突然の復讐かよ
「イヤ……」
明蘭の悲鳴を発端に、会場がパニックに陥る。
タツはとっさにテーブルを起こし、皇子服の男にぶつけた。だが、すぐに脇から和装の男が刀を持って突っ込んでくる。タツは半身でそれを交わす。すると今度は、タツの左腕に鎖が巻きつけられた。
「お前ら、あの時の黒服だな」
タツの頭の中に、前に乱闘したキャバクラの光景が蘇る。
「エリカ、どこだ」
彼は拘束されてない右手で和装の男を殴り、逃げ交う参加者達の中からエリカの姿を探した。
「あはは。この時をずっと待っていたよ」
エリカの声だ。彼女は近くのテーブルの上からタツを見下ろしていた。
「エリはね、夜はアンタがメチャクチャにした店で働いていたの」
彼女はテーブルから降り、倒れていた皇子服の男に寄り添った。
「私の彼よ。彼ね、アンタを帰した責任を問われて店にかなり賠償させられたんだ」
タツは思い出した。あの日あの時、倒れたボーイの名前を叫んでいた嬢がいた事を。
「エリカさん……」
タツの後ろで明蘭が震える。
「私、許さないから。今日こそは楽しんでいってね。じゃあ……」
エリカがそう言い残して去っていくと、銀のサーブルが再びタツに襲いかかってきた。タツはチェーンを巻かれた左腕でそれを払いのける。鋭い金属音が響く。
「メイちゃん、逃げるよ」
近くにいた娘が明蘭の手を引く。彼女はそのまま連れて行かれ、慌てふためく人達の中に飲み込まれていった。




