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保安隊海へ行く 148

「じゃあこれを図書館に運びましょう!」 

 昼食を終えたアイシャが一同に声をかけてつれてきたのは、駐車場の中型トラックの荷台だった。

「図書館?」 

 誠は嫌な予感がしてそのまま振り返った。

「逃げちゃ駄目じゃないの、誠ちゃん!あの部屋、この寮の欲望の詰まった神聖な隠し部屋よ!」 

「あそこですか……」 

 あきらめた誠が頭を掻く。西はそわそわしながらレベッカを見つめた。

「クラウゼ少佐。図書館や欲望って言われてもぴんとこないんだけどな」 

 ロナルドが手を上げてそう言った。隣で岡部とフェデロが頷く。

「それはね!これよ!」 

 そう言ってダンボールの中から一冊のサッシを取り出してロナルドに渡すアイシャ。ロナルドはそれを気も無く取り上げた次の瞬間、呆れたような表情でアイシャを見つめた。

「わかったんですが……こんなの堂々と見せるのは女性としては品格を欠くような気がするような……」 

「そういう事言う?まるでアタシが変態みたいじゃないの」 

「いや、みたいなんじゃなくて変態そのものなんだがな」 

「酷いこと言うわね、要ちゃん。あなたに私が分けてあげた雑誌の一覧、誠ちゃんに見せてあげても良いんだけどなあ」 

「いえ!少佐殿はすばらしいです!さあ!みんな仕事にかかろうじゃないか!」 

 要のわざとらしい豹変に白い目を向けるサラとパーラ。とりあえずと言うことで、岡部、誠、フェデロ、西。彼等がダンボールを抱えて寮に向かった。

「そう言えば棚とかまだ置いてないですよ」 

「ああ、それね。今度もまたキムとエダに頼んどいたのよ」 

「あいつ等も良い様に使われてるなあ」 

 誠の横を歩く要。その反対側には対抗するようにカウラが寄り添って歩いている。

「これは私から寮に暮らす人々の生活を豊かにしようと言う提言を含めた寄付だから。要ちゃんもカウラちゃんも見てもかまわないわよ」 

「私は遠慮する」 

「オメエの趣味だからなあ。どうせ変態御用達の展開なんだろ?」 

「暑いわねえ、後ちょっとで秋になると言うのに」 

「ごまかすんじゃねえ!」 

 要が話を濁そうとしたアイシャに突っ込みを入れる。そんな二人を見て噴出した西に要が蹴りを入れた。

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