武器よ、こんにちは
サニーは髪をとかし終えて、パジャマからブレザーの制服に着替えた。
着替えてから、「アームド先輩は魔法武器のスペシャリストよ。だから、敵に対抗できる強力な武器をもらおうってわけ。コムラ先輩にも来てもらうつもり」と好子に言った。
「コムラ先輩には何を頼むつもりなんですか?」
「もちろん、アームド先輩の通訳をしてもらうの。わかる?ジーパン」
好子は、それを聞いて納得した。
「ああ、アームド先輩って、無口ですもんね。ほんとう、何を考えてるんだか――」
とつぜん、待機室のドアが開いた。
「おっす!みんな、元気でやってるか!」と威勢のよい声が飛び込んだ。コムラこと、焔 巴月の声だった。
髪をひとたばにまとめた大きなポニーテールが目立つ。それ以上に、声がやたら大きくて、遠くからでも聞こえるのだ。
今日の服は、ボーイッシュな短パンと白のカッターシャツ。日焼けした肌が対照的だった。
巴月がきょろきょろと部屋を見回す。
「お?17歳さんはいないのか?」
「課長のところへ行っています。コムラ先輩」と好子が答えた。
巴月はニカッと白い歯を見せて笑った。
「おう、ジーパン。おさげが良く似合ってるぜ。ゴムバンドがピンクでかわいいな」と、巴月は、髪をたばねている好子のゴムバンドをほめた。
ほめられて、好子も悪い気はしない。
「ありがとうございます。コムラ先輩。あいかわらず元気ですね」
すると、巴月は「へへっ、元気だけが取りえだよ」と照れ隠しに鼻をこすった。
「こんにちは。コムラ先輩。今日はおりいって、お願いしたいことがあるんです」とサニーはお辞儀をしながら言った。
「なんだ?かわいい後輩の頼みだ。なんでも相談にのってやる」
「強力な魔法の武器が欲しいんです。どんな魔法少女にも勝てるような……」
「ヤブから棒の話だな。なんで、また、そんなのが欲しいんだ?」
サニーは昨日の戦いについて、事細かくコムラに語った。
衝撃のタキシードは資産6兆円以上を持つ金持ちであり、どんな魔法も使える。そのせいで負けたのだと話すと、巴月の表情が曇った。
「うーん」と巴月はうなり声を上げた。サニーの頼みに困っているようだ。
それを見ていたサニーは肩を落とした。
「だめですか?」
「いや、そうじゃないんだ。サニー、いいかい?ファウスト交換の原理によって、金持ちの魔法少女が勝つんだ。金があれば、より強力な魔法を多く使える。それが絶対の理だ」
「当然です。でも、魔法道具は、そんなに金がかかりませんから、それを使えば、万に一つ、勝てるかもしれません」
「おいおい、魔法道具の銃で撃たれようが、魔法少女は銃弾をふせげるんだぜ。その衝撃のタキシードってやつは、私たち二人でかかっても勝つのが無理だ。なあ、アームド」
巴月は、いないはずの麗美に声をかけた。




