保安隊海へ行く 149
「階段よ!気をつけてね」
すっかり仕切りだしたアイシャに愚痴りながら誠達は寮に入った。
「はい!そこでいったん荷物を置いて……」
「子供じゃないんですから」
手早く靴を脱ぐ岡部。赤い顔をしたレベッカが、西の置いたダンボールを見つめている。
「二階まで持って行ったあとどうするんですか?まだ棚が届かないでしょ?」
「仕方ないわね。まあそのまま読書会に突入と言うのも……」
「こう言うものは一人で読むものじゃねえのか?」
そう言った要にアイシャが生暖かい視線を送る。
「その、あれだ。恥ずかしいだろ?」
「何が?」
「いい、お前に聞いたアタシが間抜けだった」
そう言うと誠の持っていたダンボールを持ち上げて、小走りで階段へと急ぐ要。
「レベッカちゃん。もし好きなのが見つかったら借りて行ってもいいのよ」
アイシャのその言葉に首を振るレベッカ。
「しかし、気前が良いな。何のつもりだ?」
カウラが不思議そうにアイシャを見つめる。
「これが布教活動と言うものよ!」
胸を張るアイシャに頭を抱えるサラとパーラ。誠はとりあえず要を追って二階に上がる。二階の空き部屋の前には要が座っていた。
「西園寺さん」
声をかけると後ろに何かを隠す要がいた。
「脅かすんじゃねえよ」
引きつった笑みを浮かべる要。誠はとりあえず察してそのまま下に降りた。
「西園寺は何をしている?」
「さあ何でしょうねえ」
先頭を切って上がってくるカウラにわざとらしい大声で答える誠。再び二階の空き部屋の前には要が暇そうに立っていた。




