第2! 苦労人、襲われる。
「・・・うっ・・・・おおおおおおお!!!!すっげぇ!!つよっ、なにこれーー!」
俺はクレーターを見ながら叫ぶ。
うるさいって?いや、でもさ、このクレーター、俺が作ったんだよ!?すごくね!?強くね!?
あの高さから落ちて死なないのも奇跡に近いし、人からかけ離れた能力を持ってるって事なんだぜ!?
俺がなんかよく分からない人と(というか、独り言に近い)話していると、一枚の紙が
上からひらひらと舞って落ちてきた。
俺はそれをつかんで広げてみる。
すると・・・
『いやー、ごめんねー?適当なところに落としたら、すーーーっごい事に、君の居た世界じゃ無い所に落としちゃったー!だからさぁ、その世界、魔物とか、危ないのいーーーーーーっぱい出てくるから!魔法とか使えて当たり前の世界、みたいな?あはは☆
夢の機嫌を損ねちゃうからいけないんだよ?だから、まぁ、死なない程度にがんばってねーー!』
・・・・・・。
まず、一言。
うっっぜぇーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
すーーーーっごいとか、すーーーーーっごいむかつくんですけど?
危うく俺は紙を破ってしまいそうになったが、抑えた。
ていうか、じゃぁここ、ファンタジーの世界って事か・・・?
危ない魔物とか、出会ったらどうするんだよ・・・。
俺が考えていると、また紙が空から降ってきた。
『魔物に出会ったらどうしようって考えている君へ☆
だからさ、特別な能力付けといたっていったじゃん!
君が危なくなったときとか、やりたいときに、何か能力を強く思い浮かべるの。
危なくなったときは自動的に出ちゃうことが多いけどね!でも、自動的に出ちゃった場合、自分も死んじゃう可能性がでてくるからぁ~・・・。自動的に出さないように気をつけてね!
やりたいときは、その様子とかを自分で思い浮かべるの!火が燃えている様子を思い浮かべて
強く願ったら、本当に火が出てくるってわけ!便利でしょ~。
上級者は、念じなくても自分で呪文とかを決めて唱えるだけで、すぐ能力が出てくるよ!
念じるのには時間が少しかかっちゃうから、唱えるだけって、すっごーーーーーーく便利だよね!
というわけで、説明でしたぁーー!』
あらまぁ!すーーーーーーーっごくがすっごーーーーーーくに変わっていることですこと!
でもどっちにしろ、う・ざ・い☆始まり方もうざい。なんなんだ、こいつは・・・。
・・・まぁ、それはおいといて、なんか便利だなぁ、この能力。
試しにやってみよう。
・・・やっぱ、思い浮かべるんだったら、アニメとかそういうやつの方がいいよな・・・。
俺は頭の中で鋼の錬〇術師の錬〇術を思い浮かべてみる。
そして、そのアニメの通りにやってみると・・・
ずううううううううううううん!
頭で描いた通り、壁が出てきた。
「おおおおお!!すっげぇ!」
俺は感激をする。
そして、出てきた壁をすりすりと触った。
「おお、この手触りといい・・・!うちにある壁そっくりだ!」
自分の出来栄えに惚れ惚れしつつ、俺は覚悟を決めた。
よし、俺はこの世界でこの能力を使いまくってやる。
そして、あのくそうざい神をぶっ殺してやる!!
さ、そろそろいくか!
「いえーーい!ここから俺、後藤祐樹の第二の人生の始まりだぜー!
行ってみヨーカドー!」
なぜここでヨーカドーのCMが!?
自分の言動に少々戸惑いつつ、くるりと後ろを振り返った。
すると・・・
「・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
なんかでかいのが居ました☆
おい、これでいいのか主人公よ・・・。
かわいそうなくらい苦労人なこの子はいつまでも苦労します・・・。
そして、かなりの鈍感。
こんな主人公を、よろしくお願いしますー