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「……レイン」

 色々あって気づけば500部目……!


 読んでくださっている皆様に感謝感謝です。

 エレニカに「神を作る気になったら読んでおいてね」と渡されたメモを読む。


 そこには『神の作り方』というなんとも雑な説明書きがあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 《神の作り方》


 1 依り代を用意する(なんでもOK!)


 2 依り代に神力と魔力を込める(この比率で神格が決まるよ)


 3 ハクア君の血を混ぜた薬を依り代に垂らす


 4 一晩寝かせる


 5 朝陽に当てて完成!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 さすがはエレニカ、こんなにもあっさりした書き方をするのは彼女くらいだろう。


 料理のレシピかと思うくらいに適当である。なんなら料理のレシピの方がもっと細かいかもしれない。


 ちなみに白亜に課されているエレニカの試験『パスタ作り』は未だ成功していない。


 パスタより先に神を作る事になるとは思いもしていなかった。


「依り代……なんでもいいってあるけど、壊れにくいものの方がいいよな?」

『はい。ただ、基本的に神化すれば朽ちることはないので……なんでもいいと言えば、その通りなのですが』


 神になった段階で元の素材より数段壊れにくいものにはなるのだから、別にとことん硬いものを追求する必要はないとはいえ『なんでもいい』はさすがに暴論である。


 依り代は言わば【神の心臓】である。人から神に成ることは非常に稀で、大抵の神は物に宿る。その宿った物のことを依り代というのだ。白亜の場合は実際に心臓があるので、それが依り代といえなくもない。


 依り代は様々で剣だったり、装飾品だったり、少し珍しい例だと水でも可能だ。物体としてこの世にあれば大抵は問題ない。エレニカや白亜のような元々が生物である場合は元の体があるので依り代は必要ないのだが、今回の場合は依り代を用意しておく必要がある。


「あんまり大きいのは、やめておいた方がいいか」

『そうですね。もしもの時のために、それだけ持って避難できる大きさの物がいいと思います』


 そうなると大きくとも人くらいの大きさの物だろう。


 依り代のために何か作っても良いが、白亜には少し思い当たる物があった。


「これ、使えないかな」


 気力で作り出された半透明の結晶が手の中に出現する。白亜らしいチョイスだ。


『いいと思いますよ。魔力との親和性も高そうですし。それでは早速作りますか』


 小さすぎてどこかへ行ってしまっては困るので両手で包み込めるほどの大きさの球体に成形した気力の宝石を作り、神力と魔力を込める。


 神格が決まるとエレニカのメモには載っているが、如何せん書き方が雑なので、どんな配分にすれば神格が高くなるのかもわからない。だが、別にそれほど高くしたいとも思わないので適当でいいだろうと判断する。


 魔力の方が神力よりも扱い慣れているため、魔力を多めで球に込めた。


 神力の影響でぼんやりと光る球に血を混ぜた薬を掛ける。不思議なことに硬くツルツルとした球の中へ薬品が染み込んでいった。


 そして一晩、白亜の部屋に置いておく。机の上にクッションを置いて、そこに乗せておいた。








「これで、いいはずだけど」

「なんだかドキドキしますね……」

「うん……」


 翌朝、日が昇る前。白亜の部屋には配下たちが大集合していた。


 昨日に「神を作るのに賛成かどうか」という話を各員にしていたので、この件は全員知っている。


 そのため皆気になってしまい、翌朝の大集合に繋がった。


 いよいよ朝日が昇る。


 窓から差し込む光が球体を包み込んだ瞬間、球が眩く発光する。


 たっぷり数秒かけて、その光が収束し人の形をとった。


 気力の宝石の色である淡い水色の髪と目の青年だ。容姿は少し白亜と似通っていて、だがどちらかと言えばやや幼さや人懐こさを感じる。そして服装はなぜか学ラン。


 透明感のある肌は、どこか人ならざる存在である事を思わせる不思議な雰囲気があった。誰も声を発することができない緊張感の中、件の人物が口を開く。


「……は、初め、ま、まし、て……」


 一言目から滅茶苦茶吃っていた。どうやらこの人が一番緊張しているらしい。


 謎の学ランといい、どこかツッコミどころのある人物なのか。


「えっと……初めまして。俺は白亜。一応君の……親? みたいなやつだ」

「あ、は、はい……ぞ、存じあ、あげて……ます。……ぼ、僕みたい、なのが、で、出てきちゃって……なんか、ごめんなさい……」


 誰にでも臆しない白亜の眷属なのにやたらと気が弱い。


「じゃあ何をどこまで知ってるか教えてくれるか?」

「え、えっと……た、たぶん……記憶、もらって、て……」


 なんだか要領を得ない回答である。シアンがなんとなくで察したらしく彼の言いたい事を解読した。


『恐らく、召喚獣たちと同じで記憶を共有したと思います。こちらが知っていることは全て知っていると思いますよ』

「そうなのか?」


 ブンブンと首を縦に振っている。どうやら言葉より動作の方がお喋りらしい。


 その後頑張って聞いたところによると彼は『天候を司る神』らしいことが発覚した。特に雨に関することが得意らしい。実はこれ、白亜の時空神並みに珍しいのだが、その事実を知るのはもう少し先のことである。


 そして名前はないらしい。今生まれたと言っても過言ではないため、それも当然である。


 名前をつけてほしい、と言われたため、さすがに適当に決めるのはどうかと思い少し考える。


 どうせなら雨を意味する言葉がいい。そう考えて、一番に思いついた言葉を告げた。


「……レイン」

 レインは安直すぎかなぁと思いつつ、結構かっこいい響きだと思って選びました。英語のRainからきています。


 『空』や『天気』とかの方が合ってる気がしますが、空はすでにいる(配下の一人スレイプニルの名前が空を意味するシエロです)し天気だと、とある有名漫画で技名になってる関係で見る度にそれを思い出してしまいそうだったので……


 なんだかんだ言ってレインは気に入ってます。

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