*第5編まとめ、終わりに
「さて、これで第5編は終わり。どうだった?」
「相続って、かなりしっかりと規定が作られているんだね。知らなかった」
「だろうな。家族法でも相続分野については、実際に経験するということも少ないし、あまり実感なく分からないことも多いだろうね」
六法をパタンと俺は閉じ、それから彼女へと向き直って尋ねる。
「それで、これで民法全編見てきた訳なんだがどうだった」
「なんだか、漠然とした感じ…?」
「具体的な事柄も多かったでしょ。まあ、最初でも言ったと思うけど、民法は私法の一般法と言われるほど、基本となる法律だ。覚えておいて損はない、間違いなくね」
「ふんふん」
どうも覚えているのかどうかわからない、そんなあやふやな返事をされるが、特に気にすることはない。
「じゃあ、帰るか」
事務所の外もすっかりと暗くなっている。
もう帰らなければならないだろう。
「そういえば、他に苦手な不分野ってあるのか?」
同僚も誰もいない事務所で、俺は彼女に聞いた。
「えっと……」
「あるのか」
俺は考えつつも、彼女の言葉を待った。
「えっとね、刑法も苦手なの……」
「刑法は専門外だからなぁ。まあ、おいおい考えるさ」
教えれたらいいんだけどな、と俺は彼女に言って、それから二人揃って事務所を出た。