43話
私ホリシオンは、今サッセルン侯爵家のほぼ物置と化した庭に建てられた別邸を、荒らしまくっております。
姉様の突然の王宮での夜の襲撃?から既に1ヶ月経過していますが、未だに手掛かりは見つけられておりません。
先ずは図書室と考えて片っ端から読んで見たのですけど、古代遺跡にも不思議な術にも引っかかる物はありませんでした。
憔悴する私に、執事がこの別邸に何でもかんでも放り込んでいる事を教えてくれたのです。
あの郷田花様、もとい姉様の前世の事を知る者は、私とケトナー卿、そしてフォルク様しかいませんので三人でここを探すつもりでしたが、二人とも今領地へと行っております。
問題発生ということなので仕方なく一人でひっくり返しているんですけれど、家から付いてきた侍女たちが手伝いたいと必死に懇願するのを退けるのが大変でした。
でも⋯やっぱり掃除くらい手伝って貰えば良かったかなと今更な後悔をしております。
なんせ埃が凄い!
一体どれくらい入ってなかったのかというくらい積もってます。まるでグレーな雪のよう、ウットリなんかしませんよ!喉がイガイガします!
あ~苦しい
そして手掛かりゼロ~
心がポッキリ逝きそうです(泣)
そんな中、書物ではないのですが小箱を見つけました。そこに描かれた物がひょっとして漢字という物ではないかと、ドキドキしながら蓋を開けたのですが何も入っておりませんでした。
でももしこれが漢字という物でしたら、繋がりがあるかもという期待は持てそうです。
今度王宮の姉様に、この漢字のような物を写して見せようと思いました。
行ってしまうと新たなお願いをされそうなので手紙で済ますことにします。
それを見つけた2日後に領地へと行っていたフォルク様とケトナー卿が、興奮して帰ってきました。
特にケトナー卿は目がギラギラと⋯怖いぐらいあります。
「ホーリーただいま戻ったよぉ」
若干気持ちが浮ついた声なので、鳥肌がサァーっと立ちましたがこれは内緒にしておきます。どうして普通に言えないの?
普通にしてくれたら私だって⋯⋯。
いえいえ今は考えないようにしておきます。
なんせ初夜もまだですから、このまま行くと白い結婚なる物も本格化してきます。
「フォルク様、おかえりなさいませ」
「うん、寂しかった?」
えっどうして私が寂しいと思うと思ったんだろう?その思考は何処から?ココカラ?
「ご機嫌ですね、どうされましたの?」
彼の問は丸っと無視をする事にして、浮かれた二人の近況を報告してもらおうと執務室へと背中を押しました。
旅装を解いて執務室でお茶を飲むフォルク様は、見た目だけは合格なのになぁ何て、対面で見つめておりましたら、ケトナー卿がやって参りました。
その手に何かを握っています。
彼はそれをテーブルの真ん中に置きました。
アレッ?これって⋯⋯。
私は感動でフォルク様とケトナー卿を交互に見ます。
「こっこれは⋯⋯まさか」
それは端の方が既に朽ちている分厚い板なのですが、消えかかって見えるソレに見覚えがありました。
郷田花様だった姉様が隣国で訳してくれた石版に書かれた文字。
そこには『薬』と書かれておりました。




