聖なるものに飢えた王女様がふたたび蘇る(3)
寝ているところを、ゆっさゆっさと揺すられた。
薄目を開けると、もう昼じゃん。
「寝た子を起こすと、ドラゴンに焼かれるのじゃ。」
ドラゴンにこんがり全身を焼かれる夢を見ていたので半分寝言だ。
「おきてー。おきゃくさんですよー。」
コルサだ。
メイドさんのコスプレをしたコルサにおこされた。
お客さんは、ハナちゃんだった。なんだ、こいつまた来たのかよ。
寝起きでだるかったので、話は聞き流した。
なんか、いろいろと罠を仕掛けてるみたいだけど、どうでもいいわ。
こっちには、本物の王女という、最終兵器があるのだ。
死なばもろともな感じするけどな。
お昼過ぎに起きて、お友達とガールズトークしながら、メイドさんの供するおはぎを食べる。
そう描写して見ると、なんてスローな世界じゃないの。
ガールズトークの中身が、国家機密の暴露じゃったけどな。
あいつは、おはぎを5個も食べて行った。
お腹が空いたら、またうちに来るといいよ。
中身は、孫を見るおじいちゃんじゃからな、わし。
おやつの時間なので、1階の団子屋に行く。コルサはメイド服のまま着いて来た。
こいつ、今日はずっとメイドさんごっこしてんな?なんなの?
団子屋で、クリーム、セリカと合流し、今日の予定を確認する。
「今日は、必殺技の特訓?何するんじゃ?」
セリカ先輩に聞いてみる。このいかれた予定は、こいつが言い出したからな。
「女神ぱんちとか、女神きっくだよ」
頭悪そうな事を言い出した。
「そういうことならー。わたしが、けいこつけてあげましょうかー?」
ズンダ王家は、女神ぱんちや女神きっくを体得していると言うのだろうか?どちらかというと、女神を制圧する側のように思えるのだが。
「それは、おやつの時間までの予定でしょ」
クリームちゃんも、女神ぱんちとか女神きっくの特訓してたの?
「してないわよ。私は女神ではないのだし」
じゃあ、何してたん?
「迷子の近衛騎士探し」
コルサと、ここに来る途中で、はぐれたやつ?
今日の予定は、迷子の近衛騎士探しだ。
というわけで神社に来たよ。
コルサにおみくじをひかせた。こいつも名前だけは女神だしね、いいの引くでしょ。
ズンダの風習でも、王族の名は、女神の名にあやかるのだ。
大凶
お前のうしろにいる
こわっ!
なにこのおみくじ、1行しか書いてない。まあ、ある意味大当たりという気はするね。
みんなで、振り向く。
「お嬢様ー」
情けない声で泣く縦ロールのメイドさんが居ますね。お前も迷子になってたのかよ。朝から見ないと思ったら何してんの?
「きなこー。さがしたわよー」
あれ?こいつキナコなの?アンにそっくりなんじゃけど。
実は、双子の姉妹とか?キナコ・オモッチ。あり得る。
「アンじゃ、ないわね」
どこに違いがあるのか分からないけど、クリームもこれはアンじゃないと言う。
でも、なんでメイドの格好なの?近衛騎士じゃなかったの?
「これからは庶民として生きていくためです。メイド喫茶で経験のあるメイドに転職しようかと」
こいつもメイド喫茶でバイトしてたのかよ。そうは言っても、今はゴーストだしね。どこも雇ってくれないのでは?
「なのでー、ふっかつのぎしきをー、おねがいしますー」
復活の儀式をやるのはいいけど、昨夜、何やったっけ?
「きなこー、ぬぐのですー。」
そういえば全裸で抱き合ったんだっけ。
「え!?いや、ちょっ!こんなところで脱げと!?くっ殺せ!」
もう死んでるじゃん。
しかし、まあ、こんなところで女性を脱がしたくはない。痴女の仲間だと思われる。
まあ、とりあえず、ぎゅっとしてみた。全裸には、ならない。
ほわほわほわっ、とわしらの体が光に包まれる。昨夜と同じ感じだ。いけそうだよ。
しかし、こんなほいほい奇跡を起こして大丈夫なのかね?
やがて、ほわほわが消えると、コルサの時同様、キナコが復活した。
王女様に続いて、近衛騎士も蘇ってしまった。なんで?
まあ、いいか。
コルサもキナコも喜んでるからな。




