夏休み
始まりは妙にすべてが静かだった。
雨が降ってるのに急停止している。降っているのか降ってないのかそれだけ考えて歩いてても一向に晴れない。この物語は何のために存在したのかそして誰が悪人だったのか。君たちはどう思う?始まりはただ一つの本からだった。たったちっぽけな小説。それからあの壮絶な人生を歩むことなんて誰が想像してただろうか。今から語る物語は深い自問。
雨のにおいがする。
目を開けると案の定祖母の飼い猫のミケがにらみを利かせながら僕の上に座っていた。少し身じろぎをするとすぐに去っていく。少しぼーっとしながら起き上がると雨がぽつんぽつんと降っていた。
家の中に入り今日も一日が始まる。
まずは障害を持つ妹の勉強を見る。出来ないとすぐ怒るこの子に勉強を教える意味はあるのだろうか。両親はただ目をそらしたいだけなのじゃないか。
案の定今日もおばあちゃんの家に預けられる。
今考えると両親と過ごした日々は今の日々よりも少なかった気がする。そのあと腰の悪いおばあちゃんに料理を作る。そして三人で食べる。祖母は食べながら文句が多い。素晴らしい才能だと皮肉めいたことを考える。今日の文句の理由は妹のお行儀悪さらしい。祖母を老人ホームに預けて妹を学校に連れていって家で勉強をする。
最初は祖母は老人ホームを嫌がってたが友人でもできたらしい。老人ホームに行く日は機嫌がよくあまり文句を聞かないですむ。妹は逆に学校に行く日は機嫌が悪くなる。バカにされるからだと思う。
僕は両親は16歳で義務教育は受けたと言い張り学校に行けず内緒でバイトしながら教科書を書い勉強し空き時間に趣味の小説を書く。
僕は大の小説好きでたまに教科書のための金を小説に費やしたことがある。
その月は教科書が買えなくて勉強できなかった。いつも気を付けてるがバイト代をいつも教科書に使ってしまうため貯金ができないのだ。祖母と妹がいない日に小説家のファンミーティングに行ったこともある。だが小説家というものは僕が思った通りの美しいものではないらしい。笑顔を浮かべてるが目の下の隈を隠しきれてない。
僕は祖母と妹に囲まれてるからか他人の顔色の観察が得意だ。素直に喜べない才能だがそのおかげで気が利くと評判がいい。そう少しずつ皮肉を混じったことを考えながらだが教科書の問題を解く。この環境で月一に教科書を使い終わる才能と向上心がある。自分で言ってても笑ってしまう。そんなものここでは無駄なのに。時間が過ぎていく。時計の針の音が響き渡り拷問のような時間が流れる。ふと気づくともう4時だった。雨の音も今朝よりも大きくなっている。そろそろ祖母と妹をとる時間だ。コートをはいて三人分の傘を持って出ていく。田舎だから人々の足音は聞こえない。ちっぽけな家が数軒あり畑が広がっている。案外僕はこの光景が好きだ。妹は田舎くさいと嫌っていたが。雨は気まぐれだ。一定にふっていると思えばどしゃ降りになりそしてまた止む。それを繰り返しそして去っていくこともあればずっと居座ってるときもある。
代り映えのしないこの毎日僕はこうやって辛気臭い顔で生涯を終えていくんだろうか。
こんにちはー今回初投稿りずと申します。ちょっとミステリアスな雰囲気となってしまいましたがのんびり書いていきたいと思います




