<第一部 マンハッタン島編 第五章 シーン3.5『バーナビーの単語帳』(挿話・副読本的資料)>
1ページめのみ抜粋して紹介します
『政治・外交用語単語帳 6カ国語対応』 1918.Sep. H.C.ロッジ氏の命により作成 T.B.W.
〜〜〜〜〜〜〜〜
Absolute
F.Absolu I.Assoluto L.Absolutus
G.Absolut S.Absoluto P.Absoluto
Accept
F.Accepter I.Accettare L.Acceptare
G.Akzeptieren S.Aceptar P.Aceitar
Accurate
F.Accuratif I.Accurato L.Accuratus
G.Akkurat S.Acurado P.Acurado
Accusation
F.Accusation I.Accusa L.Accusatio
G.Anklage S.Acusación P.Acusação
Addition
F.Addition I.Addizione L.Additio
G.Addition S.Adición P.Adição
Adherence
F.Adhérence I.Aderenze L.Adhaerentia
G.Adhärenz S.Adherencia P.Aderência
Adjust
F.Ajuster I.Aggiustare L.Adjustare
G.Anpassen S.Ajustar P.Ajustar
Administration
F.Administration I.Amministrazione L.Administratio
G.Administration S.Administración P.Administração
Advantage
F.Avantage I.Vantaggio L.Avantagium
G.Vorteil S.Ventaja P.Vantagem
Affect
F.Affecter I.Affettare L.Affectare
G.Beeinflussen S.Afectar P.Afetar
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(以上10英単語ぶん。これが20ページあり、合計200英単語が6ヶ国語で翻訳されている)
(F=フランス語 I=イタリア語 L=ラテン語 G=ドイツ語 S=スペイン語 P=ポルトガル語)
(「意味は英単語として書いてある。発音は読めばわかる」バーナビーはそう考えて、不要な情報は割愛した)
(全文字タイプライターで印字したが、çやãなどの発音記号は手書きで書き加えた)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エレベーターを待ちながら、バーナビーはアーロンに問いかけた。
「アンバランスだと思うか?」
「…えっ?何が、ですか?」
「単語帳だ」
「ぁあ!えっと…」
アーロンは目をふわふわ泳がせながら、
「…”Absolute”から始まるの、バーナビーさんらしいなって思いました」
と答える。
それは、オグデン・ミルズ・リードの受け売りでしかない。
「つまり、アンバランスな内容だということは否定しないんだな」
「んー、あー、完璧なバランスの辞書なんてないんですよ、きっと!」
突飛な理屈だ。
「完璧な人はいないって言うじゃないですか」
それは、そうかもしれない。バーナビーは、そもそもバランスのとれた人物になろうとしてこなかった。思い返せば、”Balance”を単語帳には入れそびれている。政治用語ではあるのだが。
「マーク・トウェインは『人間はみんな月だ』って、満ち欠けがあるし裏側は見えない、って…あ、すみません、乗ります」
午後0時54分06秒、1分以上待ってからエレベーターがようやく来てくれた。
アーロンが乗り込むのを待ってから、扉を閉めた。




