保安隊海へ行く 52
買出しの観光客で一杯の駐車場。四人は汗をぬぐいながら入り口に向かって進む。
「やっぱ考えることは一緒か」
缶ビールとアイスを持った親子連れを見ながら要がつぶやく。
「アイス!要ちゃん!自分のお金ならいいんだよね?」
満面の笑みで人だかりに呆れた要を見上げるシャム。
「そうだな、店中のアイスを買い占めても文句は言わねえよ」
要の言葉に店内に飛び込むシャムとそれに続く小夏。誠もその姉妹のようなコンビネーションに苦笑いを浮かべていた。
「ジャリは元気だねえ」
サングラスをずらした要が誠の顔を見上げる。
「何か?」
誠が口を開くが、要は何も言わず店内に入った。弁当とおにぎりの棚の前に客が集まっている。要はそれを無視してレジを打っている店長らしき青年に声をかけた。
「缶ビール四ケースあるか?」
並んでいた客の迷惑そうな顔を無視する要。
「すいません、ちょっと待ってください」
そう言うと青年はスナック菓子の陳列をしているアルバイトの女の子に声をかける。
「ビール24本入りのやつ四つほしいんだけど」
「お客様、冷えて無くても……」
舌打ちをする要。そして一呼吸入れると頭を掻きながら女子高生風のアルバイト店員に向き直る。
「ああ、クーラーボックスはあるから出してくれたらそのまま持ってくよ」
その言葉に少し遠慮がちに、バックヤードから出てきた高校生と言った感じのバイトと顔を見合わせると、そのまま二人は奥に消えていった。
「小夏!つまみとか選んでろ。シャムはアイスは決まったか?」
「うん!チョコ最中!誠君も食べる?」
にこやかに小夏の分と二つを持ったシャムが振り向く。
「いいです。僕もビールをやりますから」
「神前、そりゃあいいや。アタシの分も頼むわ」
台車に乗せてダンボール四つ、ビールが運ばれてきた。
「シャム。アイスの勘定はお前がしろよ」
そう言いながらカードを取り出す要。
「ケチ!」
シャムがすねながらレジの列に並ぶ。小夏がポップコーンと言った菓子やつまみを持って要の元にやってくる。
「裂きイカはあるか?」
「当たり前だろ!アタシも大好きだからな」
そう言うと小夏は菓子類をダンボールの上に置いた。閉めていたレジを開けて、勘定を始める店員。隣の列に並んでいたシャムはもう払いを済ませて小夏をつれてアイスを食べるために出て行った。




