↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第二章 カゲキなるBB団

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/48

少女は如何にして心配するのを止めて金を愛するようになったか

 待機室では、4人の少女たちがいた。

 そのうちの一人、巴月は、姿を現した麗美に向かって言った。

「サニーから連絡をもらって、心配になって、見に来たんだろ」

「うん」と一言、麗美は、か細い声で言った。

「じゃ、話は早い。サニーへ言ってやってくれないか。魔法少女の前では、銃と刀は無意味なんだってことを」

「……そうね、無意味」


 しかし、サニーは納得しなかった。

「でも、さっきみたいに、迷彩魔法を使って透明になって、不意《ふい》を突けば、マジカル拳銃《チャカ》でも敵を倒せるじゃありませんか」

 腕組みをして、うんうんとうなずきながら、巴月はこう言った。

「そうだなあ。確かに、相手が油断してりゃ、どうってこともないぜ。それだったら、なにも魔法少女でなくたって、魔法を使えない刑事たちに任せりゃいいんだ。油断している魔法少女なんて、すぐに捕まえられるんだ。問題は相手が待ち構えているときだ」

「待ち構えているとき?」とサニーが問う。

「犯罪者が犯罪を犯しているとき、だ。――そのときは魔法で自分の身を守ろうとする。警察につかまりたくないからな。わかりやすく実演してやろう。こういう魔法を知ってるか?」


 そう言うと、巴月は何やら呪文を唱え始めた。終わりに、こう叫んだ。「強化魔法ラエ・ジュ―エネ!」

 サニーが生まれて初めて聞く呪文だった。

 巴月の全身が金色の光に輝《かがや》く。巴月は、マジカル拳銃《チャカ》を持っている麗美のほうに向かって、こう頼んだ。「おい、アームド。撃ってみろよ」

 麗美は銃を構えて、巴月に狙《ねら》いを定めた。そして、ためらいもなく、引き金を引いた。

 パンという乾《かわ》いた音が聞こえたかと思うと、銃口から煙が立ちのぼる。続けて、二、三発も麗美は撃ち続けたので、たまらずサニーが止めに入った。

「もういいです。アームド先輩。わかりましたから――」


 サニーの鼻に、つんとする火薬の臭《にお》いが刺さった。好子もその臭いに顔をしかめた。

 麗美が発砲を止めると、もうもうと立ちこめる煙の中から巴月が現れた。輝いたままの彼女は銃に撃たれても、けろっと平気な顔をしている。

「どうだ?これが強化魔法だ。体に当たった銃弾や刀剣を跳《は》ね返すんだ。30秒間で、4千円かかるけどな。おっと、これは自動継続だったな。すぐに止めないと、金がかかっちゃう」と巴月は、強化魔法を解除する呪文を唱《とな》えた。


 魔法を止めると、巴月はサニーたちのほうへ歩いてきた。

 どこもケガがなく、にこにこと笑っている。

 サニーと好子は、口をあんぐりと開けたまま、二の句を継《つ》げないでいた。

 巴月はあっけらかんと言い放つ。

「な、わかっただろう?金がありゃあ、この強化魔法をずっと使えるんだ。もっと高価な魔法なら、弾よりも速く動けるし、戦車の砲弾にも耐えられる。力も何倍だ。……だから、仮に魔法の武器で戦っても、大金を持っている魔法少女が絶対に勝つんだ。これが魔法少女のルールなんだよ」


 その日、魔法機動隊は、BB団関連の事件の捜査から正式に外《はず》された。

 今後、一切《いっさい》、BB団と関わらないように、という指示を黒子隊長から受けたサニーと好子は、怒りのあまり、自分たちの机を蹴《け》った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。