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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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19/51

その19 通信販売&通信教育


 昭和◯◯年◯月◯日


 漫画雑誌を眺める。

 もちろん、中身も読むのだが、俺が好きだったのは、通信販売&通信教育。


 なんかめちゃ楽しそうなアイテムが沢山並んでるじゃん。

 便利グッス系から、ナイフやモデルガンまで。


 あと、トレーニング系な。

 筋肉がつくとか、握力がつくとか。

 どの雑誌にも必ず載っていた、ブルーワーカーみたいな有名なものもある。

 あれだけ広告を載せるってことは、それだけ売れていたってことだろう。


 トレーニング系とセットで、格闘技などの通信教育の広告も多かった。

 空手とかマーシャルアーツ、中国拳法などなど。


 格闘技系の通信教育に申し込んだことはなかったが、中国拳法ブームのときに、本はよく買った。

 色々な技が載っていて、見ているだけで楽しい。


 あのときはすごかったな~。

 誰も知らない拳法映画がTVで流れ、マイナーな格闘技の中継までやってたからな~。

 まぁ、すぐにブームは終了したけど。


 そんな格闘技系の通信教育の他に、文化系の通信教育も充実していた。

 定番の書道やらペン字から始まって、ジャンルも様々。


 これまた沢山の雑誌に広告が載っていた、「家出のドリッピー」という英語の通信教育。

 世界的に有名な小説家が書き下ろしたストーリーで、英語が学習できるという代物。


 ググると、未だに教材は売っているらしい。

 ベストセラーやね。


 スピリチュアル系も多かったね。

 運が上がるとか、恋人ができるとか。


 精神が統一できるみたいな怪しい機械とか、シャカシャカ指で弾いてるだけで字が上手くなるとか。

 そんなことある?

 みたいな~(笑)


 通信教育の資料請求は無料なので、ハガキを送りまくった。

 そうやって、やって来たパンフレットに書かれていたことでも、かなりのことが学べた。


 そんな中で、親に無理して頼んで通信教育に入ったのが――。

 ラジオの作り方――みたいな通信教育。


「スゲー! 自分でラジオを作れるのか~!」

 当時は、まだラジオは主流だったので、ラジオを作ることにも夢があった。

 今のラジオは、スポンサーがつかなかったりして、大変みたいな話もきく。


 申し込んでやって来たのは、黒い表紙のテキスト本が数冊。

 結構本格的なので、数式が並んでたりして、小学生が読むには難しい。

 オームの法則だって、習うのは中学生だしね。


 それでも、一生懸命読んで理解しようとしてた。

 テキストの中に載っていたのは、バケツを使ったゲルマニウムラジオと、5石スーパーのAMラジオ。


 教材にはラジオキットは入っておらず、がっかり。

 キットは別に買う必要があり――しかも結構高い。

 まぁ、これで儲けていたんだろうな~と、推測。


 もしかして、同じ通信教育に申し込んだりした人がいれば、バケツゲルマニウムラジオでピンとくるかもしれない(笑)。


 ゲルマニウムラジオというのは、電源を持たず、空を飛んでいる電波をエネルギー源として動くラジオ。

 電源がないのに、聞こえるのか? といえば、ちゃんと聞こえるんですよ。


 テキストのバケツラジオは作らなかったが、キットのゲルマニウムラジオは作ったことがあった。

 ド田舎だったので、基地局が遠くて中々難しいのだが、都会ならもっとはっきりと聞こえたと思う。


 そのあと、「ラジオの製作」や「初歩のラジオ」という、電子工作系の雑誌が売られているのを見つけて、

俺のソースは、そっちに全振りになった。


 ラジオからオーディオ、出始めのワンボードマイコンのことまで載っていて、まるで夢のような雑誌だったなぁ。


 そして、大量の通信販売の広告。

 すごい電子キットが沢山並んでいて、そのほとんどが秋葉原だった。


「俺は絶対に秋葉原に行くんだ!」


 と、子ども心に誓うのであった。



 

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― 新着の感想 ―
親戚の住んでいた古い団地だと、ラジオのアンテナが張り巡らされていて、それぞれの部屋に引き込めるようになっていたのを思い出しました。昭和40年代だと、テレビにとってかわられて使っている人はいないようでし…
黒いテキスト4冊では。私も中学で買ってもらって、ラジオ音響技能検定3級まで取りました。テキストは今でも持ってます。
日ペンの美子ちゃんの作風が徐々にファンタジー寄りになっていったと思ったら 連載が始まって人気作家になってしまったのは今でも印象に残っています
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