表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
団塊ジュニア世代の大移動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1533/1536

何が違ったのか

「こちらへどうぞ」

 岸坂さんに案内されたのは落ち着いた感じの森っぽい庭に面した個室だった。

 どうやら食事処は予約が一杯で、単価が高い個室の方は空きがあったみたい。

 無料サービス(呪詛返しの対価として貰うランチもしくは宿泊権とは別だと合意してある)なのに、こんな素敵な部屋で嬉しいねぇ。


「うわぁ、素敵な部屋ですね」

 碧も部屋と庭を見回しながら言った。


「森の中で優雅に昼食を食べているみたいで凄いわ」

 実際に森の中でピクニックなんてしても、虫が寄ってきそうだし座る場所も難しそうだが、上手い具合に木を管理して光が差し込む角度とかも調整しているのかここは部屋と森の一体感がマジで凄い。


 これを管理してる園芸師さんは凄腕だね〜。

 お年寄りなら、しっかり後継者を育てておいて貰わないとこの部屋の価値が駄々下がりしちゃうかもだよ〜?


「お客様にはとても人気な部屋なんです。

 秋になるとそちらの左奥の紅葉が綺麗に赤く染まりますので、是非またいらして下さいね。

 ラ◯ンでフレンドになりますと季節の変化などに関して発信していますので、参考にして下さい」

 岸坂さんが言った。


 メールだと基本的によほど目を引くセールの広告でも無い限りDMは見もせずに消去しているんだけど、ライ◯だとそこまで広告は来ないから、季節の移り変わりの綺麗な様子を写真で見せる程度のお知らせだったら悪く無いかも。


 まあ、実際には写真に撮れる時点で予約が手遅れになるから、去年の綺麗な写真をアップして、今年はあと何日ぐらいでこんな風になる可能性が高いですよ〜と教えてくれたら有り難いかな。


 テーブルの席に座って外を見ている間に料理が運び込まれてきた。

 う〜ん、お上品そう。

 実はまだ洋食の方が前世の料理に近くて、レストランでも然程問題なく食べられるんだけどねぇ。

 お箸だけで指も使わずに綺麗に骨付きのお魚を食べたりするの無理だし、こう言う小さめなお皿が沢山出てくる料理ってどう言う順番で食べれば良いのかも不明なんだよねぇ。


 取り敢えず碧のやっていることを真似るけど。

 昨日のランチは『お弁当』と言う名称だったから、順番に関してもかなり気軽だった。


「美味しく食べれば良いんだから、あまり作法なんて気にしなくでもいいのよ?」

 碧の手元をチラチラ確認しながら食べているのに気付いたのか、碧が声を掛けてきた。


「2人きりだし、それほど気にはしてないけど、一応知っておいて損はないでしょう?

 盗み見されつつ食べるのを気にしないでおいて〜」

 世の中の一般的な中流家庭の人って、懐石料理とかの食べ方をどうやって学ぶんだろ?

 親が子供をそんなのに連れて行って教えるとは思えないけど。

 仕事とかで接待でそんなところに行って、上司や接待相手のお偉いさんをそれとなく観察して覚えるのかね?


 いや、接待だったら先に本でも読んで研究するかな?

 今だったら本じゃなくてもネットの動画とか物知りサイトで色々と調べられるだろうし。


「そう?

 しっかし、そこそこの数の呪師が捕まったり自滅したりしている筈なのに、驚くほど呪詛に行き当たるわね〜」

 碧が上手に煮物をお箸で一口サイズに切り分けながらコメントした。


「だねぇ。

 ハロウィンで捕まえたのって呪師の一部でしか無かったんだろうね。

 何と言っても呪詛は金になるし、才能もそれ程必要は無いから退魔師より増えやすいのかも」

 退魔師だって報酬は悪く無いんだけどね。

 やっぱ退魔師になる為の弟子入り費用が馬鹿みたいのに高いのに大成する保証がないのがネックな気がする。


 呪師がどうやって弟子を集めているのか知らないけど、少なくとも二流大学の授業料4年分ぐらいの費用を請求されてはいないだろう。

 多分。

 代わりに気付いたら師匠に隷属させられているかもだけど。


「呪師は沢山呪いを掛けすぎるとそのうち返されるのが自分に戻ってくる確率が高くなるから、積極的に弟子を取って呪詛を掛けられる人間を増やして断れない相手からの呪詛の依頼を受けなくて済むようにしてるのかもね」

 碧が言った。


 あ〜。

 確かに、呪詛を依頼した本人が掛けろって言うのは相手がある程度以上の力を持っていると難しいかもだからねぇ。

 しかも、そんな相手が呪う相手は退魔協会への伝手があったり定期的に厄祓いしてたりで呪詛が成立する前に返されるリスクが高いだろう。そう考えると、退魔師以上に呪師は同業者を増やして受ける依頼の数を制限した方が良い業界なのかも。


 私らに取っては迷惑極まりないけど。


「結局、あの男が岸坂さんを呪ったのってお金のためだけ?」

 碧がお箸を置きながら聞いてきた。


「まあ、ほぼそれ?

 会社での成績アップの道具にしようって言うのがメインだけど、弟の癖に雑誌に出るような由緒正しい温泉宿の経営者一族に名を連ねるなんて生意気だって言う八つ当たりを含めた嫌がらせも兼ねてる」

 マジで、弟が何か一つでも社会的に周囲から自分より上だと判断されるような優位に立つのを許せないと考えるような、傲慢さとエゴが膨れ上がった人間だった。


 さらっと記憶を読んだ限りでは特に苦労した訳でも、親の育て方が弟と大きく違っていた訳でもないようなのに。

 人間って遺伝子よりも育て方や環境が人格を形成するって考え方があるけど、あのクソッタレと樹氏を見比べると……ある程度は遺伝子の問題もあるんじゃ無いかね?と言う気がしてくる。


 とは言え、遺伝子だって兄弟なんだから極端に違う訳では無い筈なんだけどねぇ。

 やっぱ、生まれつき魂が歪んでいる人っているのかも。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
懐石料理は好きですけど 作法なんて考えたこともないし指摘されたこともありませんでした
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ