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⑬ SVTの新問題

「さて、今回の任務は特殊だぞ」

朝のミーティングで静道せいどう先輩が開口一番に言った言葉を聞いて首を傾げる

俺の名前は赤木あかぎしるべ

ここに集っている『SVT』と言う組織の、一応ランク2的な仕事をやっている

基本的に平等主義の組織だからあまり権力は無いし、必要とは思ってないけど

まぁ、そんな事は今回関係ないからどうでもいい

今関係あるのは『特殊な任務』についてだ

真っ先に反応したのは銀嶺ぎんりょう先輩

「フッ、ついに宿命のときは訪れたか……」

素早い反応が必ずしもよろしい事とは限らない

予想の斜めを行く反応に、まだ『SVT』に馴れていない御奈沢みなざわ先輩は困惑の表情を浮かべている

が、御奈沢先輩以外は馴れたもので普通にスルー。一切のリアクションも取らない

「任務内容は?」

星霧ほしきり先輩が椅子の上で体を伸ばしつつ、当たり前の事を聞く

すると静道先輩は立ち上がり、ホワイトボードの前に立ち、メンバーの方向を見渡し始めた

突然の奇行にわずかな沈黙が訪れるが、すぐに静動先輩が口を開き、沈黙は破られる

「この部屋さ、人数も増えたし、最近荷物も増えて狭くなって来たじゃん?」

付加疑問文で全員に問いかけられたその問題は、確かにもっともだった

実は『SVT』は発足当時は俺、静道先輩の二人だったのだ

俺と静道先輩でここの校舎の壁を登ってフリークライム、徒手登攀(ボルダリング)の訓練をしていた時、偶然この荷物だらけで人影もなく、カーテンもある空き部屋を発見した

その後、静道先輩にたまにPCの修理を依頼して来る社会科の教師に鍵をかりて、視察してみたところ

汚れていた

つまり人が来ない証だった

奥地を少し綺麗にして、壊れた備品のPCを直して置いたりして『SVT』の本部にした

それから、学園の噂を聞いたりして『ミリヲタ』の裁凪さいなぎ先輩や『無気配』の鷹宮たかみや先輩をスカウトしたりして、少しずつ人数が増えて来た

壊れた長机を直して置き始めたのもこの頃か

そうそう、この頃くらいから『SVT』の活動も増えて来て、『SVT』の証拠を残したボランティアも行い始めたりもした

その結果、そのボランティアの跡地に『SVT』に向けたメッセージがあり、それを書いていた水爪みつま五十嵐いがらしがメンバーになったりした

で……今では合計14人

確かに、狭くなって来てはいる

そして、その問題は人数の増加だけが原因ではない

葉城はしろが整理整頓しないのが深刻な問題だ」

「え?あたしですかー?」

静動先輩の指摘にまるでわからないと言ったように首を傾げる彼女の前には、すでにおかしな環境が広がっている

「まず最初に、なんでそこでラジコン解体してるんだよ!?」

「作業台を要求しますっ!」

静道先輩がMV-22(オスプレイ)のラジコンがバラされている状況に対して突っ込み、葉城が答えになっていない回答をする

「この間の任務でこの子を使ったからメンテナンスしてるんですよ!機械屋(メカニック)としては当然の事です!」

「……!」

静道先輩は頭を抱えて俯く

お気持ちは察しますよ先輩……

「とにかくだ!今度ここの部屋を改造して、もっと過ごしやすくするぞ!」

一応誰も異議を唱える事は無いが、俺には一つ気がかりがある

「あのー、先輩」

「なんだ?赤木」

「改造するのは良いですけど、その間のボランティア活動はどうするんですか?」

部屋の改造に人手をさいていたらボランティアにまわる人員が減る

一応、どんなボランティアであっても人員は多い方が素早い任務ができていい

だからこそ心配だったが……

「実は春のボランティアは数が限られていてな!作者のネタ切れを防止する為にここいらでどうでもいいイベントを挟まないといけないんだ!」

「なんてリアルな話しているんですか!?」

そう、冬編が終わって春編を書き始めた時、作者は春のボランティアについて何も思いつかなかったのだ

今でこそいくらか思いついたものの、それでも数は少ない

だから、過去編を挟んだり、どうでも良いイベントに走ったりして少し文字を増やさないといけないのである

「ま、春ってことで、新しい年度も来るからな。ここいらで大掃除して一新するのも悪くはないでしょう」

「必死な言い訳ですね……」

春に部屋を改造する理由を考えていなくて、友人に聞いて帰って来た答えをそのまま書いたのだろうか

「今回は特殊な作戦になると言っただろう?」

「『SVT』総動員の本部改修作戦ですからね。一体いつやるんです?」

「その話だな。では言おう。」

静道先輩は「言おう」と言いつつ少し溜め込み、声を張って叫ぶ

「今日の放課後だ!」

…………。

「「えぇぇえええええええ!?」」

沈黙の後に絶叫が続いた

ここ最近叫ぶ回数が増えたのは気のせいだと信じたい

「きょ、今日の放課後って言いました!?」

「いくら何でもそれは厳しくないかな?」

俺と銀嶺先輩が反応するも静道先輩の眼差しは変わらない

「〝明日やります〟駄目絶対!いつやるの?今でしょ!?」

なんかもの凄い勢いで力説を始めた国語教師……じゃなくて静道先輩

やがて全員の顔を見回し、リーダーらしい顔に戻ってから話す

「メンバーを決めたぞ!発表する!」

いつも通りのペースだ……

「女子は星霧を除いて全員清掃班!部屋を綺麗にしたり道具を綺麗にするのを頼む」

「「了解」」

冴崎、葉城、鎌月、裏寡、御奈沢先輩が返事をする

「なんで私だけ清掃班じゃないのよ?」

星霧先輩が当然の質問を口にする

静動先輩は満面のドヤ顔で親指を立てて答える

「お前、男子より力仕事に向いてるから!」

「十字を切るのに5秒も要らないわね?」

「え?ちょ、じょうだ——グフッ」

言い訳すらも言わせてもらえずに鳩尾に拳がめり込み、崩れ落ちる静道先輩

星霧先輩はその拳を抜かずに無言で周辺に視線を送る

…………。

「赤木、バタフライナイフはしまいなさい」

俺がポケットに手を伸ばした事を一瞬で見抜き、声を放ってきた

両手を頭の後ろで組む事で戦闘意欲が無い事を証明する

ようやく拳を引き抜いてから全員に順に視線を送る

ホント怖い、止めてほしい

「放課後に集合してからメンバーを聞きましょ、今回の朝のミーティングは終了よ」

全員静かに頷き、ミーティングは終了した




と、見せしめがあったその日の放課後

俺が学習準備室に訪れる頃には殆どのメンバー(静道先輩も含める)が着席していた

同じクラスの水爪みつま冴崎さえざきが後から出頭して、全員集合

「では、集合したばかりだがメンバーを説明する」

まるで朝に自分が説明しかけていたことを忘れているかのような口調だ。不思議!

まるで洗脳でもされているかのように虚ろな目で語る

「女子は冴崎を除いて全員、清掃班」

これはきっと洗脳されている!

「「了解」」

隊長命令に復唱する女性陣

「冴崎はいつも通りオペレーターを頼む」

「了解です」

いつも通りの仕事なので冴崎は普通に答える

「次、鷹宮たかみや水爪みつま。学習準備室に人が近づかないように監視と誘導を頼む」

「「了解」」

大掛かりな作戦になる

学習準備室前を歩く人が居た場合、音でバレる可能性は高い

そう言った意味では、重要な仕事だろう

「で、残りの人間は今回、大いに働いてもらうぞ」

虚ろな目からいつの間に戻ったのか、真剣な眼差しで告げる静道先輩の言葉に俺たちも緊張をする

全員が息をのみ、仕事の内容を待つ

「俺たち、残りの男子の仕事は『運搬』だ」

…………。

え?

「運搬か?静道」

「運搬だ。荒威」

運搬なんて、確かに男に任される仕事かも知れないが

正直言って、日頃から鍛えている俺たちからしたら大した事の無い任務だ

静道先輩が大げさに言う理由がわからなかった

「学習準備室に長机は二つしか無い。あと二つ調達する事が今回の任務だ」

…………。

「今回、処分予定になっている長机をもらう事にした。場所は体育館の近くにある体育準備室の一つだ」

うちの高校は体育準備室が幾つかあり、体育館に隣接しているところと校庭に面しているところが主に使われる

残りの一つである今回行くと思わしき場所は、この高校ででた廃材、壊れた教材などを集める場所になっていて、俺たち『SVT』は過去にも色々と物をもらいに来ている

しかしながら、当然の事だが、普通は生徒の立ち入りは禁止。

俺たちがやっている事は本当は、見つかるとヤバい

だから、今回の任務の難しさを知った

「長机を体育準備室からここまで、しかも二つも持って来るなんて無理じゃないっすか?」

五十嵐いがらしもやはり難しいと考えたようで、静道先輩に聞いている

だが、静道先輩の事だ。一度決めた作戦は変える事は無いだろう

「2チームに分けて運搬する、ルートはそれぞれ選んでくれて構わない」

大人数で動くと目立つ。少人数を二つ作る……と

あとは、チームだ

「チームは、赤木、裁凪、俺の三人がαチーム。荒威、五十嵐、銀嶺がβチームだ。ミーティングを終えて、一斉に任務を開始する」

俺は静道先輩のところに歩み寄り、裁凪先輩も近づく

この三人組と言うのもなかなか見ないチームだ

「移送ルートだが……各階教員が歩いている可能性が高い。隠密行動(ステルス)で警戒を繰り返しながら運ぶか」

静道先輩が地図を広げてそう言う

先輩が提案する計画はつまり、オペレーターとの連携を密にして、敵の居ないところを駆け抜ける作戦

この作戦は一番理想的ではあるが、不安要素が多い

「ドアから唐突に出てくる可能性もありますし、止まる回数が多ければそれだけ見つかるリスクも増えます」

俺は取り敢えず意見を言う

裁凪先輩も無言で頷き、少し考えてから口を開く

「ダクトの中ならば誰かと会う事も無いぞ」

ダクト……

過去に『SVT』はダクトを用いた工具箱奪還作戦と言うものを成功させている

葉城が学校に持って来ていた工具箱が先生に見つかり、押収されたのを、ダクトの中を通って奪還した。

あの作戦は少数精鋭が急いでダクトを通る他、工作員を配置して、先生の目を逸らすのも大変だった

「今回運ぶのは長机だ。ダクトの中じゃ通れない」

「あー、そうかー」

今回はダクトを使う事は不可能

校内は要塞のように警備が厳重で、ダクトは通れない

だとすれば、道は残り限られる

「先輩、久しぶりにやりましょう」












永久院 悠軌です

春編スタートしてからのこの好テンポは一体……!?

僕の手もよく働いてくれます

どうせすぐエンストするけど


さて、今回は静道先輩も言っていた通り、ちょっと関係の無い話に進みました

次回で問題解決へと運びます


エンストしたら女王様にキックスタートしてもらわないと……

永久院は断じてドMではありません

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