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大学2年生の大野智代は同級生の友人、中田由美と坂巻渚を連れ、マンションの自宅ドア前にやって来た。
ドアを開ける智代に由美が「智代、佐々木先輩に告白されたって本当!?」と興奮気味に訊いた。
「えー!?」と、渚が驚く。
「え? ああ、まあね」
智代が生返事する。
玄関に入った。
友人2人も続く。
「それでそれで! どうなったの!?」と由美。
渚も興味津々だ。
「どうしたも何も」
奥の部屋への短い廊下を進みつつ、智代は答えた。
「断ったよ」
「「断った!?」」
2人が驚く。
「どうして!? 佐々木先輩、カッコいいのに!」と渚。
「あー…わたしのタイプと違ったの」
智代に続き、由美と渚が部屋に入った瞬間。
「「キャー!」」
2人が悲鳴を上げた。
部屋の真ん中で、スキンヘッドのおじさんが正座をしていたからだ。
「「誰!?」」
2人が怯える。
「あー、ガードロボおじさんだよ」
智代が紹介した。
「「ガードロボおじさん!?」」
よく見れば、おじさんの頭からアンコウのランプのようなアンテナが出ている。
「警備会社に頼んで、部屋のセキュリティを万全にしてもらったの」
智代は窓からの侵入者を撃退するカッター、その下に置いた刀と金棒、ベッドの掛け布団の上の複数のトゲを指す。
「じゃあ、あれも?」
由美が天井の亀型ロボを見る。
「そう。あれは亀ラ」
「あれは?」
渚は枕元の四角いロボを指した。
上部にサイレンがついている。
「あれは防犯AIロボ。危険なものが部屋に入ると教えてくれるの」
「危険なもの…?」
「智代さん、お帰りなさい」
ガードロボおじさんが微笑んだ。
「ただいま、おじさん」
「これって、どういうこと?」
由美が訊く。
「ああ。実は最近、怪しい人につけられてて」
「怪しい人?」
「そう。黒ずくめの人」
「怖い!」
由美が青ざめた。
「それで、警備会社に?」と渚。
「うん。念の為ね。怪しい人は、このおじさんロボが捕まえてくれるの。わたしが帰ってきたら、ベッドの下に入るのよ」
「ベッドの下に、おじさんロボ…」
渚が眼を丸くする。
「智代さんのご友人の由美さんと渚さんですね」
おじさんロボが、2人にペコッと頭を下げた。
「2人のデータは、わたしが登録してるから大丈夫。おじさんロボに捕まらないよ」
「そ、そう…」
由美がホッとする。
「それでは、ワタシはベッド下に戻ります」
そう言うと、おじさんロボはベッド下の格納庫に滑り込んだ。
「何だか変な感じだね」と渚。
「そう? わたしは、もう慣れた」
智代はケロッとしている。
「ねえ」
由美が呼びかけた。
「その怪しい人って、佐々木先輩じゃないの?」
「え? 違う違う! 黒ずくめの人は先輩より背が低いもん」
「そうなんだ」
推理が外れた由美が、がっかりする。
「まあ、これだけ厳重にセキュリティ強化すれば、心配なさそうだね」と渚。
「うん。お陰でぐっすり眠れてる」
智代が、ニッコリ笑った。
それから3人はお喋りや、おやつを食べ、楽しい時間を過ごした(1度、由美がトゲ付き掛け布団に座りかけ、慌てて智代が止めた)。
渚の提案でボードゲームを遊ぶことにしたが、そこで由美が「おじさんロボにも入ってもらおうよ。3人より4人が面白いし」と言い出した。
それもそうかと智代がAIロボに頼んで、ベッド下ガードロボおじさんを呼び出す。
「どうしました?」
おじさんロボに事情を説明し、ボードゲームが始まった。
土地を売ったり買ったりして、最終的に資産を1番増やした人が勝つゲームだ。
おじさんロボがラッキーの連続で、独走状態になる。
「おじさんロボ、強いね」
由美が感心した。
「もう! ずるいよ!」
智代がプンプンしだす。
「ずるはしていません」と、おじさんロボ。
「わたしを守るのが仕事でしょ!」
「それとこのゲームは関係ありません」
「少しは手加減してよ!」
「うう! 人間だった時の記憶が!」
「そんな記憶ないでしょ!」




