表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

私達が生まれた理由

 四十五代目を選抜するゲームは続いている。


 今のところ、ポニーテールを軸にゲームは展開している。


 モニターを見つめながら、無駄と知りつつ考えずにいられなかった。


 私達も、皆同じ顔だった。


 元々、人殺しのために作られた……人ではない少女。それが私で、彼女達。


 たくさんの死骸と苦しみの上に、存続する世界。


 なんか、生きて出なくてよかった気がする。


 情緒不安定な方のセミロングを閉じ込めようと、トレッドミルの部屋で隔壁が閉まり始めた。


 閃光が目を焼く……事もなく、監視カメラ共々少女は消滅した。


 そして。


 セミロングとポニーテールが残った。


 ◆◆◆


 スキャナーを通して送られてきた解答用紙を見比べる。


 "私は、このデスゲームを通して命の大切さを学びました。人が目の前で死んでいくのを見て、とても胸が痛んだのを覚えています。このゲームが終わっても、その悲しみの記憶と、命を大事に生きていこうと思います。"


 ポニーテールの書いたものだった。


 セミロングの答えに移る。


 目を見開いた。


 これは……この娘……。


 拳銃を掴み、マスタールームを飛び出す。


 扉が開いていた。


 外の空気は、マスタールームと同じくらい澱んでいた。


 ◆◆◆


 私が不適と判断した方を、拳銃で処理した。


 セミロングに、私は告げる。


「おめでとう。"第四十五代ゲームマスター"」


 困惑するセミロング。


 無理もない。人として正しいのは、ポニーテールの方だった。


 だが、ここでの正解は……。


「貴女の解答、完璧だったわ。"わかりません。どうして私達が巻き込まれたのか。何故私達の記憶がないのか、何故同じ顔の少女が集められ、危険な知識を持っているのか。私には何一つ分かりませんでした。これは、私達に世の不条理を、世界の悪意と残酷さを叩き込むためのゲームなのだと、そう思いました"……そういう娘が欲しかったのよ。あんなに目の前で人が無惨に殺されて"命の大切さ"? ちゃんちゃら可笑しいわ!!」


 拳銃を差し出す。


 彼女には、まだ手首にスタンガンが巻かれていない。


「ほら、分かるよね? 貴女なら分かるよね? 私を殺して、解放して。そして、貴女がゲームを続けるのよ」


 セミロングは、躊躇したが処刑道具を受け取った。


「遺言は?」


 慣れ親しんだ合成音声に、なんとなく声が似ていた。


「あんた、これまでずっと考えて考えて、目を凝らして生き残ったでしょ」


 祈りを込めて続ける。


「でもこれからは考えるのをやめなさい。これから、沢山の女の子を殺さなきゃならない。あんたはゲームマスターという、このシステムの歯車として存在するしかないのよ……撃てよ」


 お願い……どうか貴女は、こんな苦しみを持たないで。


 銃声が響く。


 最期の瞬間まで、思考は続いた。


 ──この銃は……こういう目的のために存在したのだ。


 <了>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ