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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第九話

「うん。やっぱりこの森は豊かだな。薬草もいっぱい生えてるし食べられるものも色々手に入ったな」


サノスは袋がいっぱいになるまで森で薬草や食べられるものを採取した。


「そろそろ戻るか」


時刻としてはまだ昼だ。


後の予定は一度、冒険者ギルドで換金してから考えることにして来た道を引き返した。


街に入るときに門番が話しかけてくる。


「今日は1人か?」


「えぇ。他の人達は休んでいるはずです」


「昨日、あれだけ稼いだのに仕事とは熱心だな」


「あはは。いつ稼げなくなるかわかりませんから」


「そうか。まぁ、体も大切にしろよ」


「はい。ありがとうございます」


サノスは街に入り採取してきた果物をかじりつつ冒険者ギルドを目指す。


「このアッポウは当たりだな。糖度も高いし。積極的に集めてもいいかも」


そんなことを言いつつ冒険者ギルドに到着した。


昼間ということで受付は空いていてすぐにサノスの順番がまわってくる。


「いらっしゃいませ。ご用件をどうぞ」


「換金をお願いします」


「換金ですね。それではこちらの上にどうぞ」


木で出来たトレイが出てきたのでその上に採取してきた薬草と必要ない採取した食べ物を出していく。


「以上です」


「はい。それではしばらくお待ちください」


受付嬢はそう言って一度下がりお金を持って戻ってくる。


「銀貨3枚となります」


「ありがとうございます」


「それにしても大金を手に入れたのに真面目ですね」


「大金を手に入れたことは知られてるんですね」


「職員の間でちょっとした騒ぎになりましたから」


「残念ながら詳細を知らないんですよね」


「そうなんですか?」


「昨日の記憶がなくて・・・」


そこに1人の受付嬢がやってくる。


「ちょっと。いい?」


「ミーネ先輩?」


受付嬢はミーネと呼ばれた受付嬢と何やらこそこそ話をしている。


そしてしばらくすると戻ってきた。


「対応中にすみません」


「いえ。それで何か知りませんか?」


「すみません。私達も何も知らないんです」


「そうですか・・・」


「あの。でも、私は応援していますよ」


「ありがとうございます」


記憶がない謎は残ったままだがサノスは深く考えるのをやめることにした。


パーティーメンバーの面々も気にしていないようだったし他人に迷惑をかけていないなら些細な問題だ。


冒険者ギルドを出たサノスは適当に串焼きを買って腹を満たした後は再び門を出て森に向かった。


ゴブリンや低位の魔物なら戦えると思うが出来るだけ戦闘は避けたい。


ということで、自然と森の浅い場所での採取となる。


それでも、十分な量の薬草と食べられる木の実や果物に野草などを採取することができた。

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