表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1

 大学2年生の大野智代(おおのともよ)は同級生の友人、中田由美(なかたゆみ)坂巻渚(さかまきなぎさ)を連れ、マンションの自宅ドア前にやって来た。


 ドアを開ける智代に由美が「智代、佐々木先輩に告白されたって本当!?」と興奮気味に訊いた。


「えー!?」と、渚が驚く。


「え? ああ、まあね」


 智代が生返事(なまへんじ)する。


 玄関に入った。


 友人2人も続く。


「それでそれで! どうなったの!?」と由美。


 渚も興味津々だ。


「どうしたも何も」


 奥の部屋への短い廊下を進みつつ、智代は答えた。


「断ったよ」


「「断った!?」」


 2人が驚く。


「どうして!? 佐々木先輩、カッコいいのに!」と渚。


「あー…わたしのタイプと違ったの」


 智代に続き、由美と渚が部屋に入った瞬間。


「「キャー!」」


 2人が悲鳴を上げた。


 部屋の真ん中で、スキンヘッドのおじさんが正座をしていたからだ。


「「誰!?」」


 2人が怯える。


「あー、ガードロボおじさんだよ」


 智代が紹介した。


「「ガードロボおじさん!?」」


 よく見れば、おじさんの頭からアンコウのランプのようなアンテナが出ている。


「警備会社に頼んで、部屋のセキュリティを万全にしてもらったの」


 智代は窓からの侵入者を撃退するカッター、その下に置いた刀と金棒、ベッドの掛け布団の上の複数のトゲを指す。


「じゃあ、あれも?」


 由美が天井の亀型ロボを見る。


「そう。あれは亀ラ」


「あれは?」


 渚は枕元の四角いロボを指した。


 上部にサイレンがついている。


「あれは防犯AIロボ。危険なものが部屋に入ると教えてくれるの」


「危険なもの…?」


「智代さん、お帰りなさい」


 ガードロボおじさんが微笑んだ。


「ただいま、おじさん」


「これって、どういうこと?」


 由美が訊く。


「ああ。実は最近、怪しい人につけられてて」


「怪しい人?」


「そう。黒ずくめの人」


「怖い!」


 由美が青ざめた。


「それで、警備会社に?」と渚。


「うん。念の為ね。怪しい人は、このおじさんロボが捕まえてくれるの。わたしが帰ってきたら、ベッドの下に入るのよ」


「ベッドの下に、おじさんロボ…」


 渚が眼を丸くする。


「智代さんのご友人の由美さんと渚さんですね」


 おじさんロボが、2人にペコッと頭を下げた。


「2人のデータは、わたしが登録してるから大丈夫。おじさんロボに捕まらないよ」


「そ、そう…」


 由美がホッとする。


「それでは、ワタシはベッド下に戻ります」


 そう言うと、おじさんロボはベッド下の格納庫に(すべ)り込んだ。


「何だか変な感じだね」と渚。


「そう? わたしは、もう慣れた」


 智代はケロッとしている。


「ねえ」


 由美が呼びかけた。


「その怪しい人って、佐々木先輩じゃないの?」


「え? 違う違う! 黒ずくめの人は先輩より背が低いもん」


「そうなんだ」


 推理が外れた由美が、がっかりする。


「まあ、これだけ厳重にセキュリティ強化すれば、心配なさそうだね」と渚。


「うん。お陰でぐっすり眠れてる」


 智代が、ニッコリ笑った。


 それから3人はお喋りや、おやつを食べ、楽しい時間を過ごした(1度、由美がトゲ付き掛け布団に座りかけ、慌てて智代が止めた)。


 渚の提案でボードゲームを遊ぶことにしたが、そこで由美が「おじさんロボにも入ってもらおうよ。3人より4人が面白いし」と言い出した。


 それもそうかと智代がAIロボに頼んで、ベッド下ガードロボおじさんを呼び出す。


「どうしました?」


 おじさんロボに事情を説明し、ボードゲームが始まった。


 土地を売ったり買ったりして、最終的に資産を1番増やした人が勝つゲームだ。


 おじさんロボがラッキーの連続で、独走状態になる。


「おじさんロボ、強いね」


 由美が感心した。


「もう! ずるいよ!」


 智代がプンプンしだす。


「ずるはしていません」と、おじさんロボ。


「わたしを守るのが仕事でしょ!」


「それとこのゲームは関係ありません」


「少しは手加減してよ!」


「うう! 人間だった時の記憶が!」


「そんな記憶ないでしょ!」



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ