保安隊海へ行く 155
「誠君、肉とって」
手際よく作業を進めるパーラの声にあわせて細切れ肉を手渡す誠。
「良いねえ、アタシはこの時の音と匂いが好きなんだよ」
「要ちゃん、手が止まってるわよ」
「うるせえ!」
そう言うと要はぞんざいにジャガイモを切り始めた。
「西園寺、貴様と言う奴は……」
「カウラ。それ言ったらおしまいよ」
そんな言葉を口にするアイシャを要がにらみつけた。
「誠っち!ご飯は?」
サラがそう言って巨大な炊飯器の釜に入れた白米を持ってくる。
「ああ、それ僕が研ぎますから」
そう言うと誠はサラから釜を受け取って流しにそれを置く。
「ずいぶんと慣れてるわね」
「まあ週に一回は回ってきますから。どうって事は無いですよ」
そう言いながら器用にコメを研ぐ誠を感心したように見ている要、カウラ、アイシャ。
「じゃあここで水を」
パーラはサラに汲ませた水を鍋に注ぎ、コンソメの塊を放り込んだ。
「ジャガイモ、準備終わったぞ」
「じゃあ今度はにんじんとたまねぎを頼む」
「おい、カウラ。そのくらいテメエでやれ!」
「切るのはお前の十八番だろ?」
「わかったわよ!要ちゃん私がやるから包丁頂戴」
仕事の押し付け合いをするカウラと要に呆れたように、要から包丁を奪ったアイシャがまな板の上でにんじんとたまねぎを刻む。
「意外とうまいんですね」
「そう?時々追い込みの時に夜食とか作るからね」
「同人誌作りも役に立つ技量が得られるんだな」
「そうよ、要ちゃん。冬コミの手伝い来てくれる?」
「誰が!どうせ売り子はアタシ等に押し付けて買いだしツアーに行くくせに」
そう言いながら要はアイシャが切り終えた食材をざるに移した。




