秋休み
前回までのあらすじ
田舎で家族の介護を担い、自分の人生を諦めかけていた縁ルイ。
ある日、憧れの小説家・そうげん。から、アシスタントにならないかという手紙が届く。しかし、家族への責任と自分の夢との間で揺れるルイは、なかなか一歩を踏み出せずにいた。
そんな彼が偶然再会したのは、かつての友人。友人の言葉は、ルイに新たな考え方を与える。
その夜、妹の入院先への同行を求められたルイは、ついに決断する。祖母にお金を残し、家を出たのだ。
そして、憧れの街・東京へ。
そこで彼に声をかけた、見知らぬ男性。
「君もしかしてルイ君かい?」
彼は一体、何者なのか?
なぜ僕はそうげん。さんとカフェにいるのか。僕は絶賛混乱状態にいる。そうげん。さんに声をかけられてそして事務所にいって契約の話とかするのかと思ったがカフェ。誰も予想できないだろう。そうして戸惑いを隠せないでいたのだろう。そうげん。さんは話し始めた。「ごめんね。急にカフェに連れ込んじゃって。迷惑じゃなかった?」と物腰柔らかそうに聞かれて僕は「いえ。」と冷静を装いながら返答をしそうげん。さんは微笑んで「そっか。良かった。にしても驚いたよ。まさか僕が断られるかなーと半分諦めて送った手紙を直々に持って来てくるなんて。行動がとても突飛だね。」といわれて僕は言葉を返せなかった。案の定図星だったんだ。「あっ、でも責めてるわけではないよ。…なにか事情があるのかい?」とそうげん。さんは答えない僕にやさしく問いかける。僕はフリーズした。ここで事情を話しても大丈夫なのか。僕の事情を知って帰らされるんじゃないか。僕が考えないで行動した結果がこれか。そうパニックを起こしてるとそうげん。さんは察したのか僕を家に入れてお茶を用意してくれた。「教えなくてもいいんだよ。僕はここで聞いた話は秘密にする。僕は君に100パーセント雇うと断言できない。でも今から聞く話はここだけの話にする」僕はそれに戸惑う。信じてもいいのだろうか。親がいつも僕が東京に行きたくならないようにずっと言い聞かされてた。「東京には噓つきがたくさんいるよ」完全に信じたわけではないが都会にいないほうがおかしいと分かっていた。「約束する。僕は外部に漏らさない。もらしたら君は僕を誘拐犯として訴えてもいいから。」「そんなことしません!…憧れの小説家さんのキャリアを壊したいわけではないです」と考えるよりも先に口に出てそしてあとから小さくなっていく声にそうげん。さんは一瞬驚いたがすぐに微笑んだ。僕はその動作に一気に解放されたかのように自分のことを話した。自分の人生全てを。そうげん。さんは真剣な表情で笑ったりせずに頷きながら聞いてくれた。そして僕が最後の言葉を発して終えて暫く沈黙が下りてきた。失望しただろうか。そうおもってうつむいた瞬間彼は僕の前にグミを出してきた。僕はぽかんとしたがそうげん。さんは気にも留めなかった。僕に差し出してそして発した言葉はたったの一つ「よく頑張ったね。」僕は泣いてしまった。僕の人生が誰かに認められたようで。家族でもないあかのたにんのまえで。今思うとこれが僕の悲劇の始まりだったかもしれない。だがその時の僕は生きるのに必死だった。そうげん。さんはずっと背中をさすってくれた。そうして泣き止んで少し落ち着いた後我に返った。少し恥ずかしかった。もう16歳になったのに赤の他人の前で泣くなんて。そのあと僕の様子をうかがいながらもそうげん。さんは話を始めた。「そうだなぁ、このままだと両親の同意も得ずに拉致してきたと事務所に怒られかれないなあ。うーんどうしたものか。」と少し大きい独り言を言っている。僕は拍子抜けしてしまった。多分僕を安心させるためだ。ふと思いついたようにそうげん。さんが僕を見る。「三つの選択肢がある。それを選ぶのは君だよ。まず一つ目親と縁を切って僕と養子縁組するか。この場合僕は君の親と話し合いが必要になる。最もきみはそういうの気にしないで選んでほしい。そして二つ目事務所にうそをつき君は家の中で僕の原稿を直すか。これは君の自由を少し縛ってしまう確率が高い。三つ目これは君が一番いやかもしれないけど家に帰るか。この三つかな。それともそれ以外の選択肢があると思うなら相談してほしい。ひとまず君に時間をあげるよ。君は決まるまでここにいて大丈夫だよ。ただ僕家事ができないからそこらへんは妥協してもらえると、、、」と急に苦笑し言葉を濁すので僕は笑ってしまった。「流石に居候させてもらう身分でそんなことは絶対に言いません。」




