クリスマスイヴ
リアルタイムで数ヶ月、クリスマスイヴである今宵、素敵な出来事が起きる。
リアルタイムで数カ月、一人一人がいろんな事がありながら日が流れ、今宵はクリスマスイヴ
街はクリスマスムード一色、総統が働いている郵便局も平鳥さんが頑張って書いたサンタクロースの絵が所狭しと貼られている、なぜかヤドリギの葉の束の下でキスをしている男女の絵があり、それを見ながらうなだれている平鳥さんを時折見かけるが……。
深く考えず、気にしないことにした。
むろん我等がW団もその雰囲気におおいに乗っかろうと借りているアパートで、いろんな飾り付けをした。
とにかく雰囲気が大事だということで、デジの生活しているデスクトップハウスは煙突のある家に雪が降っていて、サンタとトナカイの影が空を飛んでいる外仕様、もちろんデジはサンタコスチューム。
本人曰く『私は別にサンタコスチュームに不満はありませんよ……ただ……、なぜ私の部屋であるデスクトップを外仕様にして、私は見た目外に放りっぱなしのマッチ売りの少女風なんですけど』
そこんとこも深く考えず、気にしないことにした。
『また一週間かけて呪いますよ?』
さて、クリスマスイヴであるW団の食卓にはいろいろと奮発して揃えた品々に、料理番組で見ながら作った七面鳥の丸焼き。
メンバー総員大はしゃぎの中、重要な品が抜けていた。
「……総統、ケーキはどうしたんですか?」
数時間……
「総統さんお休みなさい」
「はい、お休みなさい」
サリィちゃんが誰よりも先にベッドで寝ようとしている時、
「しかし、七面鳥の丸焼きがあって、ケーキが無いのはちょっと惜しかったな」
「まぁまぁ、そんなこと言わない、無くても十二分に楽しかったじゃないかアライド君」
アライドとエンクランスが洗面所で歯を磨きながら話をしている。
「そうよ、それに私は初めてのクリスマスイヴなんだから、ほら…歯ブラシ取ってくれる」
アライドはアラネの歯ブラシを渡したら、アラネは歯を磨きながらデジのパソコンが置いてある机に椅子を運んで、正面に座った。
「どうだった?私もよく知らないけど、クリスマスイヴって七面鳥の丸焼きを美味しい料理を食べる日なんでしょ?」
『?…何か誤解をしているようですね、そもそもクリスマスはイエス=キリストを祝う日でイヴはその前日なんです』
「へー……キリストって誰?」
デジはアラネに大まかな説明をしている最中に、総統は台所で、なにやら紙を広げて確認をしている。
「……よし、品はちゃんと買ったし後はみんなが寝るのを待つだけ…ん?」
『……と言うことで、あらかた説明しましたが、分かりました?』
「……まぁまぁ?」
『それでいいと思います、あとクリスマスイヴには楽しいイベントがあるんです』
「楽しいイベント?枕投げとか?」
『それはあなたがたが普段やってることです、アラネさんサンタクロースを知っていますか?』
「サンタクロース?あの赤い服に白い髭を生やしたおじさんの事?」
『はい、そのサンタクロースさんは、クリスマス前日に今年いい子にしていた子供にプレゼントを持ってきてくれるんです』
「プレゼントを?」
デジがサンタの説明を始めようとしたら、そこに総統が割って入ってきた。
「アラネちゃん、話が膨らんでいるとこ悪いんだけど、その話の続きは明日の朝に」
アラネが洗面所に入ると入れ替わりにアライドとエンクランスが食卓に戻ってきた。
「それでは部屋一室借りて寝ます」
「僕ももう寝ますね」
「はい、ワシも少ししたら寝るから」
アライドは食卓の隣にある寝室に、エンクランスは玄関近くの物置部屋に入っていった。
「じゃあ私も寝ますね」
続いてアラネも寝室の襖の中に入っていった。
「さて、みんなは寝たかな?」
それぞれの布団にちゃんとその人物がいるのかを確認。
「よし、みんないる……あれ?誰か忘れてる気が」
『総統さん何してるんですか?』
水犬が水筒から顔を出して総統を見つめていた。
「ああ、水犬ね」
総統は水犬か水筒の中にいるのを確認した上で蓋をきっちりと閉めた。
「これでよし……着替えるか」
総統は台所の戸棚に隠しておいたサンタクロースの衣装を取り出して、こっそりと着替えた。
「町内会の人達と協力してサンタ役を決めて、お父さんの変わりにプレゼントを置きに行く、その協力としてケーキを貰うついでにこの衣装のままみんなにプレゼントを置いていく、完璧な作戦だ」
総統はこっそりと玄関から外にでて、みんなが完全に寝るまで待つ間に、サンタ役としてプレゼントを届けに走り回った。
……真夜中
…カチカチ……ガチャン……
総統はサンタ役としての仕事を終えて、今度はW団のサンタとして、玄関からこっそりと潜入。
「完璧な作戦、それではチャチャっと気づかれないようにプレゼントとケーキを置いて、ワシも寝ようとしようか」
総統はニヤニヤしながら玄関から入り、洗面所を通り過ぎようとした……が
「総統なにしてるんですか?」
まさかのトイレから出てきたエンクランス、総統はエンクランスに声をかけられた瞬間に鋭い視線を送り、内心驚きつつプレゼント類をゆっくりと廊下に置いて、物置部屋の扉を開けて、物置部屋に総統はエンクランスを一本背負いで放り投げ、すぐに総統も部屋に入り扉を閉めた、その間音は一切出してはいない。
音が出たとすれば、投げられたエンクランスが布団の上に着地した音とエンクランスの息を吐いたような。
「グハ」
だけだった。
総統はすぐにエンクランスに事情を話した。
「なるほど、総統はなかなか活きなことしますね」
「だから静かにして、……よしいくか」
扉を開けて物音がしないかを確認して、プレゼントを持ち上げて、こっそりと移動した……二人で。
「なんでついてくるの?」
「えっ!?私が先に様子をみた方が安全だと思うんですが?」
「それもそうだね、じゃあ先に」
エンクランスが先に進み食卓に置いてあるパソコンと水犬の水筒を確認して、エンクランスは総統を呼んだ。
「ほぼ大丈夫です、何も音がありません」
「よし、まずはデジだね」
総統は台所でこっそり確認したメモを取り出した。
デジの欲しいものヘッドホン付きマイク
「なんか実用的ですね」
「こういう周辺機器はワシには分からんが、試しに繋いでみようか」
総統はプレゼントのヘッドホン付きマイクをパソコンに差して耳に付けてみた。
「総統……パソコンがついていない今は何も音がないのでわ?」
しかし、総統は何か音が聞こえたのか必死にヘッドホンを耳に押さえている。
「総統?」
「なんかね…デジの声が聞こえるんだけど」
「ヘッドホンの音量上げてみます?」
『……そうだ、……から入ろう』
『クリスマスイヴ、私は外に放り出された、雇われ家政婦であった私は雪積もる中、体をふるわせながらどうにか暖まる場所を探し回った、しかし、どこに行っても話を聞いてくれずに町の明かりは刻一刻と消え。
私は最後まで諦めずに歩き回ったが、町の明かりがすべて消えていた。
もう扉を叩いても誰も出てくれないと思った私は、鍵のかかった煙突付きの家の玄関前で体丸めて暖をとろうとした。
しかし、雪は無情にも積もり続け、更に風は強く私の身体から体温を奪い続ける。
凍える手で、放り出された際に一緒に投げられたマッチ棒を、一寸の希望と共に火をつけた。
マッチの火は小さかったが、確かに私の手を暖めてくれている。
マッチの火は数秒で消えてしまったけれど、すぐにもう一つ二つと消える度に新たなマッチに火をつけ続けた。
何も考えないでマッチに火をつけていたら、最後の一つになってしまう。
最後の一つを使うか使わないで待つかを考えていたその時、どこからか鈴の音が聞こえ始め、少しの間その鈴の音を聞いていた。
ある程度鈴の音を聞いていたら、音は次第に小さく小さく、私は慌ててその鈴の音の正体を知りたくなり、自分の暖をとるのに使わずにマッチの小さな灯りで探し始めた。
だが、ほんの数秒だけでは見つけることは出来ずに火は消えてしまいう。
最後の一つを使ってしまい、何も見つけることが出来なかった私は再び玄関前に座り俯く。
私はこのまま寝てしまったらどうなるのだろうか、と考えていたら、消えてしまった鈴の音が今度は次第に近づいてくるように大きくなり。
私はその鈴の音の正体を見ることができた。
数体のトナカイの首に数色もの鈴、そのトナカイはソリを引っ張っていて、そのソリには真っ赤な服を着たサンタクロースが乗っていた。
サンタは私のマッチの火の光をみて、この家に飛んできてくれたのだ。
サンタはすぐに屋根の煙突から空き家の中に入っていった。
そうだ!!
私はすぐに立ち上がり、自分の服に付いていた雪を払い。
そうだ、煙突から入ろう。
こうして私はサンタさんのおかげで、外で凍える事なく、クリスマスを迎えることが出来た……
出演者デジ
脚本 デジ
……』
「………もしかして、デスクトップの絵でお話でも作ったのかな?」
「見なかった事にしよう」
総統はヘッドホンを外して、プレゼントを置いた。
「次は水犬かな」
水犬の欲しいもの、一リットル水筒
「どうやら普段の水筒では狭いらしい、お風呂と人で言うと、体育座りで足がのばせない感じらしい」
「それじゃあリラックスできないね、いちよう水筒は水犬の布団みたいなものだから、早速入れ替えてあげようか」
総統は水筒の蓋を開けて、一リットル水筒に入れ替えようとしたら。
「あれ?……水筒の中が空っぽだ」
「……えっ?じゃあ本人はどこに?」
総統とエンクランスが台所で水犬を探し始めたら、その本人がちょうど真後ろに。
『総統?なにしてるんギャッ』
水犬が一声軽く鳴いている途中で、すぐにエンクランスが水犬を抱えて、総統が水筒を構えて。
「てい!!」
『ワァァァア』
エンクランスはすぐに水犬を総統の持った水筒に放り投げ、見事一リットル水筒の中に水犬は滑り込むように入っていき、蓋を閉めてすぐにエンクランスの物置部屋に一時退却した。




