表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/41

李の旦那、行ってらっしゃい

 ーー夜、マンションの前にて。

「ではタツ君、娘を頼んだよ」

 お高いスーツに着替えた李は、黄色いネクタイを締めながら言った。天然石が埋め込まれたカフスや、まばゆい黄金のゴテゴテした時計が袖から覗く。

「娘はお任せあれ。それにしてもスーツはヴェルサーチ、時計はロレックス。いやぁーさすが、お似合いでございます」

 大きな荷物を持ちながら、タツは調子良くおだてた。

「ははは、板に付いてきたようだな」

 李はそう言いながらタツの背中を軽く叩いた。

 正面には迎えに来た黒いレクサスセダンが停まっている。

 タツは荷物をトランクに載せ、後部座席のドアを開けた。

「あぁ、ちなみにだが……」

 乗り込みながら李はタツに目を向けた。

「はい、何でっしゃろ」

「私の時計はブライトリングだ。覚えておけ」

 彼はそう吐き捨て、自分でドアを閉めてしまった。レクサスはそのまま夜の街へ消えて行く。

「やれやれ」

 タツは大きく肩を落としマンションへ戻った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ