私達が生まれた理由
四十五代目を選抜するゲームは続いている。
今のところ、ポニーテールを軸にゲームは展開している。
モニターを見つめながら、無駄と知りつつ考えずにいられなかった。
私達も、皆同じ顔だった。
元々、人殺しのために作られた……人ではない少女。それが私で、彼女達。
たくさんの死骸と苦しみの上に、存続する世界。
なんか、生きて出なくてよかった気がする。
情緒不安定な方のセミロングを閉じ込めようと、トレッドミルの部屋で隔壁が閉まり始めた。
閃光が目を焼く……事もなく、監視カメラ共々少女は消滅した。
そして。
セミロングとポニーテールが残った。
◆◆◆
スキャナーを通して送られてきた解答用紙を見比べる。
"私は、このデスゲームを通して命の大切さを学びました。人が目の前で死んでいくのを見て、とても胸が痛んだのを覚えています。このゲームが終わっても、その悲しみの記憶と、命を大事に生きていこうと思います。"
ポニーテールの書いたものだった。
セミロングの答えに移る。
目を見開いた。
これは……この娘……。
拳銃を掴み、マスタールームを飛び出す。
扉が開いていた。
外の空気は、マスタールームと同じくらい澱んでいた。
◆◆◆
私が不適と判断した方を、拳銃で処理した。
セミロングに、私は告げる。
「おめでとう。"第四十五代ゲームマスター"」
困惑するセミロング。
無理もない。人として正しいのは、ポニーテールの方だった。
だが、ここでの正解は……。
「貴女の解答、完璧だったわ。"わかりません。どうして私達が巻き込まれたのか。何故私達の記憶がないのか、何故同じ顔の少女が集められ、危険な知識を持っているのか。私には何一つ分かりませんでした。これは、私達に世の不条理を、世界の悪意と残酷さを叩き込むためのゲームなのだと、そう思いました"……そういう娘が欲しかったのよ。あんなに目の前で人が無惨に殺されて"命の大切さ"? ちゃんちゃら可笑しいわ!!」
拳銃を差し出す。
彼女には、まだ手首にスタンガンが巻かれていない。
「ほら、分かるよね? 貴女なら分かるよね? 私を殺して、解放して。そして、貴女がゲームを続けるのよ」
セミロングは、躊躇したが処刑道具を受け取った。
「遺言は?」
慣れ親しんだ合成音声に、なんとなく声が似ていた。
「あんた、これまでずっと考えて考えて、目を凝らして生き残ったでしょ」
祈りを込めて続ける。
「でもこれからは考えるのをやめなさい。これから、沢山の女の子を殺さなきゃならない。あんたはゲームマスターという、このシステムの歯車として存在するしかないのよ……撃てよ」
お願い……どうか貴女は、こんな苦しみを持たないで。
銃声が響く。
最期の瞬間まで、思考は続いた。
──この銃は……こういう目的のために存在したのだ。
<了>




