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女神リーザちゃんの日記  作者: へるきち


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ハナちゃんは黙ってない(3)

日が暮れる前に、すべて揃え終えた。


のじゃ貴族リーザの家は、ハンに調べさせた。

帰す前に聞いてなかったのよ。言わない方も、どうかと思うぞ。

不動産屋から、カードの照会が上がっていたので、それを追跡して突き止めた。

銀行屋に分からない情報は無いのよ。


マンションの前に、リーザちゃんは居た。

銀行に来た時とは、違う恰好で、あちこち泥に汚れている。

それでも(ちょっと遊んできただけですけど?)みたいな顔してる。

なんだか、かわいいわね。一体、何処に行って来たのさ。


テーブルの上に、ズンダ財宝が並べられていく。

メイドさんが腰から剣を外して置き、ちびっこの妹も首から提げた宝石を置いた。

家の中に居るのは、リーザちゃんと、ちびっこ妹の他には、メイドが1人だけ。


このメイドが、リーザちゃんを、ズンダからここまで連れて来たのだろう。

幼女を2人も連れて、オタマ山を越えたというのか。

リーザちゃんが強気なのは、このメイドが居るからなんだろうね。

もしくは、あほの子なのか。

ズンダ宝石を、堂々と人に見せて歩くなんて、狩って下さいと言っているようなものだ。


私達を、罠に嵌めている可能性もあるのかな…。緊張してきたよ。


まずは、現物の確認だ。

まず私が確認して、ハンが再鑑をする。ズンダ財宝のリストと照らし合わせる。

どれもが、企画七課が作成したリストと一致する。ズンダ王宮で押収した財宝以外で、目録に載っているもの。亡命した王女が持ち出したであろうもの。


すべて、一致した。リーザちゃん、君は一体何者なんだい?


「これらが王女の持ち出した王家の家宝のすべてであることが確認できました。」


リーザちゃんは(だよねー。よかったー)って顔してる。

さあ、ここからが勝負だよ。


「100億円用意があります。如何でしょうか」


そう言って、額面100億円の小切手をテーブルの上に載せて、リーザちゃんの反応を伺う。

(え?まじで?)って顔しているね。これじゃ、足りないのかい?オエド銀行頭取の交際費4半期分相当なんだよ。小さい国なら、買えちゃうんだよ?

そして、(うーん、どうしよっかなあ)からの(やったるか!)ふたたび。


「その3倍なら、良いのじゃ」


さすがに、ドキリとしたよ。フヒッ、なんて声に出ちゃったじゃないか。

こっちが用意した全額を、一撃で突かれた。

リーザちゃんは、(一歩も引かぬぞ)って、顔でこっちを見てる。これは、逃げられないかな?


「承知しました。これ以上の用意はしていないので助かります」


まず、同じ額面の小切手を1枚追加してテーブルに載せる。

どうしようか。こっちは、5か月後までは空手形同然なんだよね。黙ってようかなー。


「1枚だけ、口座の残高にして欲しいのじゃ」

「承知致しました。明日処理させて頂きます」


よし。リーザちゃんの気まぐれかも知れないけど助かった。この後すぐに夜間処理して、少し細工したら、明日の朝イチに持って来なければ。

空手形の方を、よその銀行に持ち込まれたら、うちの銀行が飛ぶかも知れない。少なくとも、私のクビは飛んじゃう。


「では、こちらをお預かりさせて頂きます」


どっちでも同じなのよ?って風を装いながら、しっかりと換金可能な方を引き取る。

出来るなら、空手形の方を引っ込めたいけど、頭取権限でも処理出来ないからね。


「残りですが、このような物を用意させて頂きました。当行の総発行済み株式の5パーセントです」

「わしを、大口株主にして、どうしたいのじゃ?」

「正直に申し上げますと、100億規模の現金を動かすのが難しいのです。こちら、現在の株価で120億円となりますので、どうかご容赦いただけないでしょうか」


おまえを一連托生にするためだよ!うちに牙剥いたら、その株券もぱーだからな!


なーんて、言えるわけないよね。希望価格に20億円上乗せだよ、どうかな?どうかなー?


「分かったのじゃ。わしらは一連托生なのじゃ」


逆に、言われてしまったね。

よし、そろそろトドメを刺すかな?


「お預かりしていたものをお返しします」


そう言って、ブロンズカードを1枚、テーブルに載せる。

セリカ・ドラゴンと、刻印がある。

リーザちゃんが(わしのは?)って顔をしたところに、追加でもう1枚。


「リーザ様のものは、プラチナカードに切り替えさせて頂きました。」


白銀色のカードを見て(うわー、まじかー、いらねー)って顔してる。フヒッ。


「リーザ様も、これで、公爵以上の爵位となられるでしょう。これからは、私の友人としても、当行と懇意にしていただければ幸いで御座います。」


リーザちゃんは(もうおまえくんなよ)って顔しながら、フヒッって笑った。

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