6 ファーストキスは碇
そして碇はニコッと笑ってこう言った。
「僕も嬉しいよ。正野君が僕に告白してくれて♡」
ん?おや?あれ?何で?
俺は今伊代美に告白したんやで?
それやのに何で碇に告白したみたいになってんの?
状況が飲み込めない俺。
すると背後から、
「ふ~ん、そうやったんや」
と、冷たい口調の声が聞こえた。
振り向くとそこに伊代美が立っていて、
俺を軽蔑するような目でこう続けた。
「昌也君って、そっち系の人やったんやね。
ウチ、そっち系の人は、恋愛対象としては見られへん」
「ええっ⁉ち、ちゃうねん!
俺が告白したかったのは碇やなくて、君なんや!」
「でも今ハッキリと、碇君に告白したやんか」
「ちゃうって!これは何かの間違いで、
俺がそっち系の人やっていうのは誤解やねん!」
「あ、誤解なんや」
「そうそう!分かってくれた⁉」
「うん、よく分かったわ、ホモ也君」
「全然分かってないやん⁉名前の中にホモって入ってるし!」
「さようなら」
「え⁉さようならってどういう事⁉」
「もうウチにつきまとわんといて」
「ちょ、ちょっと待ってぇや!俺の話を聞いて!」
「碇君と、せいぜい仲良くね」
「そんなぁっ!待ってくれぇっ!」
俺の必死の呼びかけにも構わず、
伊代美はそっぽを向いて去って行ってしまった。
「伊代美ちゃん・・・・・・」
その場にガクッと跪く俺。
するとそんな俺の背後から、
「マ・サ・ヤ・君♡」
と言って、碇の奴が抱きついてきた。
「やめんか!離れろコラ!」
そう言って俺は身をよじるが、碇は俺から離れようとせず、更にこう続けた。
「愛してるよ♡昌也君♡」
そして碇は目をつむって唇を尖らせ、何と俺の頬にチュウしようとしてきた!
「ぐぎゃああっ⁉何をすんねん⁉やめろオイ!離れろ!」
両手で必死に碇の顔を押し返す俺。
しかし碇はそんな抵抗をものともせず、
グイグイと俺に顔を近づけてくる!
ヤバイヤバイ!
このままやとホンマにこいつにチュウされてしまう!
ファーストキスの相手が男やなんて絶対に嫌や!
ぬぉおおおっ!
「んむぅ~♡」
その間にも碇の唇はどんどん迫ってくる!
その距離あと十センチ!
五センチ!一センチ!
そして!
ブチュウウウウウウウ♡
「ぎゃああああっ!」




