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強襲ボランティア  作者: 永久院 悠軌
新学年編
44/55

44. 前日

なんと、気付いたら明日が体育祭だ

既にチームエントリーは全て終わっている

今日は、各チーム『本拠地』の確保の抽選会と、練習に費やされる

体育祭実行委員会が校庭のトラックの周りに杭を打ってロープをはったりしているのを見つつ、俺は校庭の実行委員テントに向かう

「五月も日差しは暑いな……」

静道せいどう先輩は体脂肪率が低くて体温を保てないからって厚着し過ぎなんじゃないですか?」

俺の隣にはチーム代表の静道先輩がいて、長袖のジャージを着ている

一年とおしてほぼ長袖を着ている先輩は、実は極度の寒がりで、しかしながらその為に着ている服のせいでいつも暑いと言っている

「ん?ここか?」

「みたいですね」

六本の鉄パイプで立てられてるテントに近づき、実行委員に声をかける

「こんちわ!どこのチームです?」

チャラい感じの女子——恐らく三年生——が俺たちに聞いてきた

さて、俺たちはここで堂々とSVTなんて名乗るわけにはいかない

この為に別の名前を考えた

「ギミックです」

「えーと……はい、あります!教室は4階希望ですね」

ギミック。仕掛け

俺たちの活動に置いて重んじる事は何か

All For All

全員が全員の為に動く事

全員が歯車になり、互いの為に動く事で大きな力にする

その思いで、この名前が付けられた

「4階は……1組2組3組4組が空いています。どこを使いますか?」

「抽選は要らないのか?」

「各階倍率が違うので、希望エリアの倍率が割れてる場合は、抽選は無しです」

ありがたい仕組みだ

俺らは4階、特に真ん中の方の教室が使いたい

「じゃあ、404。4組教室を貰えますか?」

「はい。……どうぞ!」

箱の中から鍵を受け取り、テントを離れる

チームの各拠点で、人気があるのは1階だ

休憩時間から、競技時間にうつり、参加するには1階が一番近くて疲れない

それと、これは毎年行例なのだが、1階は『わざと競技に参加させないように』妨害が起きる場所でも知られている

大人数チームが構成員を一気に下駄箱をごった返しにさせて、競技に参加できず失点になったチームも多かった

それが起源で、今では下駄箱で格闘したり、一階の教室のドアを開けれないように押さえつける奴らもいる

俺たちはそれを避ける為に、4階にした

「赤木、先に向かってくれ。俺はアレをとって来る」

「ああ、了解です」

鍵をもらい、俺と静道先輩は下駄箱を上がったところで別れる




廊下を歩きながらケータイを取り出し、電話する

『もしもし』

「俺だ、赤木あかぎだ」

『……それで?』

「404教室だ。荷物の搬入を開始してくれ」

『了解した』

電話の相手は冴崎さえざき

現在、SVTの面々は学習準備室《SVT本部》にて待機している

今日は一般の授業は無いため、教室は空いていて

明日の体育祭に向けて、どこの組織も教室を改造している

大抵のチームは、クーラーボックスを置いたり、プログラムを張ったり、共有の飲み物を置く場所を作ったり、休憩スペースを作るのだが

SVTはそれだけではすまない

「……早いな」

「急いできた」

俺が404教室に辿り着くと、既にSVTメンバーがいた

女子メンバーがブルーシートを持ち、男子メンバーは望遠鏡を持ってきている

ガチャッ

「よし、入れ」

鍵を開けて中に通す

ぞろぞろとメンバーが入って行き、俺も中に入る

一般教室の為、机が並べられていて、黒板があり、教室の後ろには掃除用具入れとゴミ箱がある

さて……

「静道先輩と、五十嵐いがらし荒威あらい先輩は大型道具をとりに行っている。こっちでできる事は先にやっておくぞ」

「「了解」」

まず最初に、机の撤去だ

窓に向かうようにいくらか机を置き、残った机も要所に置いて、それ以外は教室の後ろの方に追いやる

それぞれのメンバーが仕事を始める

「二台設置、ファン用意、電源コード接続」

窓に面するように置かれた机の上には二台のノートパソコンがおかれ、日光が当たるのでファンも設置する

この体育祭は戦争だ

通信機を用いた戦術指示も行なうため、ここに設置する

また、校内監視カメラを確認して、もっとも空いているルートから外に出る為に、パソコンはもう一台置いてある

現在SVTにはオペレーターの冴崎と、PCに長けている隠牙いんがさんがいるからな。有効に使ってもらおう

「ブルーシート用意!」

葉城はしろ鎌月かまつきが窓際にブルーシートを広げる

これは明日になれば使い道がわかるだろう

「赤木先輩。グラウンド地図とプログラム、書けました!」

「ああ、ありがとう。明里あかりさん銀嶺ぎんりょう先輩」

黒板に地図とプログラムを書いていた銀嶺兄妹がこちらを見て声をかけてきた

良い出来だ

グラウンドの地図がテントも含めて細かく書かれていて、その横には時間と競技名が書かれたプログラムがある


ガラッ

教室のドアが開いて、突入して来る人影がある

「はぁ……!はぁ……!」

「あぶねえ……!見つかるところだった……!」

飛び込んできたのは、SVTの筋肉質な男たち

静道先輩がドアを開けて、五十嵐と荒威先輩が金属でできてる大きな塊を持っている

素早く室内に入り、塊は窓際におかれる

「こちらも、OK……」

教室の後ろ側に鷹宮たかみや先輩と水爪みつま裏寡うらかが机を積んだ状態で声をかけてきた

これにて、準備は完了か……

いや、まだか

「赤木、保健室から救急箱パクってきたわよ!」

部屋を開けながら飛び込んできた女性の先輩を見てげんなりしつつ、見る

星霧ほしきり麻菜まな先輩

保健委員会所属で、応急処置等ができる

外見の割りに馬鹿力なところがある人だが、外見通りに頼れる姉貴的なところもある、と言うことだ

「ま、あたしたちに救急箱なんて要らないと思うけど」

実際、俺たちが任務を行っている間も、星霧先輩は応急処置用の道具などを若干数持ち歩いているが、俺たちは一度も怪我をしたことがないため、使われることはない

「赤木、これでOKか?」

静道先輩が俺に聞いてくる

完璧だ

「OKですよ」


俺は答え、静道先輩は静かに笑みを浮かべていた






さてさて

体育祭目前

SVTが、普通に体育祭に参加するわけないですよね?

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