保安隊海へ行く 101
「飯付きか……やっぱ良いよな。ヨハン、当然ウィンナー出るんだろ?」
「朝食はリゾットです。軽く食べれるのが良いんですよ」
巨漢を震わせながらヨハンが笑う。要は絶望したと言うように肩を落とす。
「シュペルター中尉のリゾットは結構旨いのよ。アンタも食べてみれば目からうろこが落ちるわよ」
「おいアイシャ、いつの間にこいつの料理を食ったんだ?」
「コミケの準備の時、時々誠ちゃんのところにお邪魔してね。その時、夜食で作ってもらったのよ」
「なんだと!」
誠が振り向くと、カウラが叫んでいるところだった。すばやく襟首をつかもうとするカウラ。要が気を利かせてその手を止める。
「そいつはアタシの役目なんだ。アイシャ。もしかしたら誠の部屋に泊まったとか言わねえよな」
「そうだけど何か?」
今度は要が殴りかかろうとしたのをカウラが止める。
「ああ、サラとパーラも一緒よ。まったく二人して何やってんだか」
そう言うと食堂に入るアイシャ。殺気立っている要とカウラを刺激しないようにしながら誠も入ってくる。ヤコブ、ソンと言ったヒンヌー教徒からの痛い視線を避けて通路を歩くカウラ。
「いい身分じゃねえか、うらやましいねえ」
トレイを手にしながらタレ目を際立たせる要。彼女が食堂中を見回るが、多くの隊員は三人を珍しそうに眺めている。
「それにしても……むさくるしいところねえ」
そういいながらまんざらでもない表情のアイシャがピクルスを瓶からトレーに移す。
「ったく朝から精進料理かよ、タコ中でも呼ぶつもりか?」
一汁一菜と言った風情の食事を見つめる要。
「必要なカロリーは計算されているはずだ、不満だったらそれこそコンビニで買ってくれば良い」
すべてをとり終えたカウラがそのまま近くの席に座る。自然に誠がカウラの隣に座ったとたん、一斉に視線が誠に突き刺さってくる。さらにアイシャが正面に、反対側には要が座った。
三人とも別に気にすることも無く黙々と食事を始めた。誠は周りからの視線に首をすくめながら、トレーに入れたかゆをすくった。




