

「い、いやなんでも」


初愛佳さんにとって、間接キスは重大な問題みたいで、前回同様箸を見つめて固まっている。


「そ、そういえば2人は幼馴染って言ってたけど、いつから一緒なんですか?」


唐揚げで中和してから、何となく気になったことを2人に聞いた。もちろん、箸休めの意味もある。


「まあ、幼馴染って言っても、小1くらいからなんだけどね」

「実際、親同士が特別仲いいって訳でもないしな」


俺と由乃は、小学生前からつきあいあって親同士も仲がいいけど、この2人はちょっと違うんだな。


「だから、私びっくりしたんだよ」

「なにをだよ」

「高校に入った途端、初愛佳ちゃんが急に髪を…」

「ストップストップ!」


佐藤さんがかみと言った瞬間に、初愛佳さんが止めに入った。


「それは言うなよ」

「なんで?」

「なんでって、ダサいだろ」


2人が何について話してるか分からないから、俺は完全に置いてけぼり状態になっている。


「さっきから2人はなんの話しを…」

「優は、いいんだよとりあえず」


まあ、気になるところではあるけど、初愛佳さんが嫌ならこのままでもいいか。



「ごちそうさま」

「どうだ俺の弁当美味かったろ。なんだか最近上達してる気がするんだよ料理の腕がな」


ちなみにだけど、初愛佳さんの料理に変化はほとんど見られない気がする。


逆に更に不味くなりもしないのは、救いかもしれないけど。


「何かを参考にしたりしてるの?」

「いや、なんにも。やっぱ自分の舌と目だろ」

「そ、そうなんだ」


やっぱこの人、自己流だから不味いんだよな。にしたって、正常な舌が備わってれば、ここまで不味くはならないと思うけど。


「佐藤さん、俺たちは戻ろうか」

「そうだね、じゃあ初愛佳ちゃんまた今度。それとも、今日一緒に帰る?」

「まあ、考えとくわ。またな」

「あ、そうそうちゃんと授業に出てよね」

「わかってるよ」


佐藤さんの注意に対して、めんどくさそうに答える初愛佳さん。


「どうせ、次の授業は出る予定だったし」

「次だけじゃなくて、全部出るんだよ普通」

「まあまあ、佐藤さん落ち着いて」


初愛佳さんの前だからか、いつも見たいな控えめな佐藤さんではなく、くだけた感じの佐藤さん。


「なんで止めるの?」

「初愛佳さんにもいろいろあるからさ」

「うん、わかった」

「妙に聞き分けいいな」


伝わるか微妙だったけど、佐藤さんにウィンクでさっきの話、というのを伝えてみたけど何とかなった。


「それでは、初愛佳さんまた今度いつか」

「おう、じゃあな優は寝るなよ」

「しばらくは、大丈夫ですよ多分」


初愛佳さんに手を振りながら、階段を佐藤さんと一緒に降りて、廊下に出た。


「もしかして、初愛佳ちゃんがサボるのって…」

「空気読みの結果だね」

「そうなんだ」


落ち込み気味にその場にしゃがみ込む佐藤さん。


「でも、やっぱり初愛佳ちゃんは優しいな」

「そうだね、あの噂と見た目じゃなければ、どうにかなるんだけど」


それを言うと、初愛佳さんのすべてを否定することになるんだけど。


「まあ、それは考えようよ。私も助けてあげたいし」

「そうだね、策を考えてみようか」

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