保安隊海へ行く 157
翌朝、誠は焼けるような腹痛で飛び起きた。そのままトイレに駆け込み用を済ませて部屋に帰ろうとした彼の前にいつの間か要が立っていた。
「おい、顔色悪りいぜ。何かあったのか?」
昨日、ウォッカの箱を開けるやいなや、すぐさま彼の口にアルコール度40の液体を流し込んだことを気にしていないような調子の要に呆れながらそのまま部屋に向かう誠。
「挨拶ぐらいしていけよな」
小さな声でつぶやくと、要はそのまま喫煙所に向かった。部屋に戻り、Tシャツとジーパンに着替えて部屋を出る。今度はカウラが立っている。
「おはよう」
それだけ言うと、カウラは階段を下りていく。誠も食堂に行こうと歩き始めた。頭痛は続いている。
「昨日は災難だったわねえ」
階段の途中で待っていたのはアイシャだった。
「酒が嫌いになれそうですね。このままだと」
そう言いながら誠は頭を掻いた。
「それはまあ、要ちゃんのことは隊長に言ってもらうわよ。それにしてもシャワー室、汚すぎない?」
「これまでは男所帯だったわけですからね。島田先輩に言ってくださいよ」
「その島田君がしばらく本部に泊り込みになりそうだって話よ」
食堂の前はいつものだらけた隊員達が雑談をしていたが、カウラとアイシャの姿を見ると急に背筋を伸ばして直立不動の体勢を取った。
「ああ、気にしなくて良いわよ」
アイシャは軽く敬礼をするとそのまま食堂に入った。厨房で忙しく隊員に指示を出しているヨハンが見える。とりあえず誠は空いているテーブルに腰を下ろす。当然と言った風にカウラが正面に、そしてアイシャは誠の右隣に座った。
「とりあえず麦茶でも飲みなさいよ」
やかんに入った麦茶を注いで、誠に渡すアイシャ。誠は受け取ったコップをすぐさま空にした。




