ドクター、国境の街に向かう 7。
ハンター達は、クエストの目的地であるダンジョンに向かった。
道中は、特にトラブルも無く無事にダンジョンの入り口に着いた、その場所は、中継地点から徒歩で四時間ぐらいの所にあり、ダンジョンの入り口は、いかにもと言う感じの洞窟だった。
ダンジョンの入り口の前で、少しの休憩と作戦の最終確認が行われた、リーダーのガイが仕切って作戦の最終確認を行い、三十分程の休憩を挟みダンジョンに入って行く事になった。
そして、ドクターはここで、パークに念押しした。
「パーク。私は戦う力なんか持って無いからな! パークの後ろに隠れるからな」
「ドクターさん。任して下さい! 俺が付いていますから!」
そう言ったパークだが久々のダンジョンでのクエストに目を光らせていた! まるで遠足前の子供の様にテンションが高かったのだ。
ドクターは、パークに期待出来無いとなるとどうしょうかと、不安に思いながらも何とかなるかと思いこれ以上は特に何も言わずに置いた。
休憩が終わりダンジョンに入って行く事になった。ハンターランクCの八人を先頭にダンジョンの入り口をくぐった。
中に入るとジメジメとした湿気の多い洞窟だった。いかにもと言うダンジョンだ。目的の三階までは特に入り組んだ道も無ければ罠などのハンターの行く道を阻む物は無いみたいだ。
リーダーのガイは一度このダンジョンに入った事が有るみたいで、道を進みながら説明してくれた。
ドクターは、それは作戦会議の時に皆んなに伝えておかなければいけない事ではと思ったが、そう感じていたのはドクターだけみたいだ。パークもそうだが、ハンター達は冒険が好きみたいだ。
少し進むと、第一むらびと‥‥ おーっと、もとい第一モンスターを発見した。お約束のスライムだ。
「ファイアー」
スライムを発見した、ガイのパーティーメンバーで有る魔法使いのマナが直ぐに魔法を放ちモンスターを討伐した。それを見たガイが少しマナを静止した。
「マナ! スライム如きに魔法を使うなよ。勿体無いじゃあないか、この先の為にも温存しといてくれ」
「ガイごめんなさい。少し高ぶっちゃって、では、後はお願いするわ!」
マナがそう言うと、目の前にスライムが五匹程集まって来ていた。それを見た、ガイや他の冒険者達は、一斉にスライムを討伐していった。
あっという間に二階に降りる階段の所まで来た。一階で出て来たモンスターはスライムだけだったのだ。
ここでタンクのエーカーのパーティーは一階で討伐数を稼ぐ為別れる事とした。エーカーのパーティーは、エーカーはハンターランクDだが他はEランクだったのでここで討伐数を、稼ぐ事となっていた。
ここで二階に行くメンバーは、ガイのパーティー六人と魔法使いのダンのパーティーの六人とドクターとパークの総勢十四名となった。
十四人は、二階へと続く階段を降りていった。
二階は、洞窟というよりも森だった。木々が生い茂り鳥の鳴き声が、聞こえて来そうな様子だった。
ダンジョンの一階二階でここまで様子が変わるのは珍しいみたいで、このダンジョンが発見された時は大きな話題になっていたそうだ。
この二階で、出て来るモンスターは、スライムとウサギの様なモンスターで皆んなは、キラーラビットと呼んでいた。それと、なんか大きいトカゲみたいな物でこちらも皆んなはキラートカゲと呼んでいた。
なんかそのままの様なネーミングだが、一般人にしては大変驚異の、あるモンスターみたいでキラーというネーミングがつけられている。
ちなみに、ドクターはこの世界に来て普通のウサギも、トカゲも見たことが無くなんでこんなネーミングを、つけたかと考えると面白くクスリと笑っていた。
笑っているドクターを見た、ガイやパークが冷やかして来た。どうやら武者震いかなんかと勘違いしたみたいだ。
ドクターは、おいおい辞めてくれよと思いながらも何とかやり過ごした。
そうこうしている内にあっという間に三階に降りる階段に着いた。ここで魔法使いのダン率いるパーティーとは、お別れだ。
こうして総勢八名となり三階に続く階段を降りて行った。
「ここからは気を引き締めて行くぞ!」
ガイが皆んなに声を掛けた。さぁダンジョン本番どうなるドクター!