隠されたディスク
ついに持ち主を突き止めた総統だったが…
後11時間マンション釣熊亭前……
総統達の住んでいるアパートと似たりよったりの構造、違う点は一度入り口の監視室みたいな部屋を通り過ぎてから部屋に入るとこぐらい、その監視室にいる大家さんとお話中の総統。
「入れてくれるんでしょうか?」
「そこは総統の言葉しだい」
総統が鍵を持って戻ってきた。
「見て回ってもいいらしいよ、話し相手になったらいいみたい」
エンクランスとアライドは一度顔を見合ってから総統に軽く触れて。
「おばちゃんの話し相手頼みました総統」
総統が持っていた鍵はエンクランスが盗み、マンションに入って行った。
206号室……
「おばあちゃんの話だとそのままらしいけど……まさかアレもそのままじゃないですよね」
扉の前に立つ二人、至ってシンプルで変哲もない扉だが、数ヶ月帰ってきてないらしい、鍵を開け、扉を引く。
玄関から既に埃だらけ、床に敷物はなし、廊下を歩くと二人の足跡がきっちりと残っている微かに足跡が他にもあるがさほど変わりない、突き当たりの扉を開けて食卓に入った、机には数ヶ月前の新聞とコップが数個、冷蔵庫の中は空っぽ、キッチンのガスと水は既に止められ電気もつかない、埃かぶったカーテンを開けて窓を開ける。
「埃だらけだ…手がかりはないのか?」
「エンクランスさん!!」
アライドの声のする方に向かうエンクランス。
「どうした?」
「この部屋の机の上……」
小部屋に机と棚が数個、棚の中身は全てなくなって、机の上を見てみると、あのパソコンと同じぐらいのサイズに埃の積もりが周りのとは違っていた。
「あのパソコンはここにあったんだ……」
その頃総統はマンションのおばあちゃん達と立ち話の最中。
「……でね、コレわかる?この気持ちわかる?」
「でも他に理由があるかも知れませんよ?」
夫の不倫疑惑の相談を受けている総統、重たい……。
「消えたと言えば、206号室の古物さんどこに消えたんでしょう?」
「古物さん?その方がどうしたんですか?」
おばあちゃん達は総統を輪の中に入れて、限りなく小さな声で話した。
「数ヶ月前から突然消えるようにどこかえ行ったんです、あの人夜遅く帰ってくるから」
「私たちの読みはいわゆる夜逃げもしくは逃亡だと……」
「なるほど……それは一人でですか?」
「そりゃそうよ、だって古物さん、奥さんいないんだもん」
「それに変な服着た人達が押し寄せたとか……きっと借金取りよ」
「管理人さんの所に来て…、古物さんは旅行と仕事の関係上数ヶ月帰ってきませんが、お支払の分は部屋を残していただきたい、後外に出した物は棄てていただいても構わないと、それでは……、とかいって古物さんの本とか段ボールを運んでたらしいわよ」
エンクランスのお話どうりに進んでいる、しかしおばあちゃん達の会話で気になる点が出てきた。
「まぁ古物さんは一人暮らしだったから逃げやすかったでしょ」
「一人暮らし…娘とかはいなかったんですか?」
「管理人さんから古物さんは一人暮らし娘はいないです、もちろん愛人とかも私と違って……」
「それでも消える前は楽しい方でした、総統さんの言うとうり娘がいるかのような」
古物はどこに消えたのか、変な服着た借金取り、存在しない娘、その後総統は一つの段ボールを抱えたエンクランスが戻って釣熊マンションから決戦の地に戻った。
残り9時間電車で移動中……
パソコンの持ち主が古物さんであり失踪中ということをエンクランスは聞かされ、段ボール箱は鍵を返したときに管理人から貰ってきた物らしい。
「おばあちゃん達の言うとおり、本、雑誌などはなく、他にもパソコンはあった痕跡はありましたが、それは持ってかれたのでしょう」
「で、その中身は?」
「管理人さんいわく、古物さんの物を勝手に棄てれないし私の判断で預かってたけど場所をとるのでいります?、とかで貰っておきました、つまりコレが最後の手掛かり…」
段ボール箱はガムテープでしっかりと閉ざされ中身はまだ分からない。
中身はいったい何なのか、コレが紀子を倒す事が出来る手掛かりになるのか。
「そういえば、ザ・輪の方の主人公はどうなったの?ワシ見てないから」
総統は町内会でエンクランス達と一緒に映画を見ていない。
「あっ…そ…それは…」
アライドがうつむいてしまって、エンクランスが電車で揺れながら話してくれた。
「実は主人公も紀子の実家に行き、手掛かりを探して箱を見つけるんです、それを持ち帰って呪いを解除する方法を見つけたんですが……」
いやな予感がする総統、震えるアライド。
「後一歩の所で時間がきてしまい、主人公はヒロインを助けようと紀子を道ずれにして、ヒロインは助かり呪いのテレビはヒロインの手によって葬られました……ちゃんちゃん」
「ちゃんちゃん…じゃないよ!!つまり主人公は助からないでヒロインだけ助かったの!?」
「いえ、正確には日本全体…どっかの人がおもしろ半分で動画を投稿して、広がっていました」
総統はアライドをチラッと覗いたら端っこの方で座り込んでいた。
「じゃあアライド君は助からないの?」
「いえ、そうとは決まっていません、映画は夜の9時アライド君は深夜の何時、時間差は明らかです、この差以内に呪いを解けばいいんです」
「それもこれも、この段ボール箱に賭けるしかないんじゃな」
W団拠点夕暮れの五時食卓……
食卓のテーブルに段ボール箱を置き、メンバー全員で囲んで、総統がはさみを持って待機している。
「開けるよ……」
メンバー全員がつばを飲み込み、瞬きせずに凝視している、はさみがガムテープを切る音がよく聞こえる、はさみはテーブルに置かれ箱を開封する、その中身は……。
「ん?……CDとDVD」
全員で箱の中身を手にとりそれぞれ確認した。
「ホントにDVDだ」
「これはただのDVDじゃない、ロボットアニメのDVDだ」
「他にもいろんなジャンルのDVDがあるよ」
『なんだ?これ…フリスビー…遊び道具!』
「総統、水犬が勘違いした使い方してます」
「玄関からフリスビー取ってきて庭に投げといて」
そんなCDやDVDが箱いっぱいに敷き詰められていた。
「これだけ?手掛かりは…解除する方法は…ないの?」
「今の所…そうとしか言えません」
夕暮れの太陽が輝いているが、それももう少しで真っ暗な夜が迫る、この箱が月のように闇夜を照らす光になればよかったのだが……。
「他に何もないの?」
「残念だけど……」
「そんな……こんな物!何の役にもたたないじゃないか」
アライドは怒りのあまり段ボール箱を机から投げた、箱はそのまま窓から庭に放り投げられた。
「アライド君、気持ちは分かるが物に当たるのはよくない」
「もう……どうなってもいいよ」
太陽のこの日最後の輝きがアパートを照らす。
アライドが見る最後の光が……。
その時、庭で遊んでいた水犬が放り投げられた段ボール箱に吠え始めた。
「水犬が吠えてる…」
誰も机から動こうとしないので、総統が窓から差し込む光を手で遮断しながら水犬に近づいた。
「どうしたの水犬?フリスビーならあっちに……」
『総統!フリスビーこの中にある!』
「もう…近隣のかたに迷惑に…な…る……」
水犬が見つけたのは段ボール箱の底に太陽の光が当たり円盤型の影が一つ箱の裏面に浮かび上がっていた。
「水犬よくやった!!」
庭で騒いでいる総統が気になり始めたメンバーは日が暮れ、星が空に見え始めた庭に出た。
「総統…なにかあったんですか?」
その総統の手に
『タイトル・固円盤再生ロボ・バックアップ』
と書かれたCDをしっかりと持っていた。
「コレが紀子を倒す最終兵器になるはずじゃ」




