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ぼっちが学年二代美少女に憧れた結果  作者: 豚太郎
中編 俺と優し過ぎる彼女と球技大会
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第23話 友達と過ごす昼休み(下)

 喧騒が戻ってきた教室で、柊が購買のパンをかじりながら言った。


「にしてもあいつ、こんなたくさん人が居るところで、普通あんなこと言うかね」


「全くだ。でもまぁ、逆に男らしいかもな」


 俺は重々しく頷いた。するとへぇ、と柊が俺を意外そうに見た。


「二宮はああいうのありだと思うのか」


「まぁ、闇討ちするよりはずっといいだろ。喧嘩は正々堂々の方が後腐れなさそうじゃないか」


「は?」


 何故かぽかんと口を開ける柊。

 橘は唖然とした表情で俺を見た。


「お前、なんであれで喧嘩だと思ったんだ?」


「え? だってそうだろ、体育館裏への呼び出しだぜ? 喧嘩以外あり得ないだろ」


 この前読んだ漫画に書いてあったから間違いない。

 小田が可哀想なものでも見るような目で俺を見た。


「二宮氏……現実を受け入れるでござる……体育館裏と言えば喧嘩の他にもう一つ、大事なものがあるではござらぬか……」


「うっ、嘘だ! 体育館裏はタイマン張る為だけに存在するんだ! 体育館裏にそれ以外の使い道なんてない!」


「体育館裏危険すぎるだろ……」


 ぼそりと呟く柊。小田は神妙な顔で続けた。


「あの呼び出しは、そう……告白。間違い無いでござる」


「うわあああああああ!」


 俺は叫んだ。周りで昼飯を食べていた奴らがぎょっとした様子で見てくるが、衝動を止められなかった。


「信じたくなかった……そんなものが現実に存在するなんて……それならまだ、水沢君が水瀬をボコす為に呼び出したと信じたかった……」


「それだと水沢完全にヤベェ奴じゃねぇか……」

 

「二宮氏、ドンマイでござる。大丈夫、青春を謳歌してる奴らのことは放っておいて、拙者とアニメでも語るでござる」


 俺が小田に同情されていると、それにしても、と柊は唸った。


「水瀬の奴、凄い人気だよな。この前もああいうのあったじゃねぇか」


 この前もあったらしい。俺は多分そのとき学校に居なかった。


「水瀬は話しやすいし友達も沢山居るから、そういうのも多いんじゃないかな」


「この前、拙者の推しアニメについても聞いてもらったでござる……今度見てみるって言ってくれたでござるが、まだ感想を聞いてないでござる。今見たか聞いてみるで候」


「おいそれはやめとけ」


 水瀬のところに行こうとする小田を俺は止めた。許せ、これもお前のためだ……。その気まずさを味わうのは俺だけで良い……。

 

 抵抗する小田を捕まえながら、俺も釣られて水瀬の方を見た。彼女は楽しそうに友達と話していて、今も笑顔を振りまいていた。水瀬はちょっと子供っぽいところもあるが、それはよく言えば天真爛漫で性格自体は良いし、スタイルも出るところは出ていて、美少女という形容に相応しい。そりゃ人気もあるだろう。

 そんなことを考えていると、ふとこちらを見た水瀬と目が合った。


「あはは! 何やってんの2人とも! そういえば小田君、この前教えてもらったアニメ見たよ! 面白かった!」


 見たのかよ。俺は脱力して手を離した。

 うおおおおおおと興奮している小田は一旦置いておく。


「あ、そういえば今日二宮君授業寝てなかったね! 偉いよ!」


 よーしよしと手を伸ばしてくる水瀬。俺はその手をさっと躱した。水瀬はむっと頬を膨らませて抗議してくる。


「あっ、もう、せっかく褒めてあげたのに。それにしても朝も起きれてるし、まるで高校生みたいだね!」


「高校生そのものですけど!?」


「そんなやさぐれてだるそうにした高校生いないって! しゃきっとしな、しゃきっと!」


 水瀬は俺の背中をばしばしと叩いてくる。痛てぇ。









 俺が三人の方に戻ってくると、橘は未だ興奮した小田の相手をしていて、柊はスマホを弄っていた。


「お、帰って来たか。それにしても、お前水瀬と仲良いよな。デキてんの?」


「は?」


 驚いて聞き返すと、柊はけらけら笑った。


「ってその反応だとねぇか。まぁお前はもうちょっと見た目気にしたらモテるようになるんじゃねぇか。髪も伸びっぱなしだしよぉ」


 指摘されて俺は髪を撫でつけた。

 

「えぇ……言うほどか?」


 確かにここ2ヶ月くらい切ってないが。


「清潔感だよ、清潔感。なぁ?」


「まぁ確かに切った方が良いかもね」


 橘も同意していた。そんなものだろうか。

 週末に切ってこいよ、と言いながら柊はスマホを仕舞った。


「柊氏はスマホで何してたでござる?」


「ああ、彼女とレイン」


「はぁ!?」


 この男、正気か?


「あ、正確には彼女っぽいやつな。何人かいるけど、決めかねてんだ」


 あっさりととんでもないことを口にする柊。こいつ、モテそうだなとは思ってたが、ここまでとは。


「そのふざけたイケメンフェイスに、拙者の正義の拳を叩き込んでもよろしいか?」


「オーケイ、手伝おう」


 俺と小田が正義を執行しようと、逃げる柊を追い回しているうちに昼休みは過ぎていく。

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