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俺はお前の執事なんかじゃねぇ
やがて、彼女が当然のようにタツに指で指図した時だ。
「……いい加減にしろよ」
「え……」
今度は彼女が目を丸くした。
「黙っていればさっきから何だ、人のこと飾り扱いしやがって」
「だってアナタはメイの執事……」
その言葉を遮るように、タツは床を踏み込んだ。轟いた音に周りの人達がビクッと振り返る。
「俺はお前の執事なんかじゃねぇ」
怒鳴り声はざわついた会場を一瞬で静めた。明蘭に絡んでいた娘達が申し訳無さそうに去っていく。
凍てついた空気はタツの頭も冷やした。だが、目の前の明蘭は既に言葉を失って目を潤ませていた。白い目線がタツに集まる。
「いや、違うんだ。待ってくれ、今のは……」
慌てる彼の言葉には何も答えず、彼女はうつむいて黙り込んでしまった。何を言えばわからなくなってしまったタツも立ち尽くす。
そんな二人を残して、会場が賑わいを取り戻した頃だ。
「見ーつけた」
聞き覚えのある女の声にタツと明蘭は振り返った。声の主に二人は思わず後ずさる。
「マジか」




