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女神リーザちゃんの日記  作者: へるきち


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どらごん戦争(18)I Want It All

シン王女様がドラゴン山で近衛騎士を集めて砦を作っている。


そんな噂が巷で流れているそうだ。

ドラゴン山の建築現場に、女騎士が増えていた。噂を聞いてやって来たのだ。

どこから漏れちゃったの?


「民主革命軍も、来ちゃうかのう?」

「やりますか?明日殺されるなら、今日殺しましょう!」


キナコの主張も一理あるが。


「迎え撃てばいいんじゃない?そもそも、この山に入れないでしょうけど」


クリームちゃんの言う通りだろう。


この山は、カステーラ家の兵士3人を瞬殺するような熊や、虎などがうろうろしているのだ。

ここまで侵入出来るのは、ズンダの近衛騎士だけだ。

入って来たとしてもだ。ズンダの近衛騎士が守っているのだ。

さらに奥には、幼体とはいえ魔王様が居る。猫型ドラゴンも、いずれ連れて来る予定だ。


どらごん組の領地、鉄壁の守りなのでは?


「問題なのはターマだろう。民主革命軍が近衛騎士狩りに乗り込んできてる」


ターマに視察に行こうか。


「シン王女様の噂を流したら、民主革命軍は撤退しました」


噂の出所は、ここでした。

アンが店長を務める、ターマのメイド喫茶風お団子屋さん。


「なるほど。戦力をシンズンダ王国に集中させるつもりだな」

「今はズンダで体制を組んでいる最中でしょう」

「噂のお陰で、うちの戦力も増えたわね。さすがアンね」

「お嬢様の筆頭メイドですので。当然です」


どいつもこいつも有能過ぎる。組長だけが、ぽんこつ幼女です。どらごん組やめて、シンズンダ王国のがよくない?


「あなた、エプロンが曲がっていてよ?」

「あなた、刀身が曲がっていてよ?」

「あなた、太刀筋が曲がっていてよ?」

「あなた、性癖が曲がっていてよ?」

「あなた、…」

リーザ様が見てる。


「あんた達、何やってんの?」

「これは、店内で演じる寸劇の練習です」

ほほう、アンの部下達は、おもしろそうな事やってるね。お団子屋が繁盛するわけだ。


「お団子屋といえば、もちもちおもっち買うとか言ってなかったかい?」

「やめたわ。国外の企業に手を出すのはよくないし」

すっかり忘れてた、その話。


「あれ?じゃあ預けたわしの小切手は、どうなったんじゃろ?」

「ズンダ金貨20万枚になったわよ」


小切手が金貨になった経緯は、話が長かったので、3行にまとめてみよう。

小切手はズンダ王立銀行に持って行った。

銀行は内戦でお金が無いので、国庫のズンダ金貨を吐き出した。

ズンダ国内のズンダ金貨が無くなった。


「もしかして、わしの株券も」

「僕が、ズンダ金貨20万枚にした」


オエド銀行にはズンダ金貨20万枚が焦げ付いていた。

やらかしたのはハナちゃんなので、株券と交換で引き取った。

オエド銀行からもズンダ金貨が無くなった。



まとめると。

どらごん組のズンダ金貨が合計140万枚になった。

市場から、ズンダ金貨は完全に消えた。


「全部揃えると、いいことがあるんだ。ズンダ財宝もそうだったろう?」


それが、どんないいことなのか、大災害なのかは、まだ分からぬが。


「ズンダ財宝といえば、どこやったのじゃ?」

「…あ!」


緊急クエスト発生!!ズンダ財宝を回収せよ!


財宝は、ハナちゃんの自宅にあった。

ワワンサキの貴族だったはずなのに、スラム街としか言い様のない区画のボロアパートだった。

テロリストは、ここも燃やすべきじゃったと思う。

最後の住民であったハナちゃんが出て行ったので、取り壊す寸前じゃったけど。


「ズンダ王家の秘宝を産廃になるとこだった…」


「秘宝と言えば、ドラゴンの集めてた金貨はどこ行ったの?」

「…あ!」


そっちは、猫型ドラゴンのお腹のポケットの中にあった。

351枚もの金貨が入る仕組みは謎だ。

猫のお腹にポケットがあるのも謎だが、背中に羽もあるし、今さら驚かない。


なんで分かったかと言えば、猫型ドラゴンが時々取り出して眺めているところをお団子隊が見ていたからだ。

猫型ドラゴンは、お団子屋でマスコットとして暮らしていたからね。

どこにやったのか、すっかり忘れていたけど、ピカピカを集めるドラゴンの本能のお陰で助かった。


「1枚多くないかしら?」


ドラゴンの金貨コレクションには、ズンダ金貨が1枚混ざっていた。おそらく、コルサちゃんが失くした分だろう。猫型ドラゴンは、ドラちゃんでほぼ確定かな。


今度こそ全部揃えたぞ。

どんないい事が、あるのだろうか。

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